【春の東京駅特集】②東京駅で、旅した気持ちになれる店〈国内編〉

おひとりさま外食
2026.04.07

4月の特集は、東京の玄関口「東京駅」をテーマにお届けしています。
案内役は、食の楽しみを知り尽くした サカキシンイチロウさん。著書『大人の東京おひとりさま外食』でもおなじみのサカキさんに、「ひとりで、いい時間を過ごせるお店」を教えてもらいました。

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東京駅は、ご当地グルメの宝庫

東京駅は新幹線で日本各地とつながる場所です。
北は北海道、西に向かうと福岡まで乗り換えなしで移動ができる。
逆に言えば、それらの街から乗り換えなしで東京までやってくることができるということで、やってくるのは人や荷物だけでなく「お店」も東京駅を目指してやってくるんです。


大丸東京店8階にある「イノダコーヒ 東京大丸支店」は、京都本店を思わせる、赤を基調とした重厚なインテリア。窓の外には、東京・八重洲の街並みが広がり、眺望もゴチソウのひとつ。


東北新幹線が東京駅に乗り入れるようになったのが1991年。
それをきっかけに仙台の牛タン専門店が次々、東京駅やその周辺にお店を出して、今や牛タン専門店のメッカになりました。
「仙臺たんや利久」に「味の牛たん喜助」、「伊達の牛たん本舗」、「仙台牛タン炭火焼 杜」と有名どころが勢揃い。

八重洲口地下に直結する「東京駅一番街」という地下商店街があって、その一部に「にっぽん、グルメ街道」という日本全国の飲食店を集めたエリアがあります。
例えば北海道の立喰い寿司の「函太郎」。富山の白えびを気軽に食べることができる「白えび亭」や広島のお好み焼き屋さん「電光石火」。
どの店もカウンターがメインの造りでスピーディーに料理が提供される店。
だからおひとりさまにうれしいお店。

横浜名物の崎陽軒の「横濱 崎陽軒 シウマイBAR」なんてお店も魅力的。冷めてもおいしいシウマイを、ここでは蒸し立ての状態で食べることができるんです。しかも気軽なスタンド形式。ご飯のお供に、あるいはビールのおつまみにといろんな機会に使えるところがありがたい。

全国から集まるお店の中でも京都や大阪のお店は多い。
にしんそばや京風ラーメンが楽しめる「そば処 為次郎」。
京都銘菓「西尾八ツ橋」が経営していて、そばやラーメンに八ツ橋が一個もれなくついてくる。旅のお土産をもらったようでニッコリしてしまいます。

味はもちろん、サービスもゴチソウです

東京駅には百貨店もある。
京都発祥の大丸百貨店。
その御縁があってなのでしょう……、京都を代表する喫茶店「イノダコーヒ」があります。

入口には「イノダコーヒ」のシンボル、赤いコーヒーミルのオブジェが置かれています。

クラシックホテルのロビーラウンジでお茶をたのしむような雰囲気が京都的。
東京の喫茶店の多くはコーヒーが主役です。
だからサービスは控えめでお店の人は黒子のようにふるまう。

一方、ここは良いサービスを受けるきっかけとしてのコーヒーがあるお店。大阪、神戸、京都にはそういうお店がたくさんあって、その贅沢を東京で味わうことができるのが有難い。
例えばスパゲティをおさめた洋白の蓋付きの器をうやうやしくあけてくれる特別感にはいつもウットリさせられます。

 

スタッフがみな、笑顔で明るく、立ち姿がシュッとキレイで店の空気がやさしく感じます。仕事の仕草がやわらかなのに丁寧。しかも迅速で、けれどせわしなさを感じさせることのない見事な手際にウットリしながら見入ってしまいます。おひとりさまにとって、お店の人に見守られている安心感もオゴチソウ。

 


窓に面したカウンター席から外の景色をながめて味わうコーヒーやサンドイッチやケーキは格別。



アラビアの真珠という人気のブレンドコーヒー。シュッと上に向かって伸び、広がっていく関西喫茶店に独特のマグ。プリンセスラインのドレスを逆さにしたような形は、たっぷり入って、口が狭いから冷えずにおいしい状態が保たれます。


駅からちょっと歩いたオフィスビルの地下には小さな大阪があります。
「つるとんたん」に、甘くて辛い大阪カレーの元祖と呼ばれる「インデアンカレー」のカレースタンド。大阪・梅田で人気のお好み焼き店「きじ」の東京分店もある。京都だけじゃなく大阪までもが新幹線に乗って東京駅にやってきているんですね。

東京駅は旅行の始点、終点であるだけでなく「旅行した気持ち」にさえなれる場所。しかもどのお店も気軽でおひとりさまにやさしい設え、そして商品。

お腹が旅するエリアです。

 

撮影/有馬貴子

 

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\【おひとりさま】にやさしいお店をご紹介しています!/


定価:1980円(税込)
amazon / 楽天ブックス

 

著者:サカキシンイチロウ
撮影:黒川ひろみ・有馬貴子
デザイン:天池聖
マップ製作:重志保
協力:森有貴子
校閲:文字工房燦光
主婦と生活社刊

イノダコーヒ東京大丸支店

東京都千代田区丸の内1-9-1 大丸東京店8階
営業時間:10:00~20:00(LO 19:30)
定休日:百貨店に準ずる
HP:https://www.inoda-coffee.co.jp/shop/tokyodaimaru/

 

Profile

サカキシンイチロウ

Shinichiro Sakaki

1960年愛媛県松山市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、店と客をつなぐコンサルタントとして1000社にものぼる地域一番飲食店を育成。語学力と行動力と豊富な知識で戦略を展開する。飲食店の経営のみならず、食全般に関するプロデュース、アドバイスを主な業務として活躍中。著書に『おいしい店とのつきあい方。』(角川文庫)などがある。毎日更新しているブログ「サカキノホトンブ」やnoteでも発信中。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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