一歩先行くサスティナビリティ「O0u（オー・ゼロ・ユー）」のデニムサロペット

名作と呼ばれる映画には、必ずといっていいほど実力派の脇役が存在するもの。それは、おしゃれも一緒です。一見何げないのに、実は丹念にこだわって作られたアイテムたちは、主役を引き立てるための十分な腕前を持ち合わせています。この連載では、そんな“おしゃれの名脇役”にスポットライトを当て、王道のものから隠れた逸品まで、幅広くリポートしていきます。

2030年までに、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標として掲げられた“SDGs”。ファッション界でも徐々に意識が高まり、新しいものづくりや価値観が生まれ、それが新常識になりつつあります。2021年春に誕生した「O0u（オー・ゼロ・ユー）」は、それを明確に示したブランド。“新しい、ふつう。新しい、かっこよさ”をコンセプトに、着る人、作る人、そして社会や地球環境に対して、いつも誠実でいたい、という姿勢を貫いています。
「O0u」の服は、環境にやさしいだけではなく、今もこれからも長く付き合っていきたいと思わせてくれるものばかり。ブランドスタート時から人気で、再販を繰り返しているデニムサロペットもそのひとつ。

「O0u」オーガニックデニムサロペット￥15,900
※商品の価格は2023年3月現在のもので、表示は税込みです。

素材は、3年以上無農薬で栽培されたトルコ産のオーガニックコットンを使用。そうすることで、農業に携わる人の健康も守られるからです。
「O0u」の大きな特徴のひとつは、アイテムごとに生産する過程の環境負荷を数値化し、Web上で開示していること。たとえば、このオーガニックデニムサロペットのオンラインストアページにある“SUSTAINABILITY”のボタンをタップすると、このような画面が表示されます。

「これは、サステナブル・アパレル連合（SAC）が開発した環境・社会負荷の測定ツールをもとに算出して、どれくらい目標が達成できているかを示したもの。通常、デニム生地を生産するには大量の水が使われていますが、このアイテムは一般的な商品に比べて50%削減できているほか、資源を有効活用できていることなどがわかります。逆に、温室効果ガスの削減はできているものの、まだ検討すべき項目であることも、包み隠さず見える化するようにしているんです」と語るのは、マーケティングディレクターの坂田文子さん。製品の加工、縫製が行われているのは、デニムの聖地と言われ、世界中のラグジュアリーブランドからの信頼も厚い、岡山県児島。
「生産する場所や高い技術が途絶えないよう、なるべく日本製にしているのも大切にしていることのひとつです」

こだわりはデザインやシルエットにも！
「年齢、体型、性別関係なく着られるものを目指しています」。
取材時、坂田さんが着用している姿がとても素敵だったので、思わずパチリ。

深めのVネックのおかげで、すっきりと大人っぽく見えます。
「やわらかくて軽いデニム地なので、心地よく着られるのも魅力です」
サイズ展開は、SとM。坂田さんは身長163㎝でSサイズを着ているそうですが、「140㎝台から170㎝台の方達でサンプルチェックを行ない、どんな身長でもバランスがよくなる丈感に。ロールアップしてもきれいに見えるようにしているので、小柄な方にもおすすめです」

幅広い体型に対応する秘訣は、サイドに施した三角マチにアリ。

「幅が出るのでふくよかな方にも合うし、冬にざっくりニットを中に合わせているスタッフもいます。華奢な方が着ても、中が見える心配がないのが特長です」

フロント同様、バックスタイルもシンプルなデザイン。

「サイドにもありますが、バックスタイルにもポケットが。少し上の位置に設定しているから、スタイルアップ効果も図れます。太めのショルダーで、ずり落ちもほとんどありません」

着脱がしやすいフロントファスナーも◎。
「さっと脱げるので、授乳中のママたちからも好評です」

切りっぱなしの裾のこなれ感は、児島デニム職人の腕の見せ所！

店舗を持たない“DtoC”モデルを導入している「O0u」。年に数回行われているポップアップストアでは、このようなデザイン性や着心地が気に入って購入する人が多いそう。
「たまたま手に取った服が地球や環境、働く人たちに配慮されているブランドだった、という入り方でも全然いいんです。そこから少しずつサスティナブルに関しての気づきのきっかけになればいいなと思っています」

photo：花田 梢　text：三宅桃子

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