【DAY_1】おしゃれの “骨格” 白シャツが変わった
島根の人気セレクトショップ「Daja(ダジャ)」ディレクター・板倉直子さんの新刊『明日、ちょっといい私に出会えたら』は、皆様もうご覧になっていただけましたでしょうか? このサイトの「おしゃれさんコーディネート」や雑誌『大人になったら、着たい服』では、いつも格好いいトラッドスタイルを披露してくださっている板倉さん。こちらの本ではおしゃれのことはもちろん、季節ごとの暮らしの楽しみ方、体や心の整え方など、いつもとは違う一面も見せてくれていますよ。そこで今週は月~日曜の7日間連続で板倉直子さん特集を公開! 月~水曜は新刊の中からおすすめのページをご紹介します。そして木~日曜は、板倉さんが季節ごとの撮影裏話を書き下ろし! 特に撮影NG集は必見ですのでお楽しみにしていてくださいね~。
おしゃれの “骨格”
白シャツが変わった
流行が変わっても、年齢や体型が変化しても、クロゼットの中には必ず白シャツを揃えておきたいと思っています。白シャツのよさをひと言で表すと「そぎ落とされた美しさ」ではないでしょうか。何の策もなく着てしまうと平凡に陥ってしまう難しくないようで難しいアイテムですが、時にはボーイッシュに、時には女性らしく……と自在に雰囲気を変えて楽しむことのできる白シャツは、たとえるなら、毎日食べても飽きない白米のような感じかも。
50代になって白シャツから少し遠ざかっていた時期がありました。あんなに気に入って着ていたのに、朝、鏡を見たら、なんだかしっくりこなくて慌てて着替えることがしばしば……。そこで「今の私に似合う一着とは?」と冷静に考えてみたところ、年相応の大人っぽさを保つことのできる辛口な要素が必須で、パリッと着こなせる〝ハリ感〟のある生地が大事だという答えにたどり着きました。
〝抜け感〟が生まれるように、オーバーサイズ気味で着るのも今の気分。やや襟を抜いて、デコルテがきれいに見えるところまでボタンを開けたら、2、3回袖をまくって手首を出します。年齢を重ねて少し肉の落ちてきた首・肩・手首の節を効果的に見せることにより、着やせ感がアップ。10年ほど前に買って以来、クロゼットの中で眠らせていたユニセックスのシャツも引っ張り出してみたらぴったりで、最近よく着ています。
ほどよいゆとりとハリ感で、気になる体の丸みは出さない、というのが今の自分にとって理想の白シャツ。自分らしい一枚を見つけて颯爽と着こなせたら、この先、格好よく年を重ねられるかも。白髪やシワが刻まれても、清潔感のある白シャツが似合う大人、というのが私の究極の憧れです。
ほどよいハリ感のあるリネンオックスフォード生地のボタンダウンシャツは、気に入って買ったものの当時は似合わず眠らせていた「ヴァイオレット, バッファロー ワロウズ」。同じくリネン素材のグレンチェック柄ワイドパンツは「ミシェル ボードアン」のもの。足元から白いソックスをのぞかせてシャツとリンクさせた。ベルトと靴はエナメルにして華やかさを添えて。
『明日、ちょっといい私に出会えたら』より
Amazon / 楽天ブックス
photo:伊東昌信
Profile
板倉直子
島根県松江市のセレクトショップ「ダジャ」のディレクター。『大人になったら、着たい服』でトラッドを基本にした私服コーディネートが紹介されると、マニッシュな中に大人の女性らしさがあると大評判に。日々の着こなしや暮らしぶりを紹介したインスタグラムも人気。現在は、ファッションブランド「ハンドルームウィメンズ」のディレクションも手がける。著書に『大人のための かしこい衣服計画』『頑張らないおしゃれ』(ともに主婦と生活社)がある。
Instagram @itakuranaoko
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