渡辺有子さんの「おうちレシピ」サラダ編
3日間連続でお届けした『渡辺有子の家庭料理』のレシピ&エッセイ。ラストは、この時期にぐんとおいしくなる野菜で作るサラダです。メインのおかずになってしまうような、食べ応えのある、美しいサラダを2品、ご紹介します!
モッツァレラと新豆のレモンサラダ
さやいんげんやスナップえんどうは、さやをひらくのがポイント。味がしっかりなじみます。モッツァレラチーズは器の上でくずし、オリーブオイルとあえて、いただきます。
【材料(2人分)】
スナップえんどう……8個
絹さや……18枚
さやいんげん……12本
グリーンピース……30g(正味)
モッツァレラチーズ……1個
レモン(国産)の皮……1個分
オリーブオイル……大さじ1・1/2
粗塩……適量
【作り方】
1 スナップえんどうと絹さやは、筋を取る。さやいんげんは、へたを取る。鍋に湯を沸かし、さやいんげんとグリーンピースは3分、スナップえんどうは2分、絹さやは1分茹で、ざるに広げて手早く冷ます。スナップえんどうとさやいんげんは、半分に裂いてさやを開き、水気をふく。
2 器に1を盛り、水気をきったモッツァレラチーズをのせる。レモンの皮を上からすりおろし、オリーブオイルをまわしかけて粗塩をふる。
牛肉とブルーベリーのハーブサラダ
しっかりとボリュームのあるサラダ。力強く、香り高いので、満足感があります。全体を合わせるときは、大きめのボウルの中でふわりと。
【材料(2人分)】
ハーブのベビーリーフミックス……大1パック
ブルーベリー……1パック
牛薄切り肉……150g
A|ナンプラー……大さじ1・1/2
|赤ワインビネガー……大さじ1・1/2
B|ハチミツ……小さじ2
|オリーブオイル……大さじ1
オリーブオイル……小さじ1
黒こしょう……適量
【作り方】
1 ベビーリーフミックスとブルーベリーは洗い、水気をしっかりきる。
2 Aを混ぜ合わせる。
3 フライパンにオリーブオイルを入れて中火で熱し、牛肉を入れてざっと炒め、2の2/3量を加える。
4 ボウルに1と、3を汁ごと入れ、Bと2の残りをまわしかける。軽くあえて、黒こしょうをふる。
「サラダ」について ~渡辺有子~
春は、サラダをよく食べます。ムシャムシャと頬張る、といってもよいほど、たっぷりと。先日、訪れたパリでは、友人宅で毎朝、クレソン、マーシュ、チコリ、コリアンダーなど、味の濃い葉ものをたっぷりと食べ、サラダのおいしさに酔いしれました。どの野菜にも甘味、うま味がしっかりとあるので、シンプルにオイルとビネガー、粗塩だけで十分。サラダはシンプルの極み。旬の野菜、さらには季節をダイレクトに味わえるのが魅力です。
素材は葉ものに限りません。春から初夏にかけての野菜や豆を合わせてサラダにするのもおすすめ。スナップえんどうにグリーンピース、絹さや、さやいんげんと、少しずつトーンの違うグリーンだけを集めて色合いを楽しみます。
食感と味のからみ方も大切です。私は、スナップえんどうやさやいんげんは、さやを開くことにしています。そうすると、平らになった部分や豆の周り、豆がどこかへいってしまったさやのくぼみに、調味料の味が着地します。さやが閉じたままだと、味はその上をスルリと通り越していってしまいます。これでは、おいしさにつながりません。開くことで、食感も小気味よくなり、パクパクと食べられます。
使う調味料は、オイルとビネガーに粗塩が基本。市販のドレッシングは使いません。そこに、フレンチマスタードを加えたり、オイルをごま油にしたり。ビネガーは、米酢や赤ワインビネガー、バルサミコ酢など、素材によって使い分けます。塩気は、粗塩ではなくナンプラーやしょうゆにすることもあります。
できあいのドレッシングは手軽かもしれませんが、基本の調味料を自分で合わせたほうが、はるかにおいしさにつながります。そこに肉や魚をプラスしたり、果物を合わせたり。シンプルでありながら、組み合わせは無限です。そう、サラダは自由に、おおらかに!
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Profile
渡辺有子
旬の素材の味を生かしたシンプルな料理で人気。センスある着こなしや暮らしぶりも注目されている。アトリエ「FOOD FOR THOUGHT」で料理教室やイベントを開催。東京・代々木上原と西荻窪に、同名のショップもオープン。
Instagram「@yukowatanabe520」
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。