【フタナ#01】インドで手紡ぎ、手織り、手染め、手刺繍された布で作られた「Maku textiles」の服

おしゃれさんコーディネート
2023.11.20

皆さまこんにちは。京都は西陣にある「futana(フタナ)」の土井と申します。今日から4日間、お洋服や身の回りのあれこれについて取り留めなくご紹介させていただきたいと思います。既に「futana」をご存知いただいている皆さまも、初めての皆さまも、何かの合間にふとお読みいただけましたらうれしいです。



さて、今回はどのようにお話させていただこうかしらん……と思いを巡らせる中、11月もあと10日ほど。12月もきっと飛ぶように過ぎて、あれよあれよと大晦日になっている予感がします。

 


定点観察や振り返り、回顧が好きで、折に触れて今と前を2つならべてみたり、以前あったことやそれにまつわる自分の気持ちを思い返したりするのですが、年末になると想いおこされるのはその1年にあった出来事。

2023年、どんなことがあっただろう。どんなことを考えていたかしら。振り返りながら今年得たいろいろを反芻し、それをゆっくりと自分の中に浸透させた後、「さて、これを携えて来年はどんな1年になるかなぁ」と力湧き出でる心模様が好きです。新しい年の訪れ、いつもワクワク!


ここまできて、そうだ、「futana」の今年1年の振り返りをお話させていただこうと思い至りました。
皆さま、わたしの「2023年のマイトピックス」を一緒にご覧いただけますでしょうか。

 


 


1日目の今日は、2023年の出来事として直ぐに頭の中に浮かんでくる「Maku textiles」のお話をさせていただきます。

 


「Maku textiles」はインド北東部、ベンガル出身のSantanu Das (サンタヌ・ダス)によってはじめられたブランド。その洋服は勿論のこと、ブランドの根幹である理念と成り立ちそのものに強く共感し、惹かれている作り手です。

 


「Maku」の洋服は、カディコットンやジャムダニ織の布に、様々な手刺繍や手染めの技法が施されています。インドで作られた生地がインドで洋服に仕上げられて、日本にやってきます。

 


手紡ぎ、手織り、手染め、手刺繍によって仕上げられた布。たくさんの手間と時間をかけて作られる生地は、それが作り出された土地において貴重な資源であり、また、沢山の人々の糧と光となって尊ばれてきました。

 


「インドの伝統的な織りや縫い、染めの技法を磨くことによって、インドの手仕事布の伝統と職人の暮らしを持続させていきたい。Makuはただ服を作り売るということでなく、その営みによって美しき世界を広げる」という、サンタヌの言葉が深く私の心に残っています。

 


職人や様々な生産団体、デザイナーと共に、この素材を未来へ続けるべく注力している「Maku」。そして日本でその活動を広めるとともに、自身でも制作活動を続ける奈良「Calico」の小林さん。

「未来に繋がる新しい布世界を創ろうとするデザイン活動である」という小林さんの言葉も、私の中に残っていて、「Maku」と「CALICO」の物を作り続けることへの真っすぐな姿勢に、静かに強く惹きつけられています。

 


 



とても小さなお店だけれど「futana」もこの動きに賛同したい。素敵なものを見続けたいから、それを作り出す土壌が続くように力を注ぐ「Maku」と「Calico」から目が離せない。そんな気持ちです。

 


こんな風に書くと、「文化継承」のような少し大きなテーマの話のように聞こえてしまうかもしれませんが、そんな話を抜きにしても、「Maku」と「Calico」のお洋服がシンプルに好きです。


はじめて「Maku textiles」の洋服を見た時(それはワンピースだったのですが)、たっぷりの生地にも関わらず、すこぶる軽やかな動きと感覚。うつくしい色に、細やかな刺繍と縫い目。それまでもいろいろな服に惹かれていたけれど、そのどれとも違う。また一つ好きなものを見つけられてドキドキしたのを覚えています。

 


自分が好きと感じたりワクワクしたりする素敵な洋服たちを、ずっと見続けたい。それを作る技術も伝統も知恵も、次の世代に伝える形が出来上がっていて、無理なく物づくりが続く環境であって欲しい。そんな風に考えることが多く、またそれを実現している作り手のひとつが「Maku」と「CALICO」だと再認識した2023年でした。

 


 



「Maku」が今年のトピックとして強く心に残っているもう一つの出来事。それは今年の春、「Maku」の創設者でありデザイナーのサンタヌに会う事が出来たことです。とてもとてもうれしい!

 


サンタヌは、とてもしなやかでうつくしい動きの中に、湧き出でる制作意欲と想像力・澄んだ姿勢、そしてそれらが枯渇することがないであろう持続性を感じる魅力的な方でした。

 


普段はインドにいるので、「futana」は奈良の「CALICO」の皆さんに話をお聞きしながら店に届けてもらう洋服を決めているのですが、今回は洋服の成り立ち、どこからインスピレーションを得たかなどの説明をサンタヌから直接聞くことが出来て、一層の臨場感を得て店頭で「Maku」をご紹介させていただいています。

 


既に「Maku textiles」をご存知の皆さまは勿論、はじめての皆さまも是非。タイミングが合うようでしたら、お手に取ってご覧下さいませ

 


京都西陣にて、皆さまにお会い出来るのを楽しみにしております。

 


それでは、今日も良き1日となりますように。心地よい流れとなりますように。

 

futana

 

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京都市上京区中小川町241-6
TEL:075-406-5337
営業時間:10:00~18:00
不定休
https://www.futana.shop/
Instagram「@futana_kyoto

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