おしゃれの基本は好きなものを少しだけ 居原愛子さん カフェ勤務
40代後半でおしゃれに迷走。
結局自分がよければ、それでいい。
そうわかってから
スタイルが決まりました
「私なんて、注目ブランドの服を持っているわけではないんです」と語る居原さん。
パンツもセーターも持っている枚数はごくわずか。でも、だからこそ今クロゼットに並んでいる服には「嫌いなものは1枚もない」のだといいます。
たとえば、「ムジラボ」で買った淡いグレーのタートルネックセーターはボックス形のシルエットがお気に入り。これを「ユニクロ」のスリムパンツに合わせると、キリッとメンズライクな装いに。一方ベージュのストライプのワイドパンツと合わせると、少しやさしい印象に。
めったに買い物をしないかわりに、「コレ!」と選んだアイテムは、色もサイズもデザインも納得したものばかり。だからどんなコーディネートにも、ピタリと決まる! それが、居原さんの「数少ないものを持つ」というおしゃれ力でした。
専門学校でグラフィックデザインを学んだのち、店舗企画やお店の販促物を作る仕事をしていたそう。結婚を機に退職。夫の実家の仕事の手伝いを。
「2人の子どもを育てながら、仕事を切り盛りするのは本当に大変で、当時のことは記憶にないぐらい」と笑います。
家業をたたむことになったのを機に転職。「無印良品」のカフェで15年間働きました。
「いつも、その場で『必要な人』でありたいと思いますね」
そんな中で40代後半ごろから突然、おしゃれの停滞期に。自分が何を着たらいいのかわからなくなってしまったそう。
「自分が気持ちよければ、それでいい。そう割り切ったらまたおしゃれが楽しくなりました」
2年前から「ミナ ペルホネン」が提案する心地よい暮らしのための店「コール」に併設されたカフェ「家と庭」で働き始めました。
「驚いたのは、みんなが本当においしいと思って、飲み物や食べ物を作っているということ。当たり前だけれど、大事なことを教えてもらった気がします」
おしゃれも仕事も暮らしも、今目の前にあることをひとつずつ大事にしていけば、自分らしさが手に入る。がんばらないことは、探し物を見つける一番の近道なのかもしれません。
photo:和田直美 text:一田憲子
どこの洋服? など、もっと詳しい内容は、ただいま発売中の
『大人になったら、着たい服 '19-'20 秋冬』でご紹介しています。
ご覧になってみてくださいね。
Profile
居原愛子
1966年生まれ。専門学校でグラフィックデザインを学び、デザイン事務所で店舗企画や販促物のデザインを担当。夫の家業の手伝いを経て「無印良品」のカフェに勤務。現在は「ミナ ペルホネン」のカフェで働く。娘に次ぎ息子が独立し夫婦ふたりの生活になったばかり。
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