旅に絶好の季節、戸隠に佇むリノベーションホテル&茅葺の宿へ

編集部ブログ
2024.03.29

桜も咲き始め、本格的な春がやってきましたね。気持ちのいい季節を前に、旅に出たくてうずうずしている方も多いのではないでしょうか? そんな中、「暮らしとおしゃれの編集室」に、素敵なリノベーションホテルから宿泊体験のお誘いが。ぜひぜひぜひ~と前のめりで編集スタッフが出かけてまいりました!


今回訪れたのは、国内屈指のパワースポットとしても知られる長野・戸隠。東京からは新幹線で長野駅まで1時間半、そこから霊峰・戸隠山の麓までバスに揺られて1時間と、意外とすんなり到着できました。3月でもまだ雪が残る中、降り立ったバス停の前に立つ大鳥居の荘厳さに、のっけから圧倒されまくりです!

 



公民館をリノベーションした
小さなオーベルジュ


そこから歩いてすぐの場所にあるこちらの建物が、今回宿泊体験させていただく「awai 戸隠」です。かつて公民館として使われていた「旧中社公会堂」がリノベーションされ、素敵な大人宿に生まれ変わっていました。


建物の2階は2組限定のホテルになっていて、こちらが今回宿泊した部屋。シンプルかつ上質なインテリア、飴色になった古い梁、参道を眺められる大きな木枠窓……部屋のすべてに静謐な空気が漂っていて、この中でコーヒーを飲みながらくつろいでいると、日ごろの慌ただしさを忘れ、スルリとオフモードに。


壁に掛けられたモノトーンの絵も格好よく、北欧のものかな~と思ってよく見てみると、なんとモチーフは戸隠そば! 「小倉染色図案工房」に制作してもらったオリジナルの版画だそう。戸隠の風景を切り取った版画が建物内の各所に飾られていて、宿の戸隠愛を感じます。


そんなこんなで気分よく過ごしていたのも束の間、実は、こんな素敵な場所にまで東京でやり残した仕事を持ち込んでしまった私。結局パソコンに向かうのでありました(涙)。でも、おしゃれなデスクライトに照らされながら進めていたら、不思議と仕事の速度も2倍速! 何気にワーケーションにも向く宿かもしれません。


もうひとつの部屋は、壁2面に窓が設けられていて開放感のある造りになっています。

ちなみにこの日の晩、私はここ数年で一番といっていいくらい熟睡できた感覚がありました。あとで「awai戸隠」のスタッフさんに聞いてみたら、やはりベッドやシーツもこだわりの逸品で、ある有名老舗寝具店にオーダーしたものだそう。寝不足が続いたらまたこのベッドで眠りに来ようと、再訪を心に誓った私です。

 



戸隠の素材を堪能できる
やさしいフレンチ


そして「awai戸隠」の1階は、これまたおしゃれにリノベーションされたレストラン。フランスで修行後、東京のミシュラン1つ星フレンチ「La Paix」で腕を磨いた藤元裕希シェフが日々腕を振るっています。ここでの宿泊はすべて食事つきのプランになっているため、川魚やジビエ、戸隠野菜など地元の素材を使った心にも体にもやさしいディナーを、同じ建物内で楽しむことができるのです。


この日いただいたメイン料理は、信州プレミア牛のポトフ。お肉の味わいは言わずもがなですが、実は戸隠のやわらかく清らかな湧き水が名脇役で、スープが本当においしい! この湧き水は戸隠信仰の起源ともなっているそうで、ありがた~くいただきました。


デザートとして供された、長野産リンゴで作られたタルトタタンは「awai戸隠」名物のひとつだそう。


そして翌朝もこちらのレストランに、丁寧に作られた朝食が用意されます。


山の寒暖差が育む味わい深い戸隠野菜のサラダや、焼き立てパン、そしてスキレットで焼かれたふわふわオムレツ。もう、朝からテンションMAXです!


事前に予約すれば、宿泊者でなくてもこちらでランチやディナーを楽しめるそうですよ。

 



茅葺を再生した
一軒家の宿


そして翌日、スタッフさんに連れて行ってもらったのは、宿から車で5分ほどのところにある「茅葺の家」。こちらも「awai戸隠」の宿のひとつなのですが、20年以上空き家になっていた古民家を長い時間をかけて丁寧に美しく改修し、ようやくこの春から一棟貸しの宿として開業することになったのだとか(4/20オープン、現在予約受付中です)。


この立派な茅葺は、地元の茅葺職人が中心となり、ワークショップ形式で多くの人に少しずつ携わってもらいながら再生したもの。古くから農村社会で続いてきた相互扶助の仕組み「結(ゆい)」を、今の時代に復活させる試みだったそう。


軒下から見上げると、厚み50cmほどの茅葺はすごい迫力! こんな間近で見られるなんて、感動ものです。


リノベーションにより天井が抜かれているので、部屋の中からも茅葺の美しさを堪能できます。長年、囲炉裏から立ちのぼる煙に燻されて真っ黒になった梁との相性も抜群です。茅葺屋根は使われるのは自然素材のみで、葺き替えたあとの古い茅は肥料などになるのでゴミも出ません。代々長く受け継いでいける茅葺は、実は究極のエコ屋根なのですね~。


「茅葺の家」の中に入ると、室内は和モダンな雰囲気。元々の土壁をあえて残すなど、新しくしすぎない工夫がされているので、ここで過ごすことで昔の人の暮らしに思いを馳せることができます。


寝室はベッドではなく布団敷き。こちらの寝具もふっかふかです。最大6名まで(原則小学生以上)泊まれるので、友人同士、3世帯家族など、いろいろな楽しみ方ができそうですね。


そしてお風呂はなんと、総ヒノキ! 高級旅館気分でのんびりできちゃいますよ。

 



昔の暮らしに思いを馳せる
ワークショップも


この日、「茅葺の家」で開催されたワークショップにも参加させていただきました。先生として登場したのは、この家の茅葺再生をした中心人物「縄文屋根」の渡辺拓也さん。自ら刈り取り乾燥させた茅(ススキ)を使い、縄をなう方法を教えてくださいました。


参加者全員、最初は悪戦苦闘していましたが、ススキの繊維はしなやかで扱いやすかったので、最後にはこんな円錐状の形も作ることができました。これは、「おやす」という長野のお正月飾りで、筒の中にお餅などを入れてお供えしていたそう。昔の人は自然素材だけで、わらじやしめ縄、そして屋根まで作ってしまうなんてホントすごい! と参加者同士わいわい話しながらのワークショップはとても楽しいひとときでした。今後も不定期でこういったワークショップが開催されるそうですよ。

 



帰り道では鏡池散策や
善光寺参り


お世話になった「awai戸隠」スタッフさんたちに別れを告げ、バスに乗り込み向かうは善光寺! 長野駅の手前のバス停「善光寺大門」で降りて参道を振り返ると、のんびりしていてとてもいい雰囲気。以前「暮らしとおしゃれの編集室」でも紹介した「マニプリ」本店もありましたよ。善光寺にも無事お参りすることができました。


また戸隠には、戸隠神社はもちろんスキー場や牧場、そして季節ごとに自然の美しさを見せてくれる鏡池や小鳥ヶ池など、見どころがたくさんあるので、これからの気持ちのいい季節にぜひ訪れてみてくださいね(もう雪解けしているそうですので!)。


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TEL:026-219-3444

 

旧中社公会堂
長野県長野市戸隠3390

 

茅葺の家
長野県長野市戸隠1854

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