魚を食べたい日の朝ごはん
「ぽたぽたポタリー」市野彩乃さんvol.1
こんにちは。福井県福井市で作家ものの器をお取り扱いするお店を営んでおります“ぽたぽたポタリー”の市野彩乃と申します。2024年2月の朝ごはんコラムとして、我が家の朝ごはんとその器をご紹介させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は節分ですね。年が明けてもう節分かと日々の流れのはやさを実感します。
今年の恵方は東北東やや東とのことで、恵方巻を召し上がられる方も多いのでしょうか?我が家は毎年恒例となっている地元のお寺の節分祭に行く予定です。
我が家の朝ごはんは、ご飯とお味噌汁、納豆、浅漬けという簡単な和食が定番で、調子のいいときはそこにだし巻き卵が追加される感じなのですが、たまに朝から魚を食べたいなぁと思うときがあります。そんなときに作る朝ごはんが“焼き鯖のちらし寿司”です。
酢飯に刻んだ大葉と白ごま、生姜の甘酢漬け(ガリ)を混ぜて、上に焼き鯖を乗せるだけで完成なのですが、ふっくらした身からじゅわっと出てくる鯖の脂と、大葉やガリの爽やかな香り、プチッと弾ける白ごまの食感がとても美味しいです。
酢飯の酢を少な目にしてレモンやゆずを絞ると香りがプラスされてそれもまた美味しいですし、豪華にしたいときはいくらの醤油漬けを乗せています。
子どもの頃、朝から魚を食べるのがちょっと面倒に感じてなかなか手が伸びなかった私に母が作ってくれた朝ごはんで、祖母から母へ、母から私へと代々受け継ぎ今も作り続けているメニューです。
お手頃な価格で買える焼き鯖でちらし寿司が作れるのは家計にもありがたいですし、シンプルな材料なのに本当に美味しいんです。
焼き鯖ちらしのお重とすまし汁の椀は福井県鯖江市で制作されている“くろめ工房”さんの越前漆器の重箱と丸椀を、お茶碗は栃木県で作陶されている“及川静香”さんの粉引き削り飯碗を使っています。
くろめ工房:https://pota-pota.com/kurome.html
ちらし寿司は三段重箱の一段のみを使っています。この重箱は日頃から我が家でよく登場する器のひとつで、お正月のおせち以外にも、いなり寿司や太巻きを入れたり、ピクニックやお花見にお弁当にして持って行ったり、菓子盆のようにお菓子を並べて出したりと気楽に使っています。
漆器は取り扱いが難しいイメージがあるとお聞きしますが、とても簡単で特別なお手入れは必要ありません。中性洗剤と柔らかいスポンジで洗って乾いた布巾等で拭いていただければそれで大丈夫です。
くろめ工房さんの越前漆器の特徴は、何と言っても職人が独自に開発したザラザラとした手触りと艶消しのマットな質感の漆です。越前漆器のイメージを覆すこの漆は、見た目のかっこよさはもちろん、滑り止め効果や重ねて収納しても傷がつきにくいという、器としての使いやすさも兼ね備えている魅力満載の器です。“個性的だが主張し過ぎない漆器”をテーマに、どんな食器の横に置いても調和性がある漆器を目指して作られています。
及川静香 :https://pota-pota.com/oikawa.html
飯碗で使用した及川静香さんの器は、土ものらしい温かさや力強さ、ぽってりした質感、ぽつぽつとある黒点がとても素敵で、器好きの方はもちろん、初めて作家ものの器を購入するお客様からも人気です。オーバル皿はメインのおかずをたっぷり盛り付けてテーブルの真ん中に置いたり、お一人様用のワンプレートとして使ったりと使い勝手もとても良いです。
今日は魚を食べたい日に作る朝ごはんをご紹介しました。
子どもの頃は朝からこの焼き鯖ちらしが出てくると弟たちとお寿司だーと喜んで食べていましたが、魚を食べたがらない子どもに美味しく魚を食べてほしいと祖母や母が考えて作ってくれた愛情のこもった朝ごはんだったんだなと思い返し嬉しく思います。
焼き鯖ちらしは太巻きにしても美味しいので、恵方巻にもぴったりなメニューです。
一年間健康に過ごせるようにという願いを込めて、災いや病気などの悪いものを鬼に見立てて追い出す行事と言われている節分の日。皆さまのご健康を心よりお祈り申し上げます。
福井県福井市新田塚2丁目24-10テラスハウスS-2
TEL:0776-97-8096
営業時間:11:00-17:30
定休日:水曜・木曜
https://pota-pota.com/
Instagram:@pota_pottery
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。