春泥のネイビーコーディネート

おしゃれさんコーディネート
2023.03.12


こんにちは。熊本・南阿蘇のセレクトショップ「robin ASO」の土持加奈子です。
ようやく日差しの中に温かさを感じられるようになってきました。春の風物詩「野焼き」も始まり、週末になると阿蘇にお越しの方も増えて来た様に思います。
始まりと終わりを同時に感じられるこの季節。当店のお庭にも、小さな春が。

 

さて、今日のテーマは、昔から私も夫も大好きな「ネイビーonネイビー」のワントーンコーディネートです。
ヨーロッパの洋服に心酔していた学生時代(=バイト代の大半を服につぎ込んでいた時代)、「ネイビー」という色にハマっていました。
中でもイタリアブランドの“何色”とは一言で言い表せない、グレー掛った深いネイビーと、ベージュ掛った優しいグレーに魅了され、色の奥深さを知ったのが始まりです。
私と夫は、小売業とは別に洋服の企画の仕事も長年していたのですが、色を決定する際の工程の一つに「ビーカー」という、色のサンプルを作成し確認する作業がありまして……。特にネイビーは一度ではなかなか決まらず、何度もビーカーを繰り返し、理想の色を追求することが多かった思い出があります。


生地工場へのビーカー指示にはPANTONEを使います。理想の色がPANTONEに無いこともあります。

 

というわけで今日は、自然の光の中でも浮き立つ、ネイビーだらけの春の着こなしです。

黒に近いダークな紺色が、畔編みの凹凸感と相まって、とても美しくクラシカルなカーディガンは、柔らかなコットン素材で、温かみもあるので3月に入ってから大活躍中です。

 

濃紺がノーブルな印象のコクーンシルエットのコットンパンツに、アウターももちろんネイビーです。

羽織ったのは、「HAU」の定番コート。
レディースアイテムでは珍しいのではないでしょうか。暗く鉄色掛った「鉄紺色」です。
素材がキャンバスなのでミリタリーライクにも見えますが、こういう色は、どうエレガントに着こなすかを考えるのも楽しいです。

アウターまでネイビーを重ねたスタイルの時は、インには少し明度をずらしたアイテムを差し込みます。今日はスモーキーなブルーを合わせてみました。

濃淡や色味が微妙に異なるカラーの重なり合いが立体感を生み出してくれた時、ワントーンコーディネートの醍醐味を感じられます。

 

もう一つは、“全身濃紺オンリー”なコーディネートです。
トップスもボトムスも同じ色味の時には、デザインに少し遊び心のあるもの、そして素材感を大事にして表情を加味します。

小さなポケットが4つ並んだカーディガンは、袖もほんのり膨らんでいて、さりげなく個性のある一枚。着心地の良さを堪能できるシルクコットンニットは、シンプルに着るのが重要です。


今シーズン色々なブランドから出ているので、これから皆さんも目にすることが多いかもしれない「丈短めカーディガン」。“羽織り”として着るよりも、ボタンを全部留めてシンプルにトップスとして着てしまうのが、好きです。

ベージュのコットンキャンバスのトートを、軽さを演出する差しアイテムに。フランスの「TAMPICO」のものです。

 

ところで、春の季語に「春泥(しゅんでい)」という言葉があります。
“ぬかるみ”のことです。解けた雪や霜、雨で出来た泥水が、まだ寒さの残る早春の時期には乾ききらず、ぬかるみになってしまいます。
都会では公園ぐらいでしか見かけないかもしれませんが、阿蘇はまさに「春泥」だらけ。春泥の俳句が詠みたい放題です(笑)。
靴に泥がつく山暮らしでは、スニーカーかマウンテンブーツが最適解なのかもしれませんが、私はもっぱらレザーシューズ派です。

特にネイビーonネイビーの着こなしの時にスニーカーだと、私にはスポーティ過ぎるのです。高身長で肩幅もあるので運動が出来そうに見られますが、実は運動音痴のド文化系なので、残念なことに“スポーティ”が本当に似合いません。

体型そして自分のキャラクターと着こなしとの“整合性”を大事にすることも、私がコーディネートを組み立てる上で心掛けていることです。

では今週も自分のダイバーシティを自己肯定しながら、春のコーディネートを楽しみましょう!

 

<STYLE1>
カーディガン:<D>コットン畔編みカーディガン 
シャツ:<ARMEN>シングルガーゼバンドカラーシャツ 
パンツ:<Porter des Boutons>コットンウェザーコクーンパンツ 
アウター:<HAU>コットンキャンバスコート 
シューズ:<iXOS>レザースリッポン(私物)

<STYLE2>
カーディガン:<Maglia Plus>シルクコットンカーディガン 
パンツ:<HAU>tidyコットンテーパードパンツ 
バッグ:<TAMPICO>PETIT PANIER XS 
シューズ:<SEBOY’S>ローファー(私物)

 

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定休日:水曜、木曜(祝日の場合は営業)
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