一度見つけたものは服も仕事もずっと変わらなくていい 森本由美さん 「デンキーナトゥーゴー」料理長

大人になったら、着たい服
2020.02.04

子どもの食育を機に料理を仕事に。
食べ物も、着るものも
作り手が見えるものがいい

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兵庫県西宮市に「デンキーナトゥーゴー」というカフェ&食堂があります。名物は、ふわふわの卵焼きをはさんだたまごサンド! この店の料理長を務めるのが森本由美さんです。実は、前身は「デンプラスエッグ」という建築事務所の社員食堂でした。忙しくて、仕事のことで頭がいっぱい! というスタッフに、ヘルシーな食事をとってほしいと、作られたのだといいます。

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3児の母である森本さん。次女が食育に熱心な幼稚園に入園したのを機に、ご自身も給食室で手伝いを始めたそうです。

「食べるものが、心と体をつくるということを知りました。園児と一緒に野菜を作ったり、収穫したり。春が来たら豆をむく。秋が来たら庭でサンマを焼く。そんな幼稚園でした」

その後ご自身で、食や環境のことをみんなで考えたいと「フラッグ」と名付けたスペースをオープン。ワークショップを開いたり、作家さんの個展で食事を作ったり。そんなとき「社員食堂を手伝って」と声をかけられたというわけです。

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若いころから洋服も大好き。「学生時代は神戸の高架下の古着屋さんによく通っていました。みんなと同じではなく、一点物の服が好きでしたね」

20歳を過ぎたころから、インドやタイなどの民族衣装に興味を持つようになりました。そんな森本さんが今選ぶのは、藍染めや泥染めなどの自然素材の服。刺しゅうが施されていたりと、手仕事の美しさが宿る服です。そこにメンズライクな服をプラスするのがいつものコーディネートなのだとか。手作りのぬくもりと、ワークウェアのハードさを上手に足し引きするバランス感覚はさすが!

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「昔から、服の好みはほとんど変わらないんです。好きなお店も決まっていて、あれこれめぐったりはしないですね」

食べることも、おしゃれも、そして仕事も大切なことはみんな同じ。自分の姿勢をきちんと決めることで、軸ができる。軸が決まればおのずと自分らしさがこぼれ出す……。いつもにこやかで自然体で暮らす森本さんのおしゃれの根底には強さがありました。

photo:岡田久仁子 text:一田憲子

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Profile

森本由美

Yumi Morimoto

大学卒業後、アパレル会社の事務職として働く。結婚を機に専業主婦に。幼稚園で給食の手伝いを始める。5年前から神戸に人と人をつなぐスペース「フラッグ」をオープン。1年前より、兵庫県西宮市のカフェ&食堂「デンキーナトゥーゴー」の料理長を務める。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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