かのうかおりさん×一田憲子さんのトークショーイベントへ行ってきました!
みなさま、こんにちは。美味しいもの大好き、編集部の食いしん坊担当・ツダです。
突然ですが、今話題の「バスクチーズケーキ」をご存じですか?
その真っ黒具合に最初はだれもが驚くバスクチーズケーキ。インパクト大の見た目とともに、表面の焦げの香ばしいほろ苦さとチーズの濃厚な味わいが美味しいと人気沸騰中です。専門店も続々とオープンしているそうですよー。
チーズ本来のうまみが楽しめ、「何度も食べたい!」とリピーターが続出し、評判になっている「カオリーヌ菓子店」のかのうのかおりさんのトークイベントが6月17日に銀座 蔦屋書店で行われました。スペインでのバスクチーズケーキとの衝撃的な出会い、それを販売するお店を始めるまでに至った経緯、3人の子育てをしながら菓子店を運営するコツなど、普段は聞くことができないような興味深いお話が盛りだくさん。
かのうさんは3年前、『暮らしのおへそvol.21』にご登場してくださっています。
詳しくはこちらから → vol.1 vol.2
そのご縁もあり、聞き手は『暮らしのおへそ』のディレクションをしている一田憲子さん。終始笑顔あふれる、あたたかい雰囲気で幕を閉じたトークイベントの様子を、本日はほんの少しご紹介しますー!
『暮らしのおへそ』にご登場後、どんどん活動の場を広げてきたかのうさん。「最初は一つ一つ自分で作り、ホームページで販売をしていましたが、注文が増えてきたので梱包や出荷の作業を専門の会社に委託し、私はケーキ作りに集中するようになりました」
百貨店の催事へ参加したり、雑貨店での販売会を行ったりなど、より多くの人にチーズケーキを味わってもらう機会が増え、その評判が口コミで更に広まりました。そうしてオーダーがどんどん増えるにつれ、一人でケーキ作りをすることが難しくなったしまったそう。その時、かのうさんが下した決断は、チーズケーキ作りを他の製造会社にお願いすることでした。
「この味を絶対途絶えさせたくない、少しでも多くの人に食べてもらいたいという気持ちが一番大きかったです。だから、レシピを渡してしっかり作ってくれる会社に委託して作ってもらおうと思いました」
ここがキーポイントですよね、とすかさず一田さん。
「スペインのバルで口にした味を舌で覚えてきて、帰国後に試行錯誤の末、自分の手からこんなにおいしいチーズケーキができて、普通はそれで満足となるじゃないですか。作るところから誰かに託しちゃうというのは、好きがゆえに後ろめたさを感じてできない人が多いと思うのです。このチーズケーキのおいしさをみんなに知ってもらいたいという気持ちを一番大事にして、自分で行う必要性がないことを判断し手放せたからこそ、かのうさんのバスクチーズケーキがこんなにも多くの人に愛されることになったのですね」
「かのうさんのこの決断は、自分の好きなことを仕事にしたいと思っている人にとってもヒントがあると思います」と一田さん。「例えば、全部自分で作らなければ気がすまないか、はたまたかのうさんのように自分でやるべきこととアウトソーシングによって手放すことを分けられるか。何を大事にするかで、仕事に対する姿勢は変わってきますね」
そして今、かのうさんが一番大事にしていることは、家族との時間。
「チーズケーキはもちろん大事ですが、お店を大きくしたいとかはなく、一番大事なのは家族。ケーキ作りの作業を思い切って手放したことで、仕事と暮らしのバランスも非常に良く、おかげで新しいお仕事にも取り組むことができています」
会場のお客様も、編集ツダも、かのうさんのチーズケーキに対する溢れんばかりの熱い想いに感動しました。
イベントのもう一つの目玉は、「カオリーヌ菓子店」のバスクチーズケーキの試食! 会場は甘い香りと参加者のみなさまの笑顔に包まれました。美味しいですかー? という問いに、みなさま「うんうんうん」と何度も頷いてらっしゃいました(笑)
このチーズケーキは、イベントが始まる前にかのうさんが一つ一つ切り分けてくれました。かのうさんが使用している、見慣れないこのアイテムは「チーズケーキカッター」
包丁で切ると、生地が包丁にくっつきベタベタ、ケーキの断面もガタガタになってしまうのが悩みどころ。チーズケーキカッターは金属ワイヤーでカットするので、断面も美しく、きれいにスパッと切れるのです。柔らかいふわふわのロールケーキにも使える、かのうさんおすすめアイテムです。
著書『カオリーヌ菓子店のチーズケーキ』では、家庭で手に入りやすいチーズを使った、初心者でも簡単にできるレシピを紹介しています。本のために開発されたレシピは、一つのケーキを作り上げるまでに1g単位の緻密な試作をとことん行う実験の日々の中で、何百回も作った末に完成したもの。
美味しく作るポイントについて、かのうさんは「混ぜすぎないことがポイントです。正直言うと、レシピ通りに作ってもらうことが美味しくできるコツですかね(笑)」
編集ツダもこのレシピ本を見て作ったことがあるのですが、材料をぐるぐる混ぜるだけで、まるでお店の味!? とみんなが驚く本格的なチーズケーキを作ることができました! お菓子作り経験は皆無でも、失敗なくできましたよー。
最後に今までの歩みを振り返ってみて、という質問にかのうさんは……。
「正直、何度もやめようと思いました。もうこんなに作れないよ……と弱気になった時期もあったんです。その度にアウトソーシングなどの打開策を考えてどうにか続けてきた今、“継続は力なり”と本当に実感しています。ずっとチーズケーキの味を伝えるためにやってきましたが、その思いの源になっているのは、スペイン・バスク地方のバルで初めてバスクチーズケーキを食べた時のあの感動ですね」
90分間、濃厚なお話がたっぷり聞けてお客様も大満足のご様子。イベント終了後のサイン会&撮影会も行列ができるほど、大変な賑わいでした。
イベントを終えたお二人、声をそろえて一言、「とても楽しかった~」
「最初は緊張していましたが、途中からリラックスして話せました」というかのうさんに、「かのうさんは肝がすわっているから(笑)自分の信念を持っている人はすらすら話せて、やっぱり違いますね」と一田さんがつっこみ、和気あいあいとした雰囲気。普段なかなか会うことができない読者のみなさまと色々お話もできて、お二人とも満足げなご様子でした。
取材した編集ツダも、かのうさんのチーズケーキ愛にすっかり魅せられ、食欲がムクムク。この週末は久しぶりにチーズケーキを作ってみたいと思いますー。
みなさんも今話題のバスクチーズケーキをぜひ味わってみてくださいね。
1、2枚目写真撮影/福尾美雪
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