「大切にしたいこと」…おすすめ帖vol.10
『ナチュリラ』本誌でも、季節ごとのリアルクローズとそのおしゃれな着こなし方を提案してくださっている人気セレクトショップ「アナベル」。店主の伊佐さんによる「季節のおすすめ帖」連載コラムです。季節ごとのおすすめの品を月に2回、ご紹介しています。
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photo:川本浩太 text:伊佐洋平 model:伊佐奈々
アナベルでは、オープン当初から大切に考えてきたものがあります。それは、脇役としてスタイリングを完成に導くものたちです。今回は、その一部をご紹介したいと思います。一部とはいっても、ちょっと長くなりますよ。
「merijakuu(メリヤクー)」のインナーパンツは、6年前から欠かさず定番で販売し続けているものの一つです。
「冷えとり」グッズを多く取り揃えるメーカーらしく、シルクを用いた腹巻きとパンツが合体したような形状のインナーです。
腹巻き部分はお腹周りを冷やさぬようにゆったりと寄り添い、膝上までゆったりと伸びた脚部分。ゆるりとしたワンピースなどを一枚で着る機会が増える夏場には、実に頼もしい存在です。ついでに透けの防止にも一役買ってくれます。
こちらは「susuri(ススリ)」さんが3年ほど前から定番化しているフルッターパンツ。このパンツとの出会いは、インナーの価値観を大きく変えるものでした。
男性である私がその価値を受け入れるのに、多少時間を要しました。だって、パンツとして表に履くことのできないインナーパンツで、2万円するわけですから、そう簡単ではありません。
裾はこのようにタックが連続する、他にはない独特なデザイン。しかし、僕を納得させたのは目で見えるデザインではなく、妻の一言でした。
こんなことを言っては何ですが、妻の感覚はいたって普通です。それはファッション感覚がということではなく、以前からブログでもお話ししている通り、アパレル業界やそれに近しいところで生きている人は、お洋服全般に対する金銭感覚が全く異なります。しかし、妻はそうではないという意味で、普通です。
その妻が、表には絶対に見えることのないこのパンツを履いてこう言ったのです。
「これはね、とっても気分が上がるインナーなの」
「これには2万円出してもいい」
少し耳を疑うほどでしたが、そういった特別な感覚があるのだと知った瞬間でした。もちろん、妻の大のお気に入りのインナーの一つです。
「でもさ、、見えないよ、ほとんど」と言うと、「こういう心地いい自己満足にはお金出してもいい」
気分もいいし、着心地もいいとのことだった。「わたし、こんなの履いてるの」って心の中で自慢したくなるような気分。
もちろん、いつものワンピースも確かに違いが出るのです。
こちらは、4年前からアナベルで定番で置くようになったインナーパンツ。「Soil(ソイル)」のコットンレース付きインナーパンツ。
このレースの部分がたまに変わったりします。見えないんですけどね。。
こんな素敵なワンピースを着た人を街で見かけた時、きっとワンピースにばかり目がいきますが、一重で涼しいワンピースが透けるのは、正直当たり前と言っていい。
透けて見えなかったあのワンピースの下のは何を履いていたのか。
これを履いていた。こちらもリピーターが異様に多い人気者。ピタピタせずに汗をほどよく吸ってくれてサラサラした肌触り。
色もワンピースの色に合わせて選べる3色展開。
その人気者と肩を並べる人気者がこちら。
パンツタイプと同じレースが施されたキャミタイプのインナードレス。
肩ひもは落ちづらい二重紐。
こんな薄手の白いワンピースを着るときには、絶対になくてはならない愛おしい存在なのです。
もちろん、ワンピースだけでなく、スカートに透け感のある薄手のブラウスを合わせたい時なんかも活躍します。
そしてこちらは変り種。一見そうは見えないかもしれませんが、変わっています。こだわりがとても変わっています。
実はこのインナーパンツ、これ自体ほとんど透け感がないのです。インナーだからそれ自体透けることには全く問題はないはずですが、これを作ったのはあの人です。天の邪鬼のあの人。
「NO CONTROL AIR(ノーコントロールエアー)」のデザイナー、米永さん。
「FIRMUM(フィルマム)」から発売されているこちらは、インナーパンツと通常のパンツの中間を狙ったパンツだそうです。「狙う必要あります?」って思いましたが、スタイリングに使ってみると、そうとも言っていられない。
こんなでっかいスリットの入ったワンピースやチュニックを着てみたいと思った時、確かにあると嬉しいと感じます。だって、普通のパンツみたいに見えるけどサラサラですごく薄いんですから。
ロングシャツだとか、シャツワンピだとか、そういったお洋服を絶妙に受け入れてくれる。透けないし。
最後はこちら。大迫力の「GASA*(ガサ)」 のズロースです。
裾まわりには素敵な刺繍が施され、染めも普通ではない。泥藍染が施された特殊な色合いは、一点ずつ染め上がりが異なります。
ボタンをすべて外すと、変形のペチコートのようになり、様々な想像を掻き立てるスタイリングの無限性を感じるのです。
インナーのような存在ですが、ポケットも付き、実は二重構造ですので、透けもありません。あまりにもフリーダムすぎて、これがきっとボトムスの究極のところなのかとも思えてくるのです。
だって普通にパンツのようにも履けるし、、
ワンピースのインナーパンツとしてもこれ以上ない存在感を発揮するのです。これも「susuri(ススリ)」のフルッターパンツと同じです。「何これ?!!」ってなるんです。「メリヤクー」だけだった6年前から随分と増えたインナーの提案。ファッション年齢の高い人たちのために、これからもっと必要を感じてしまうのです。
merijakuu \3,900+tax
susuri フルッターパンツ ¥19,000+tax
soil インナーレース付きパンツ ¥5,500+tax
soil インナーキャミレース付きドレス ¥6,000+tax
FIRMUM インナーパンツ ¥9,800+tax
GASA* ズロース ¥50,000+tax
神奈川県横浜市青葉区美しが丘2-20-1美しが丘アレービル104
東急田園都市線たまプラーザ駅から徒歩5分
℡:045-482-4026
営業時間:11:00~20:00 水曜定休
http://www.f6products.com/
https://www.instagram.com/annabelle_104/
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