朝食のおへそ その1「パン」 ― パンラボ・池田浩明さん

暮らしのおへそ
2019.11.20

パンを食べまくっている僕が
毎朝している食べ方、焼き方

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理想のトーストは「外ぱり中とろ」

おいしさとは、別々のものが共存すること。トーストでいえば、表面だけぱりぱりっとして、中はふわっともちっと、うまくいったらとろーっとする。バターは薄くスライスして口の中でとろけるのが無上の喜び。

 

日々日本じゅうのパンを食べまくっている僕。朝食は、食べ方を研究する場であり、子育てで忙しい妻を喜ばせる場。だから、トーストを焼くのは、けっこう真剣勝負です。

取材の先々でいろんな方に、パンの食べ方を教えてもらいます。フライパンに水を入れ、ふたをして焼くという画期的な方法を教えてくれたのは、自家製食パンを日々トーストで提供する、東京・桜上水「メガネコーヒー」の竹日 渉さん。鹿児島「TAK BAGERI-CAFE(タックバゲリカフェ)」の上原 力さんは、クロワッサンはトースターの電源を切って予熱で焼くことを教えてくれました。

でも最近発見した朝食のおへそは、「テレビを消して、家族と目を合わせること」。一言二言しか話す時間がなくても、しっかり目と目が合うだけで、意外と気持ちが通じます。

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クロワッサンは余熱で温める

オーブントースター(または魚焼きグリル)を3分以上予熱、火を切って、クロワッサンを入れ2分間余熱で温めると、焼きたてのようなさっくさく、中ふんわりの食感に。焦げる心配まったくなし。

 

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波刃のテーブルナイフを常備

バターをスライスしようとすると、バターナイフや包丁では刃にくっつき煩わしい。波刃の小型ナイフならぱらっととれる。食卓にあればパンや果物、チーズを切るときも大活躍。

 

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冷凍するときはショップカードを入れる

冷凍するときは、出してすぐ焼き戻せるようスライスして。ジッパー付きビニール袋に入れて空気を抜き、パン屋さんのショップカードも入れておくと、「いつどこで買ったパンだっけ?」とならない。

 

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麦茶と牛乳で麦茶オレ

市販の麦茶(ご家庭にある麦茶何でも)を同量の牛乳で割り、小さじ半分の砂糖で麦茶オレが完成。コーヒーより軽く飲め、麦と麦なのでパンとの相性◎。カフェインをとりたくない方にもおすすめ。

 

丁寧に焼きたい朝は
フライパンで

「外ぱり中とろ」を作りやすいのがフライパン。鍋底とパンが密着するので、表面だけぱりっとしやすく、水を注いでふたをすれば、蒸し焼き状態になり、水分も風味も保てる。オーブントースターなら予熱しっかり、短時間で焼く。

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フライパンを中火で2 0 秒程度予熱し、鍋肌に水10ml をまわし入れる。鍋の中心に水がいかないように。

 

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中心にスライスした食パン(厚切りがおいしい)を置き、ふたをする。焦げないよう、見守る。

 

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香ばしい匂いがしたら、焼き色がついたサイン。ふたを取り、裏返し、焼き色がついたらでき上がり。

 

→その2に続きます

「暮らしのおへそ Vol.28」より
photo:近藤沙菜 text :池田浩明

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Profile

池田浩明

Hiroaki Ikeda

「食べる」視点からパンを研究する「パンラボ」主宰。ブレッドギーク(パンオタク)。NPO法人新麦コレクション理事長。連載、著書多数。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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