おしゃれで大事なのはがんばりすぎない“こなれた感” 坂田敏子さん 「mon Sakata」店主

大人になったら、着たい服
2019.04.01

シンプルで、地味で、
なるべく目立たない服が好き。
でも「どこかちょっと違う」が
おしゃれの味つけです

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これは、お尻が『垂れて』いるから“タルエルパンツ”。こっちは、バリッとした質感の生地だから“バリバリパンツ”という名前なんです」と笑いながら教えてくれたのは、東京・目白にある「モンサカタ」の店主であり、デザイナーでもある坂田敏子さんです。ショップに並ぶ服はどれも、シンプルさの中に、クスッと笑ってしまうような「仕掛け」が隠されています。あれとこれを重ねたり、後ろと前を逆に着たりと、その着こなし方も自由自在。

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「私なんて、ほら!」と坂田さんが袖をめくると、グレーの下には、オレンジ、白とたくさんのカットソーが重ねられていました。このカットソーは、一度袖を通すと手放せなくなる気持ちよさ。糸や生地が大好きという坂田さん。洋服づくりは、いつも素材から始まるそう。

「出産後、子どもに着せたい微妙な色合いの服が見つからなかったんです。それで自分でTシャツやトレーナーを染めたのが始まりですね」

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ご主人は、古道具や工芸の世界では知らない人はいない「古道具坂田」店主、坂田和實さん。最初は古道具店の隅っこを借りて販売を始めたのだとか。

東京・渋谷育ちで、高校生のころから銀座のデパートに出かけ、生地を選び自分の好きな形に洋服を仕立ててもらっていたそうです。ツイッギーの流行ったころは、ミニスカートなど既製服を着たことも。ただし、昔も今も変わらないのは、布を見ておしゃれを考えるということ。

ユニークな形のパンツをはいたり、重ね着をしても、坂田さんがすっとそこにたたずむと、凜として格好いいこと!

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「目立つのが苦手。なるべく地味にしていたい」と坂田さん。

人に見せたり、誇るためでなく、自分だけが知っている「ちょっと違う」ディテールがあればいい……。

「どうでもいいときに、格好よくいられたらいいわねえ。そのためには、着こなしが『こなれて』いるのが大事だと思うんです。どんな服も、そのあたりにあったものをひょいとつまんで着てきたように、自然に自分らしく着こなせたらいいかな」

photo:回里純子 text:一田憲子

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『大人になったら、着たい服 2019春夏』でご紹介しています。
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Profile

坂田敏子

Toshiko Sakata

1947年生まれ。デザイン事務所を結婚を機に退職。出産後、子ども服を作り、夫の店「古道具坂田」にて販売を始める。1976年、東京・目白に「mon Sakata」(モンサカタ)をオープン。自身がデザインした服を販売。全国のギャラリーにて展示会も行っている。
http://monsakata.com

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