【福田麻琴さん連載】素敵な50代になるために、いま私ができること ~ vol.2 山葡萄のかごバッグ

ナチュリラ
2024.04.19


『ナチュリラ』でのスタイリング提案でもおなじみ、人気スタイリスト・福田麻琴さんのコラム連載がスタートします! 現在45歳の福田さんが「素敵な50代を迎えるために」最近心がけていることとは? 日常のなかでのおしゃれや暮らしについての“ちょっとした気づき”をダイアリーのようにお届けします。


 

自他ともに認めるかごバッグ好きです。たぶん。家じゅうに転がっているので、家族からは嫌がられていますが(笑)。
かごバッグが好きになったのはスタイリストになってから。もともと天然素材は大好きですが、服じゃなくバッグまで好きになったのは、あの有名なジェーン・バーキンの写真を見たのがきっかけです。


コンパクトな白いTシャツにジーンズ姿の若かりしジェーン・バーキン。彼女が持っていたのは丸いバスケットにシングルの持ち手のついたかごバッグ。のちに“バーキンバスケット”と呼ばれるほど、彼女のアイコニックなアイテムです。


それまではこういうバスケットはインテリアの一部くらいに思っていましたが、外に持ち運んでいいんだ! と、そもそものバスケットの概念を覆されるような衝撃がありました。インテリアではないバッグとしてのバスケット。なんてオリジナリティがあって素敵なんだろう。それからと言うもの、かご偏愛が始まりました(笑)


マイかごバッグコレクション。ナンタケットからマルシェかご、バーキンバスケットまで。
これはほんの一部です(笑)。同じ形のものがないのでスタッキングできず、クロゼットではかさばるばかりですが、オールシーズン愛用するバッグとして夢中になりました。夏のかごは涼しげな雰囲気を醸し出してくれるし、冬のかごは重たいコートを軽やかに見せてくれる。とにかくかごさえ持っていればこなれて見える……そう信じて今に至ります。


スタートはバーキンのバスケットでしたが、知れば知るほど奥深く、色々な国にたくさんの種類のかごバッグが存在することを知りました。もちろんこの日本にも。日本で採れる山葡萄や胡桃、あけびなどのかごバッグです。素材自体が希少なため、なかなかにいいお値段ですが、メンテナンスすれば100年以上使うことができるので、よくよく考えたらコスパがいいと思うんです。ブランドのバッグは流行りがあるけど、かごバッグにはありません。そう思うとより長く使いたいと思える気がしませんか? 今までたくさんのかごバッグを使ってきましたが、一番思い入れがあるのはやっぱり山葡萄(写真中央のもの)。何せ、好きがこうじて自分で編んでしまったのです! 教室に通い、先生の指導のおかげで完成しましたが、買ったかごバッグより苦労した分、思い入れがあります。


こちらは両方とも胡桃。素材が同じでも表と裏で色が違うくるみは、デザイン次第で違う表情を見せてくれます。向かって右は自分で編んだもの、左はデザインをしました。

日本のかごが着物や浴衣にはピッタリなのは言うまでもないですが、私はデイリーなコーディネートに合わせるのが気に入っています。

 

白シャツ+デニムに
かごとパールで上品さをプラス


白シャツとデニムというベーシックなコーディネートにパールと山葡萄のかごバッグで品をプラスしてみました。

 

キャンバススニーカーと合わせると
ナチュラルな爽やかさが


今一番お気に入りのバッグと靴の組み合わせです。かごのブラウンとコットンキャンバスの白が爽やかな印象。どちらも天然素材だから相性がいいのかもしれませんね。

 

トレンチとパンプスで
ほんのりよそゆき


一方、少しドレスアップしたい時はこのナンタケットバスケットを合わせることが多いです。ナンタケットバスケットは社交界に持っていくことが許された唯一のかごバッグだとか。社交界にいく機会はありませんが(笑)、最近はナンタケットバスケット教室にも通っています。


どのかごバッグも普段の外出に気負わず使っています。胡桃のかごバッグは、バンダナ柄の「エルメス」のスカーフとも好相性。そして、こうしたさりげないコーディネートは「きっと今より50歳の方が似合う」と確信しています。なんならシルバーヘアになってからの方がもっと似合う。こういうアイテムとは早くから仲良くなっておくべきだと思うんですよね。最愛の私のかごバッグたち、一緒に時を重ねていい味出して行こうぜー!

写真と文/福田麻琴

 

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Profile

福田麻琴

ふくだ・まこと

1978年生まれ。フランス・パリ留学を経て培われたフレンチテイストに、ベーシックさと、そのときどきのニュアンスの両方をバランスよくを取り入れたスタイリングが人気。近著に『MY BASIC, MY ICONS 10年後も着たい服』(イースト・プレス)。IG「@makoto087

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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