「大きいTシャツ」…おすすめ帖vol.12
『ナチュリラ』本誌でも、季節ごとのリアルクローズとそのおしゃれな着こなし方を提案してくださっている人気セレクトショップ「アナベル」。店主の伊佐さんによる「季節のおすすめ帖」連載コラムです。季節ごとのおすすめの品を月に2回、ご紹介しています。
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photo:川本浩太 text:伊佐洋平 model:伊佐奈々
この季節、湿度が上がって気温が高くなって、少し蒸し暑いですね。皆さん、ちょっと涼しげなものを手に取ります。中には、こんな質問をしてくるお客様も少なくない。
「大きいTシャツないですか?」
大きめなデザインTシャツは毎シーズンいくつか用意はしていますが、それと一緒に、お勧めしているTシャツではないものがあります。
「TRAVAIL MANUEL(トラバイユ マニュアル)」さんが、ずいぶん昔から作っているパネルブラウス。ペタッと置くと、お正月の凧揚げを思い出すような形なのですが、着用すると、大きく変貌を遂げます。
パネルブラウスというネーミングだけに、いくつかのパネルパーツが組み合わさってできたような、まるで図形のような形をしています。
デザインにはシンプルな工夫が成されています。一見、前後ろが全く同じパターンのように見えるのですが、後ろ身頃はこのようにすっきりとしているのに対し、
前身頃は布地の分量感がある。これによって、着た時の雰囲気が決定づけられます。
素材はリネン100%でサラリとして軽く、ヤッコみたいな形で風通しが良く涼しい。だから「大きなTシャツないか?」って聞かれると、「これ、ブラウスなんですけど、Tシャツみたいな感覚で着てほしい。」そう言ってお勧めしています。
ネックの立ち上がった感じも大人っぽくてかっこいい。Tシャツにはなかなか出せない雰囲気です。
「大きいTシャツ」をご要望される方は、たいていもう一つ条件がセットになることが多いような気がします。それは、「袖は肘あたりまであると嬉しい。」というもの。
半袖ではなく、5分袖や肘が隠れるくらいの長さがいいみたい。これは、男性でも気持ちがわかります。年を重ねるにつれ、半袖は着る機会が少なくなり、なんだか長袖をまくったりして過ごすことが増えています。
そして、パネルブラウスをTシャツの代わりにお勧めするさらなる理由は、この絶妙なサイズ感にあります。ずいぶんゆったりとしたデザインなのですが、バランスが良くワイドパンツにもすっきりパンツにも、よく似合う。
ブラウスだけど、感覚的にはTシャツのローテーションに入れてあげる。これが入ることで、Tシャツを着ているような感覚で、ブラウスというバリエーションが作れます。
「TRAVAIL MANUEL(トラバイユ マニュアル)」もご夫婦2人で切り盛りするブランドです。アナベルでは、オープンした日からずっとお取り扱いを続けているブランドの一つです。大手セレクトショップで、ややアバンギャルドなデザインも手掛けてきたデザイナーが、子育てのスタートを機に、生活に近い部分でのファッションを考えるようになった。アバンギャルドを経験してきたからこそのシンプルなデザインは、家庭洗濯もできて、公園にも着ていける。シンプルだけど、当たり前ではない。そして最も重要なことは、洋服がその日の気分をあげてくれるという点です。
今回ご紹介しているスタイリングは、7年前のオープン当初からお勧めしているアナベルの定番スタイルの一つです。ゆったりとしたパンツにふんわりとしたトップス。夏のルーズシルエット、かっこいいですよ。
ブラウス:TRAVAIL MANUEL ¥11,000+tax
パンツ:TRAVAIL MANUEL \14,000+tax
神奈川県横浜市青葉区美しが丘2-20-1美しが丘アレービル104
東急田園都市線たまプラーザ駅から徒歩5分
℡:045-482-4026
営業時間:11:00~20:00 水曜定休
http://www.f6products.com/
https://www.instagram.com/annabelle_104/
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