素敵な器を使った朝ごはんコラム、7月担当は「手乃音（てのね）」本郷千明さん

こんにちは。茨城県つくば市で、「手乃音（てのね）」という手仕事の生活道具を扱う店を営んでおります、本郷千明と申します。
「器店主の朝ごはん」7月を担当させていただくことになりました。
我が家のいつもの簡単な朝食ですが、少しでも皆様の参考になることがあれば嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。

手乃音は国内の職人さんや作家さんが手仕事で作り上げた器や工芸品などの生活道具を扱う小さな店です。
機械で多くのものが大量に作られるようになる遥か前から、人の手で一つ一つ丁寧に作られ、人々の生活の中で日々使われて慣れ親しんできたものの良さをお伝えできれば、と思っています。
「手乃音」は手からものが作り出されるときの音、作られる過程もお伝えしたい、という思いからつけました。

当店で扱うものは手仕事のものですので、作るのにとても時間がかかりますし使う時もちょっとした手間が必要な場合もあります。
しかし、時間をかけて人の手で作られた温もりある作品は、一つ一つ表情が違いますし、使っていくうちに経年変化で色合いが変わり、さらに自分だけの一点ものへと変わっていきます。
どれも長く使えるものですので、長く使っていくために必要なちょっとした日々のお手入れや変わっていく過程もお楽しみいただけたら、と考えています。

手乃音がありますつくば市は東京からつくばエクスプレスで約45分のところにありながらまだまだ田園風景が残るのどかな場所が多くあり、当店もつくば駅まで数㎞のところですが、周辺に森や田畑、レンコン畑、少し車を走らせると苺ハウスなどがあるのんびりとした場所です。

当店は「つくば文化郷」という敷地内にあります。
つくば文化郷は、敷地面積約１０００坪の中に築１００年を超える登録有形文化財の主屋や長屋門を構え、現在は当店の他に「季節のスペシャルティ珈琲専門店 珈琲屋まめは」さんと６月に移転リニューアルオープンしたばかりの「古民家アンティーク SHOP & CAFE　家貨屋（kakaya）」さんが営業しています。（家貨屋さんのCAFEはまだオープンまでにお時間かかるそうです）

まめはさんはコーヒー豆販売の他テイクアウトドリンクや小さな喫茶室（現在はコロナのため縮小営業中）もあります。
また、家貨屋さんは家貨屋さんの他、数店舗の古道具・アンティークショップが入っており様々な家具や道具を取り扱っています。
当店にお越しの際は、是非他の店舗も巡って楽しんでみてくださいね。

最後に少しだけ私の話を。
子供の頃からものを作ることが大好きだった私。
学生時代も美術を専攻し美術に関わる仕事をしていたため、以前は何かを作り出すことばかり考えていましたが、結婚して主婦になり、使う方の立場へ変わったことが大きな変化となりました。

料理がうまくなりたい、と通ったところで知り合った友人とお互いの得意分野のお店をやりたいね、と話したのがきっかけでいろいろ調べていくうちに、茨城には昔からのとても素晴らしい手仕事があるのに、それを作る人はほとんどの方がご高齢で人数もごく僅か、という事実を知り、何となくはわかっていたけれど、自分の目で見て職人さんに話をお聞きしてかなり衝撃を受けました。
購入し、使っているだけではわからない事実。
お店で販売しながら、そういったこともお伝えできたら何かが変わるかもしれない、そんな思いもあり店をオープンしました。

今は全国の職人さんや作家さんの作品を取り扱っていますが、昔から伝わるもの、手仕事の良さを知っていただき、より多くの人々が使うことによって技術を繋ぐ人が増え、続いていってほしい、という思いは変わらず店に立っています。

当店で扱う品々は全て私が日々使っているもの。
使い心地やお手入れ方法など何なりとお尋ねください。
全て職人さん、作家さんにもお会いして取り扱っているので、制作者お勧めのお手入れ方法などお伝えできることも。
長くお使いいただくポイントなど、お話させていただいてます。

この連載でも料理と合わせる器や道具の紹介と共にそういったことをいろいろとお伝えできたら、と思っています。

長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださってありがとうございます。
これから４回の連載、どうぞよろしくお願いします。

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