素敵な器を使った朝ごはんコラム、10月担当は「器の店・沈丁花」岩倉千律子さん

器店主の朝ごはん
2019.10.05

普段の食事の時間を素敵にする作家物の器をメインに扱っております、「器の店・沈丁花」岩倉千律子と申します。10月の朝ごはんを担当させていただく事になりました。
本当に簡単な朝ごはんになりますが、1ヶ月どうぞよろしくお願いいたします。

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まずは自身のことを織り交ぜながら、お店の紹介をさせていただきます。
私が器に興味を持ったのは、社会人になって間もなく。母が食器好きで、若い頃は土もの、次に磁器ものに移行していったそうです。私は逆で20代のころは青磁が好きでした。
おかずが、いつもと違ってどことなくよそいきな雰囲気になるのがよかったのでしょうか。

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初めて自分で本格的な和食器を買ったのは20代後半、手描きの伊万里の中鉢です。その頃は料理もろくに出来ないのになぜ、中鉢を買ったのかは不明ですが。。。その頃の感覚ではものすごく高い買い物でした。
椿の花が一面に描かれており、今でも冬になると華やかさもあり頻繁に登場します。料理ができなかったわりには使い勝手の良い鉢を買ったものだと思います。

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いろいろなタイプの器が好きだと思います。作家ものじゃなきゃダメとも思わないですし、「好き」であれば使います。でもやはり使って「面白い!」と感じるもの、そして日本人で和食をいただく事が多いので必然的に和食器が多くなります。
その中でも特に手作りの物は食卓に置いた時、使った時の『気』が違います。『気』というと、怪しい感じがするかもしれませんが、やはり作った方の考え方や気持ちのような物は出来上がった器に現れてきますね。
それが躍動感となって面白いと感じ、更には私の作る簡単な料理に「かなり」華を添えてくれます。手作りの器には本当に助けてもらっています。

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洋食器も和食器もですが、歴史と深い関係があるのもとても面白いことです。
権力の象徴としての磁器の発達や、近代化によって大量生産された価格の安いものやその土地の生活に密着した陶器が生まれたり、時代によって陶磁器の繁栄が様変わりし、その時代でしか作られなかったりするものが、現代の作家さんたちによって再現されたりするのも面白いなと思ったりしています。
今では当たり前の器というものも、長い歴史の中いろいろな価値を経て今の私たちが楽しみながら手にする事ができているんだなと思います。

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お店に置いてあるものは先ほども申しましたとおり、普段の食事に使った時に心地よく思える、そして足りない何かを補ってくれる、作家ものの器をメインにセレクトして置いています。
まだオープンして間もないので、みなさまに教えていただく事もたくさんあり、それも楽しみにお店番しています。品川近くに来られたらお立ち寄りください。

 

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器の店・沈丁花

東京都品川区南品川2−3−8
tel:03-3474-1241
営業時間:11:30~18:00
定休日:日曜・水曜
HP:http://www.jinchoge.jp
Instagram:@jinchoge_0131 

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