【60代の大人暮らし 小暮涼子さん】料理好きでなくても楽しめる、器×日々のごはん

頑張りすぎず心地いい、60代の大人暮らし
2023.04.14

発売中の『ナチュリラ』2022春夏号掲載の「母娘で受け継ぐ“古いもの”を慈しむ心」にて、SDGsなおしゃれと暮らしをご紹介している小暮涼子さん。その飾らない等身大の様子にはたちまちの反響があり、コラム連載をスタート。

最近のSNSは素敵な投稿が溢れていて楽しい反面、「あまりにキラキラしすぎていて、そうでない自分に苦しくなる」という声を聞くことも。「無理しない、背伸びしない、でも心地いい」そんな小暮さんの暮らしぶりを月一連載でお届けしています。


 

何でもないお料理が、器ひとつで素敵に見えた経験はありませんか? 初めて長男夫婦に連れて行ったもらった栃木県の益子陶器市で買った器が、私にとってまさしくそうでした。今回は大いに器に助けられている我が家の食卓をご紹介します。

器の楽しさを知った思い出の品


私に器の楽しさを教えてくれた吉澤寛郎さんのお皿。益子の陶器市で手にしました。同じ色の小さなカップを、息子のお嫁さんが大事そうに両手で持ってレジに並んでいたのが可愛いくて、いい思い出です。散歩で摘んできた菜の花に、からし酢味噌をかけました。

 

和洋折衷も楽しみのひとつ


フランスのお皿にあえてお稲荷さんを盛りつけました。こういう使い方も楽しくて好きです。真ん中の酢レンコンは梅酢入りの甘酢でピンクに染めました。隣の茶色はれんこんの皮のキンピラです。ブロッコリーの緑や卵の黄色を添えて、春らしく。

 

オーバル型はそれだけでおしゃれな雰囲気


小ぶりなオーバル皿はフランス・ヴァンヴ蚤の市で300円ほど。普通に家庭で使われていたような感じがいいなと思いました。古風なチューリップ柄に卵サンドが似合う気がして、春に卵サンドといったら必ずこの器です。


ちょっとバスタブみたいな楕円形の白い器に、菜の花(こちらは飾る用・笑)をゆったりと生けて。

 

スリップウェアは存在感抜群


大活躍のスリップウエアは、茹でたグリーンアスパラをのせただけでも美味しそう! ピンク色の自家製梅酢入りドレッシングを添えました。


こちらは湯煎で作った鶏ハムです(作り方はSNSで見かけたもの)。しっとりと美味しくてびっくり! 刻んだ長ネギをたっぷり入れた中華風の甘辛タレをかけました。


山田洋次さんの大ぶりな器にはワンプレートごはんを。スペアリブ用の骨つき肉が安かったので、長ネギと茹で卵とともに甘辛く煮ました。白米には自家製梅干しを添えて。

 

なにげないメニューも器次第でごちそうに


実家でも、同じような器でカレーを食べていました。茄子、玉ねぎ、ピーマン、挽肉、缶詰のホールトマトを入れたさっぱり味の野菜カレーは、これからの季節にぴったりです。


焼肉の締めにカルビクッパ風。前の日作った野菜スープに、ごま油とラー油を足し、ごはんにかけて焼肉をのせました。スプーンはもちろんスッカラで。

 

とりわけ好きな片口の器


片口は、いろいろ使えて大好きです。同じおかずをそれぞれに盛るときは、夫が黒の焼き締め、私が白を使います。ちょっと煮崩れたのが好きな金時豆と、大豆と人参のピクルスを盛りつけました。


片口には花も似合いますよね。庭のクリスマスローズを片口に添わせるように生けました。


お気に入りの白い器を、形が分かるように横から撮ってみました。真ん中奥のカルビクッパに使った器は、高台が高めのデザインが気に入っています。いちばん左の片口は丹波焼の古いものです。


そんなに手をかけたメニューでなくても美味しそうに見せてくれる器って、有難いですよね。お料理好きな方も、そうでない方も(私は後者です・笑)、お気に入りの器を使って楽しい食卓になりますように。それではまた、5月に。

 

写真と文/小暮涼子

 

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Profile

小暮涼子

Ryoko Kogure

instagram「@ryoko_kogu

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