「ともに歩こう」…おすすめ帖 vol.91

おしゃれさんコーディネート
2023.01.21


『ナチュリラ』本誌でも、季節ごとのリアルクローズとそのおしゃれな着こなし方を提案してくださっている人気セレクトショップ「アナベル」。店主の伊佐さんによる「季節のおすすめ帖」連載コラムです。季節ごとのおすすめの品を月に1回、ご紹介しています。

photo:川本浩太 text:伊佐洋平 model:伊佐奈々


 

「annabelle(アナベル)」でスタイリングをする際に、お客様が想像している以上に気にかけているのが靴の存在です。お店を始めた当初から今も、annabelleらしい靴はなんだろう? さらには今の気分に当てはまるものはなんだろう? と継続的に考えながら、とても慎重にお取り扱いを決定するのが靴になります。今回は、2年前にもご紹介をした「R.U.(アールユー)」のブーツをご紹介したいと思います。

R.U.(アールユー)の中でも「Dessin(デッサン)」というシリーズにある「Jeanne(ジャンヌ)」というブーツになります。この「Dessin(デッサン)」とは、長年靴と向き合ってきた作り手である魚住氏が、流行とは無縁のカタチを目指して作り上げたシリーズで、博物館の展示室や古い資料で見られる美しく朽ちた存在感を再現したいと構築したシリーズです。その理想を求め、感覚と技術を駆使して色の濃淡や立体的なシワを表現しています。

 

「Jeanne(ジャンヌ)」という名の通り、凛とした強い女性像を想像してデザインしたというサイドゴアブーツは、サイドのゴム部分のデザインが非常に特徴的でありながら、全体のフォルムはとてもシンプルに、そしてストレートチップに仕上げているところも僕の好みでした。

 

サイドゴアブーツは、長靴のような印象が出ないようなもので、かといって英国然としすぎない遊び心の感じられるものが好みです。ストライクゾーンが狭すぎて、自分自身でも18歳の頃に「アルフレッドサージェント」のサイドゴアブーツを当時にしてはして奮発して購入して以来、一度も買う機会が訪れていません。

 

R.U.(アールユー)の魅力は、以前にもお伝えした通り、ハンドメイドに拘ったベンチスタイルを採用している点ではないかと思います。靴そのものの製法は、マッケイ製法というアッパーとソールを直接縫い合わせる製法で、軽くてコバがなく見た目にもスタイリッシュであることが大きな特徴です。当然、量産には不向きであり、一人の職人が一足ずつ仕上げていくため、一気通貫で靴を仕上げることができる職人の人数によって、年間の生産数は自ずと決まってきます。

 

R.U.(アールユー)は当店では、1つの品番に対して一年に多くても2回、通常は1回の入荷体制でご紹介をしております。そして一旦ご愛用が始まったシューズは修理を繰り返すことで、末長くご愛用いただければと願っています。もちろん修理もR.U.(アールユー)が担当いたします。妻は最も長く履いている「Bess(ベス)」がもうすぐ10年経とうとしていますが、3回ほどのソール修理を経て、今も現役で活躍しています。

 

スカートやワンピース、ロングコートなどには本当によく似合いますね。久しぶりにスタイルに似合うブーツと出会うことが出来て嬉しい限りです。

 

履き心地はどうか? R.U.(アールユー)の靴を複数所持している妻とスタッフの横山は、今回二人ともこのブーツを一眼見て気に入って購入しましたが、今までの中で一番足入れが楽だと言っています。履きすぎて酷使するのを抑えながら、週の半分はジャンヌを履いているようです。

 

フルレングスのパンツにもカッコよく。我が家の玄関では、足元にボリュームのあるトレンド色の強い娘のブーツと並んで、何かを語り合っているように並ぶ姿が愛おしいのです。

 

モコモコの可愛らしいフリースパンツに合わせて。

 

今シーズン、アナベルで提案している様々なスタイルに合わせて使用してきましたが、本当にしっくりとくる。アナベルで扱う他のR.U.(アールユー)の靴たちと同じく、「ともに歩こう」と心から思える、そんなブーツでした。ブーツは冬だけと思われるかもしれませんが、こういったデザインのブーツであれば、春先から初夏にかけてもまだまだ活躍します。スッキリしたフォルムは、デニムやチノといった定番のボトムスにももちろん似合います。在庫やサイズには限りがございますが、気になったらぜひご試着にいらしてくださいね。通信販売もお受けいたしますが、必ずお電話やメールのやりとりでサイジングについてのお問い合わせをいただければと思います。皆様にとって、一生付き合えるブーツになりますと幸いです。

 

R.U.(アールユー) サイドゴアブーツJeanne(ジャンヌ) ¥57,200(税込)

<annabelleで扱うその他のR.U.(アールユー)シリーズ>
・Bess(ベス)
・Anon(アノン)
・Abbey(アビー)
・Jill(ジル)
・Thea(テア)
・Hull(ハル)※2023年1月現在、再入荷予定なし
・Langton(ラングトン)※同上

 

←そのほかの「annabelle(アナベル)」の記事はこちらから

アナベル

神奈川県横浜市青葉区美しが丘2-20-1美しが丘アレービル104 
東急田園都市線たまプラーザ駅から徒歩5分
℡:045-482-4026
営業時間:11:00~20:00 水曜定休
http://www.f6products.com/
https://www.instagram.com/annabelle_104/

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

ページトップ