「一人反省会」~おしゃれ暦vol.46師走
『ナチュリラ』本誌でも、季節ごとのリアルクローズとそのおしゃれな着こなし方を提案してくださっている人気セレクトショップ「アナベル」。店主の伊佐さんによる、季節のおしゃれエッセイ、第46回目です。今年もいよいよあと一週間ほど! 日々の暮らしもおしゃれも反省あり、抱負あり、一年の終わりに思うこととは??
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photo:川本浩太 text:伊佐洋平 model:伊佐奈々
来年の抱負は?
もうそんな会話も聞こえてくる季節。
この連載ももうすぐ2年が経つ。
ファッションを仕事にしている以上、
いつも新しい感情が芽生えるきっかけに飢えている。
来年は、「刺激」をテーマに365日進んでいきたい。
と言いつつ、、、日々に追われながら、なかば惰性で時は残酷に過ぎてゆくのだが。
抱くのは勝手なので、抱いておけばいい。
抱かなければ始まらないのである。
この秋冬の展示会を見ていて、一番気になっていた小物は、
ボア使いや、ファーをあしらった帽子だ。
昨年からムートンのコートも気になっていたので、その延長上にある感覚だろうか。
先日、通勤途中に見かけた白髪の初老の女性が、生成り色のムートンコートに、
ファーの付いた帽子を豪快に被り、ヴィトンのバッグを片手に歩いていた。
ここにきて、今年最も印象に残る他人だった。
アクセサリーや靴もセンスが良く、その不思議な調和の中で、
ヴィトンのバッグが浮かれるほど楽しそうにしているようにも見えた。
刺激はどこで貰えるかわからないが、
来年は積極的に、貰えそうなところをウロウロするとしよう。
袖のたっぷりした、個性的で素敵なジャケットは、
これから訪れる真冬には、上からどんなコートを着てみようか。
洋服は、弱点を知りつつも、見た時の高揚感や着たいという
素直な気持ちを優先して購入したほうが、失敗は少ない気がする。
すごく気に入ったものは、いったん着始めてしまうと、
弱点よりその気持ちが勝るものである。
袖の太いジャケットには、当たり前だが袖が太いコートがいい。
レイヤーのバランスも、ファーの帽子もしっくりくる。
あとは手首を温めたい。
袖口の大きなアウターを持っていないと出会わない手袋かもしれません。
新しいことを取り入れないと、新しい出会いや発見はないのかもしれない。
シックでバランスの整った女性らしい装いも理解しつつ、
やはりどこかアンバランスで、アヴァンギャルドを求めてしまう。
それがファッションを楽しむということだと信じることにした。
もちろん、各々持った物差しによって、加減が違う。
だから、自身の中で遊び心を持てばいい。
これは、できないことに無理に挑むのとは少し違う。
そんなことを考えながら、来年の抱負を抱いていると、
「sono(ソノ)」の入った大きな段ボールを抱えて園田さんが店にやってきた。
考えがちな僕に対し、おでこに「マイペース」と
浮かび上がってきそうなほどマイペースな園田さん。
少し見習わなければいけない。
サンタが夜空を駆け巡る頃、
妻の頭の中をおもちが駆け巡る。
信じられないスピードで、クリスマスとお正月を
乗り越える日本人は、器用でないはずがない。
だから日本人のファッションは、世界の注目するところなのだ。
いろいろミックスして、自分らしさを見つけるのも得意なのだ。
そうやって、ファッションを楽しんでいるのです。
来年も引き続き、その一役を担えれば幸いです。
もう少し書かせていただけるということですので、
もう少し書いてみようかと思います。
来年もよろしくお願い申し上げます。
コート:Honnete ¥42,000+tax
ジャケット:susuri ¥57,000+tax
パンツ:susuri ¥30,000+tax
タートル:ITOI collection by YURI PARK ¥38,000+tax
くつ:Catworth ¥21,000+tax
帽子:sashiki ¥16,000+tax
かばん:sono ¥16,000+tax
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。