【金子敦子さん連載】vol.9 弘法山にのぼろう！【前編】

山登りの楽しさってなんだろう？
頂上なんて目指さなくていいのです。
自然のなかで深呼吸するだけ、
ただ歩くだけ。
そのなんと豊かなこと！
さあ、山へ行こう！

金子敦子さんとともにお届けする連載、「大人のソトアソビ。」。今年の締めとなる山は、神奈川県秦野市にある弘法山（こうぼうやま）。弘法大師が修行したと伝えられている山です。
スタートは、新宿駅から小田急小田原線で1時間ちょっとで行ける鶴巻温泉駅。236mとハイキング気分で歩ける低山ながら、吾妻山、権現山と全部で3つの山が縦走できるのが魅力です。桜の季節は華やかできれいですが山頂が混雑するので、のんびり歩くなら、人が少ない冬がおすすめです。

弘法山（標高236m）
難易度☆★★★★

〔本日の行程〕

9:30小田急小田原線 鶴巻温泉駅
↓
10:00吾妻山
↓
10:50善波峠
↓
11:15弘法山山頂
昼食
12:30出発
↓
12:50権現山
↓
13:20弘法山公園入り口
↓
14::00 小田急小田原線 秦野駅

14:08秦野駅から渋沢駅行きバス
↓バス
14:20北欧家具talo tool&tool
↓バス
16:00 TANZAWA BIYORI

集合は、鶴巻温泉駅の北口改札口。今日も元気に出発です！
今回歩く「吾妻山コース」は、鶴巻温泉駅から秦野駅に向かうルートと、その逆で秦野駅から鶴巻温泉駅に向かうルートがありますが、初心者の方におすすめなのは、鶴巻温泉駅からスタートするルート。秦野駅からのルートは登りが急なので、健脚の方向きです。

ちなみに今回は、金子さんが日頃から愛用している「モンベル」で、ウエアと小物をお借りしました。金子さんは軽さと耐久性を兼ね備えたザック「アルパインライトパック 20」（¥19,800）、増田は厚手で保温性の高い「クリマプラス シーリング ジャケット women's」（¥9,460）とやわらかでほどよく頭にフィットする「ライトリブニット ワッチキャップ#2」（¥2,750）を着用しています。

「10年ほど前に登山を始めようと思ったとき、まず見に行ったのが『モンベル』のお店。まずザックを買って、山道具を手に入れた！ と、とてもうれしかったのを覚えています。毎年、寒くなったら、あたたかグッズを探しにお店に行きます。今年はこのネイビーのニットキャップを買いましたよ」。
さらに金子さん、今日はダウンベスト、メリノウールアンダーシャツ、モバイルギアポーチ、アジャスタブルボトルホルダーも「モンベル」（すべて私物）です。

道標にしたがって鶴巻温泉街をてくてく。東名高速道路のガードをくぐり、民家の脇の急な坂を上がると石柱があり、登山口に到着です。

歩き始めると、左右に田畑が。「あ、みかん！」とうれしそうなカメラマンの黒川さん。みかんが大好物なんだとか。愛らしいサネカズラの赤い実も見ることができました。苦みがあるので、野鳥には不人気のよう。

しばらくなだらかな登りが続きます。この日は12月のはじめとは思えないほどあたたかく、ゆっくり歩いていても汗ばむほど。「歩くのにちょうどいいお天気で、気持ちいいね〜」。紅葉はもう終わりかけでしたが、とてもきれいでした。

小さな広場と東屋が見えたら、そこは標高158mの吾妻山。ひとつめのピークです。ベンチもあるので、ちょっと休憩。三浦半島や江ノ島、湘南の街が一望できます。

吾妻山からはゆるい下りで、道幅も広くて歩きやすい道が続きます。「おしゃべりしながらでも
息がきれないくらいゆるやか〜」と金子さん、余裕の笑顔。
さらに進むと善波峠分岐が見えてきます。右は高取山方面、左が弘法山へ行く分岐点。ここからはこのルートで一番の登りです。

20分ほど登ったら、弘法山の山頂に到着。山頂は弘法大師が修行した場所といわれていて、ゆかりのある大師堂や鐘楼が残されています。ひらけていて、ベンチやテーブルもあるので、お弁当を広げている人たちもちらほら。私たちも昼食の準備を始めます。

金子さんと編集部・木村さんのお昼はインスタントラーメン。私もおすそわけをいただきました。山で食べるインスタントラーメンは冷えた体に染み渡って、とてもおいしいのです。

食後は前回に続き、インスタライブを開催しました。「モンベル」のザックの使いやすさを熱く語る金子さん。「メインと雨蓋だけのシンプルなつくりなので、ものを入れた場所がわかりやすいです。フィット感がよくて背負いやすいし、防水性が高いから雨でも雪でもＯＫ。雨蓋がはずせてバッグになるのもいいところ」。
金子さんのビビッドなブルーのジャケットは「トレントフライヤー ジャケット」（¥25,080）。最高レベルの防水透湿性のあるゴアテックス素材です。「高機能なことと、鮮やかな青に惹かれました」。

私は汗で体が冷えないように、昼食のときはフリースジャケット「クリマプラス シーリング ジャケット women's」の下に「プラズマ1000ダウンジャケット women's」を着ていたのですが、薄手で着ぶくれせず、116gと超軽量なのに、驚くほどあたたかくて快適でした。寒い時期は、歩いている間は暑くても、止まると一気に体が冷えるので、ダウンなどの防寒着は必須。「プラズマ1000ダウンジャケット women's」なら付属の袋に収納すると手のひらサイズになるので、ザックに入れておいても場所をとりません。

トイレをすませたら出発。木の階段を下ると、赤く色づくモミジを見ることができました。「冬の山を彩る赤は目を引きますね！」

紅葉を眺めながら歩くうちに、標高243mの権現山の山頂に到着。ここも平坦で広々しているので、お昼を食べたり、のんびりくつろいでいるハイカーの姿が。
そして展望台に上がると……ドドン！　雄大な富士山をはじめ、第3回で登った金時山、鍋焼きうどんで有名な鍋割山など、箱根や西丹沢の山々が見渡せます。

しばらく景色を楽しんだら、あとは下るだけ。少し急な下りなので、足元に気をつけながら、ずんずん下っていきます。途中、浅間山（せんげんやま）という小さな山のピークを通りますが、弘法山、権現山、浅間山、３つの山一帯を弘法山公園と呼び、県立自然公園にも指定されているそう。

権現山から30分ほどで弘法山公園入口です。ここで今日の山歩きはおしまい。

後編へ続きます！

text：増田綾子
photo：黒川ひろみ

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