「freeman B（フリーマン）」…おすすめ帖 vol.88

『ナチュリラ』本誌でも、季節ごとのリアルクローズとそのおしゃれな着こなし方を提案してくださっている人気セレクトショップ「アナベル」。店主の伊佐さんによる「季節のおすすめ帖」連載コラムです。季節ごとのおすすめの品を月に１回、ご紹介しています。

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photo：川本浩太　text：伊佐洋平　model：伊佐奈々

 

昨年の秋冬シーズンに、あるカシミア製品のセーターを「ちょっと着て欲しい」と言って妻に渡しておきました。しばらくした時の妻の反応がとても印象的だったことを思い出します。「毛を刈られた羊になった気分くらい気持ちいいカシミア」と妻は言いました。もう突っ込みどころが満載です。カシミアは羊じゃなくて山羊ですし、毛を刈られた？羊？と少し混乱しながら「動物になっちゃったのかと思うくらい一体感があるってこと？」と聞くと、妻は大きく頷き、「それ！」と言ってとっても気に入った様子で着続けていました。

それがこのセーターで、「freeman B（フリーマン）」というブランドです。後ろについたBが気になって聞いてみると、「Beatific/Biophilia/Best/Basic/Botanical dye」などなど、好きな言葉を並べると頭文字にBが目立ったので、発音はしないけどひっそり付けたそうです。

 

今回は数あるラインナップから、ブランドの良さを知る上で最もわかりやすい「インナーセーター」シリーズをいくつかご紹介させていただきます。インナーと言いつつ、通常の薄手のカシミアとして活躍してしまうところがこれをはじめにお勧めしたい理由でもあります。まずこちらが、最も活躍の場が広いインナーボトルネックセーターです。

 

「freeman B（フリーマン）」のカシミアは全て、内/外モンゴル自治区の遊牧民たちが育てている最高級のカシミアだけを使用することに拘っています。いわゆるトップカシミアです。このトップカシミアは、様々な事情が重なると刈り取れない年もあるそうです。「その場合どうするのか？」聞いてみたところ、「諦めます。もちろんお客様（取扱店や顧客）にはあらかじめお知らせします」と。

 

バックスタイルには編柄のラインがデザインとして。シーズンによっては、作らない可能性があるほどに拘った「freeman B（フリーマン）」のカシミアは、トップカシミアということだけがこの着心地を支えているわけではないようです。

 

クルーネックのワンピースから少し立ち上がるボトルネックは、少し首周りが冷える方にもお勧めできる品のあるデザインです。

 

「freeman B（フリーマン）」のカシミアはトップカシミアだけを用い、その良さを最大限に生かすため、紡績から縮絨まで繊維に負荷をかけないようかなり拘って生産しています。自身のこだわりを守るため、そして最高のカシミアを届けるために、必ず同じ生産ラインを維持できるように、生産工場との信頼関係にも心を配ります。

 

羽織のインナーとして、見せて着ることもできるセーターです。もちろん、できるだけ素肌に直接着てあげてください。「freeman B（フリーマン）」の製品仕上げは全て、人工的な柔軟剤などを使用せず、自然環境にも優しい植物性の石鹸だけで行っています。そのため、しっとり感と同じくらい、ふんわりとした起毛感を肌に感じることができるのです。

 

このように一枚で着てもシンプルな薄手のカシミアとして活躍します。

 

こちらは先程のボトルネックとは別な糸で製作されたインナークルーネックセーターです。

 

肌触りに徹底して拘ったブランドのネームは、カシミアの糸で織り上げたもの。

 

「maison de soil（メゾン ド ソイル）」のウールワンピースに合わせたところ、なんとクルーネックラインがピッタリと重なりました。見えませんが、実は下に着ています。

 

後ろから見るとわかりますね。インナーで使用するとなると、クルーネックの後ろ下がりも重要ですからね。

 

このような深いVネックのお洋服に合わせるときも。これらのセーターはとてもわかりやすく活躍しそうですので、皆さんにまずお勧めしたいデザインです。しかしこれはどうでしょうか。あまり出会う機会も少ないかもしれませんが、最高に贅沢で気分が上がる一品です。

 

カシミアのタンクトップです。「いつ着るの？」なんて、つい声が漏れてしまいそうですが、ぜひ試していただきたい商品です。例えば今のように寒くなりきらない、しかし朝晩は冷えるような季節。コットンシャツの下に実はカシミアのタンクトップを着ていたらどうでしょうか。春も同じです。いち早く春服を纏いたいが、まだ寒い2月下旬、3月、4月。絶対活躍します。しかも特別な気分を感じながら。

 

ひょっとしたら暑がりの人にも逆にフィットするのかもしれません。お店にも一定数のお客様で「セーターを着ない」方がいらっしゃいます。真冬の通勤でインナーにこちらを使ったらちょうど良いのかもしれませんね。また、自身で出会う可能性が少ないカシミアのタンクトップは、贈り物で戴いたらすごく嬉しいのではないでしょうか。

 

最後はインナーのゆるレギンスです。

 

丸ひもでゆったりしたウエスト。

 

とっても長くてゆるっとしたリブ編みの裾。

 

畳んでみるとわかる贅沢な分量感は、薄手のカシミア２〜３枚分を感じるほど。

 

全体にゆるく、締め付けのないほんわかと温かい幸せなレギンスです。スカートやワンピースに合わせてぜひ。贅沢に、冬のホームウェアのインナーに使用しても素敵ですね。

 

アナベルでは普段からお客様に申していることではありますが、「毛である以上毛玉はできる可能性がございます」それと同じことが「freeman B（フリーマン）」のお手入れ方法にも書かれています。こちらの製品は、自然のカシミア本来の質感をできる限り残すために、毛玉を抑えるための特殊加工もしておりません。風合いを優先しています。そのため、素肌に着て少し汗ばんだ際には、起毛した毛が体に張り付いたり、重ねて着ていた衣服にくっついたりしますが、いずれ落ち着きます。また、美しく心地の良い状態を保つために行うカシミアのケアを覚えることもカシミアを着ることの一つの楽しみになればと思います。それさえ覚えれば、上質で他にないナチュラルなカシミアが手に入ります。製品とともに、お取り扱い方法の記載された素敵なカードを添えておりますので、ぜひ実践してみてください。

 

ボトルネックセーター　￥23,100（税込）
クルーネックセーター　￥30,800（税込）
タンクトップ　￥17,600（税込）
ゆるレギンス　￥35,200（税込）
そのほかにも、カシミアセーターをご用しておりますので、店頭でもぜひご覧ください。

 

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