~自律神経を整える「梅雨」の献立~ 茂田正和さんの食べる美容 料理教室vol.1レポート【後編】

食べる美容 料理教室vol.1
2024.06.13

『OSAJI』ブランドディレクター 茂田正和さんが、自身の著書『食べる美容』と同じスタイルで自ら料理講師を担当する料理教室。【前編】では、第1回目のテーマ“自律神経を整える「梅雨」の献立”の4品のうち、一汁と副菜にあたる2品を紹介しました。

【後編】で紹介するのは、主食のご飯ものと主菜となるおかずの2品です。どちらも【前編】のレシピ同様、具材には海の恵みがメイン食材として使われています。

「ある化粧品会社が、美肌の人が多い県を定期的に調査してランキング発表しているのですが、上位を占めるのは海が近くにある県ばかり。これって、肌にとって重要なミネラルやタンパク質を多く摂れる海産物が、美肌づくりにいかに有効かが如実に表れている結果なんですよね。なので、この教室では魚介類や海藻を使った献立を積極的に紹介したいと思っているんです」

ほや飯
消化吸収の良いタンパク源で、ビタミンEやビタミンB12、EPA、鉄分、カリウムなども豊富に含んでいる海産動物、ほや。

その独特な見た目から取っつきにくさを感じる食材ですが、茂田さんが実際に捌きながら、下ごしらえのポイントをわかりやすく解説してくれました。

捌いたほやを軽く酒蒸しにして、あおさ海苔とともに鋳物の鍋で炊き込みご飯に。あおさ海苔の代わりに、海の海苔やひじきを使っても美味しく仕上がるそう!

「個性的な味と思われがちなほやですが、炊くとウニのような風味に近づきます。ウニと比べたらほやはリーズナブルに手に入るし、捌き方さえ覚えてしまえば頼もしい美肌食材としてとてもおすすめです」

「酒蒸しにした時の出汁を水と合わせ、三河味醂と白醤油を加えて炊きます。ほやの出汁の風味を損なわないよう、味付けに使うのは普通の醤油よりも、香りの柔らかな白醤油がおすすめです」


たこの生姜煮込み

以前に茂田さんがベトナム料理で食べたという、甘じょっぱい豚肉の生姜煮込みをアレンジ。豚をたこに置き換え、たっぷりの新生姜と合わせた食欲をそそるひと皿。

「たこには、体の代謝を促すビタミンB群のほか、抗酸化のビタミンE、現代人が不足しがちな鉄、亜鉛なども含まれています。ビタミンB群のひとつであるナイアシンは、神経伝達を正常化する働きもあるので、自律神経のバランスを取りたい時にはぜひ意識して欲しい栄養素です」

「ベトナム料理では味付けにシーズニングソース(甘くとろみのある醤油)を使いますが、今回は甘めで香ばしい味わいの甘露しょうゆをメインに、日本酒や味醂、砂糖を合わせ、たことマッチする生姜煮込みに」

調理は約1時間半ほどで終わり、楽しい実食タイムには、茂田さんへの質問コーナーも設けられています。

今回は「ニキビが出来やすい娘に栄養対策でできることは?」、「アトピー性皮膚炎の改善に役立つ食べ物やそのほかの工夫はありますか?」といった質問が出ました。

茂田さんは、インナーケアはもちろん、本業の化粧品開発者の目線でアウターケアについても答えてくれます。

「ニキビは、過剰な皮脂によるトラブル。脂質代謝を促すビタミンB2を充実させることは大事ですね」

「アトピー性皮膚炎については、まず食物アレルギーがあるかをチェックした上で、アレルゲンに卵が入っていなければ、肌のうるおいをつくる栄養素が豊富な卵を1日2個くらい食べても良いと思います。あとは、角層のバリア機能にとって重要なマグネシウム補給も大事。食で補いきれない場合は、お風呂にエプソムソルト(硫酸マグネシウム)を入れるのも良いですよ」

美味しさと美容のための食知識を重視した、こちらの「食べる美容料理教室」の次回は7月。
紫外線ピーク期を乗り越えるために必要な栄養アプローチを学べる内容になりそうです。

細胞をつくる食事で栄養バランスを整え、素肌の土台がしっかりすれば、化粧品によるアプローチもより活きるようになり、きれいへの近道に!
気になる方はぜひ開催日程をチェックして見てくださいね。

photo:小松原英介 text:石塚久美子

 

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『食べる美容』

 


 

【食べる美容 料理教室 Vol.02 開催概要】
7月| 陽射しに備える「盛夏」の献立
美容の大敵と言われる紫外線。紫外線によって肌の中に発生する活性酸素はシミだけではなく、ハリの低下やシワの原因にも繋がります。抗酸化効果の高い夏の食材、この季節に摂るべき栄養を学びつつ、楽しく美味しく、夏の紫外線ダメージをケアする術をお伝えします。

献立
・太刀魚の南風咖喱
・砂肝と夏野菜のチョップドサラダ
・焼きとうもろこしのご飯
・とろろ昆布ときゅうりの冷製スープ

開催日時
2024年7月19日(金)18時〜20時30分
2024年7月20日(土)11時〜13時30分
講師:OSAJIブランドディレクター / 茂田 正和
開催場所|釜浅商店(包丁売場4Fイベントスペース) 東京都台東区松が谷2丁目24−1
受講料:10,000円(税込)ドリンクご利用分は別途頂戴いたします。
定員:各回16名 
応募方法:Peatixにてお願いいたします。
※料金(材料費、講習費、実食分)の費用となります。
持ち物等:手拭き、筆記用具、エプロン、タッパー類(持ち帰り用)
注意事項:当日は記録のため撮影が入ることがございます。ご同伴者がいらっしゃる場合は、ご予約の際に備考欄へその旨をご記載ください。お料理によっては複数人での共同作業がございます。

Profile

茂田正和

Masakazu Shigeta

音楽業界での技術職を経て、2002年より化粧品開発者の道へ。皮膚科学研究者であった叔父に師事し、肌にやさしい化粧品づくりを追究する中で、健やかな美しさにとっては五感からのアプローチも重要と実感。2017年、スキンケアライフスタイルを提案するブランド『OSAJI』を創立、ブランドディレクターに就任。2022年には、香りや食から心身を調律するOSAJIとレストランの複合ショップ『enso』(鎌倉・小町通り)を手がけ話題に。同年9月、初の著書『42歳になったらやめる美容、はじめる美容』(宝島社)を出版。2023年は、日東電化工業のめっき技術を活かした器ブランド『HEGE』のプロデュース、そして日東電化工業より分社化された株式会社OSAJIの代表取締役に就任と、自身にとって大きなターニングポイントの年となった。2024年2月、2冊目となる著書『食べる美容』(主婦と生活社)を出版。

Instagram : @masakazushigeta
https://shigetanoreizouko.com/

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