前日の夕食が蕎麦だった日の朝ごはん
「ぽたぽたポタリー」市野彩乃さんvol.2
こんにちは。福井県福井市で作家ものの器をお取り扱いしております“ぽたぽたポタリー”です。2024年2月の朝ごはんコラム2回目もよろしくお願いいたします。
今日の我が家のメニューは、前日の夕食が蕎麦だった日に作る簡単な朝ごはんです。
我が家は夫婦そろって大の蕎麦好きで、特にキュッとしまった冷たい蕎麦につゆをかけて大根おろしやかつお節、ねぎを乗せた福井名物の“おろしそば”が大好物です。(蕎麦が好きすぎて、10年程前から蕎麦打ちを始めて、現在はぽたぽたポタリーと同じ店舗内でそば粉100%のシフォンケーキやそば粉の焼き菓子屋をやっています。)
蕎麦は栄養価がとても高く、たんぱく質や食物繊維、ビタミンB1、B2などに加えて、穀物で唯一“ルチン”という栄養素が含まれています。このルチンはポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持ち毛細血管を強化する働きがあるため、高血圧や動脈硬化、認知症の予防、皮膚の弾力を高めてシミやシワを減らす効果があると言われています。
お年を召した方だけでなく若い世代の方にとっても魅力的な効果のあるルチンですが、水溶性で水に溶けやすい性質を持つため蕎麦を茹でるとゆで汁に溶け出してしまうというデメリットがあります。
お蕎麦屋さんに行くと蕎麦湯を出してくださいますが、だしと割って飲むと美味しいからというのはもちろん、せっかくの蕎麦の栄養を余すことなく摂取するためにという理由もあるそうです。また、この蕎麦湯を飲む文化は300年以上前の江戸時代から始まっていて、元々は胃腸の調子を整える薬の役割として蕎麦湯が飲まれていたそうです。
このお話を耳にして以来、薬としても重宝されるほど栄養が豊富な蕎麦湯を捨ててしまうのはもったいないなぁと思い、夕食に蕎麦を食べた次の日の朝ごはんは蕎麦湯を使ったメニューを作るようになりました。
ということで、今日の朝ごはんは昨日の夕食の蕎麦湯を使って作った“蕎麦湯のお粥 ”です。
とろっとした蕎麦湯でご飯をくつくつと煮込んだ柔らかいお粥は、一口食べるとほんのり香る蕎麦の香りとともに身体にじんわりとしみる温かく優しい味です。
その日の気分で先に味付けをして中華粥や雑炊にすることもありますが、今日はいろんなトッピングでちょこちょこ味を変えながら食べたかったので味付けなしにしました。
トッピングは定番の塩や梅干し、いただきもののきゅうりの粕漬、ゆず皮入りの甘めの大根の漬物、しば漬け、新生姜の時期に作った佃煮です。
普段の朝ごはんは納豆やお味噌汁があるのでお漬物は少ししか出しませんが、味付けなしのお粥のときにはここぞとばかりにあれもこれもと冷蔵庫の中にあるお漬物をババっと出すようにしています。
塩はお土産にいただいて以来好きになってお取り寄せをしている沖縄の“ぬちまーす”、梅干しは去年漬けたまま干すのをすっかり忘れてしまったので梅干しというよりも梅漬けです。
蕎麦湯で作るお粥は、消化が良いので胃に優しい点や栄養がたくさん摂れる点はもちろん、ほんのり香る蕎麦の風味もとても美味しいです。蕎麦湯が残ったときはぜひ召し上がってみてくださいね。
本日の朝ごはんで使用した器はこちらです。
土鍋は三重県で作陶されている“陶工房SORA”“土田空”さんのキャセロール。
絵本の中に出てくるような柔らかいフォルムが可愛い土田さんのキャセロールは、耐熱土なので直火、レンジ、オーブン、ストーブなどでもお使いいただけます。
https://pota-pota.com/sora.html
お茶碗、奥の小皿、右側の長皿は愛知県で作陶されている“鈴木史恵”さんの器です。
ざらっとした手触りとマットな質感、ぽつっとある黒点が器の表情となっていて魅力的です。鉄色と白色のどちらの色も使いやすく様々な料理をぐっとまとめてくれるので我が家でも頻繁に登場する頼れる存在です。
https://pota-pota.com/saraya.html
本日は、前日の夕食が蕎麦だった日の朝ごはんでした。
蕎麦湯が残ったときは、美味しくて栄養が摂れる“そば粥”をぜひ作ってみてください。
二回目のコラムもお読みいただきありがとうございました。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。
福井県福井市新田塚2丁目24-10テラスハウスS-2
TEL:0776-97-8096
営業時間:11:00-17:30
定休日:水曜・木曜
https://pota-pota.com/
Instagram:@pota_pottery
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