桐生編vol.4　月初めの７日間に開く「リップル洋品店」と「HORIZON LABO」

～「リップル洋品店」岩野久美子さん～

１か月に渡り紹介させていただきました「地元のおしゃれさんが案内する小さな旅」桐生編。最後回となる今週は、私たちが家族で営むモノづくりを紹介させてください。

私たち夫婦は、自分たちの手で“衣”をつくって小さな洋品店を開き、３人の息子たちを育てながら暮らしています。「つくること」を暮らしの真ん中に置いて生きていきたいので、洋品店の営業日は月に７日間だけです。毎月、月初めの１日から７日を、お店の日にしています。

主人が布を染めます。

わたしが形をつくります。

そして、桐生の街に暮らす縫製歴30年以上のベテランチームの仲間たちと一緒に、一着一着をつくっています。できあがった衣は一色ずつ、一着ずつの一点ものです。人と出会うように衣に出会っていただきたいと、想いを込めてひとつひとつを大切につくっています。

時には手刺繍をしたり

ろうけつ染を施したり

パッチワークにしたり

真鍮を叩いてアクセサリーをつくったり

編み物屋さんと一緒にセーターをつくったり

くつした屋さんと一緒にくつしたをつくったり

自分たちの手でつくったものを並べて、毎月1日になるとお店を開きます。

自宅の車庫を家族で改装した、手づくりのお店です。暖簾も、服も、服を掛けるラックも、棚も、すべて自分たちの手でつくりました。欲しいもの、必要なものがあったらまずは「どうやったらつくれるかな」を考える。こんな暮らし方で日々を重ねてきました。

そんな中この春、中学校を卒業した長男が、同じ敷地内にお店を開きました。自家焙煎珈琲豆のお店です。名前は「HORIZON LABO（ホライズンラボ）」。水平線のように広く開けた未来をイメージして名付けました。

洋品店と同様、親子で和室を改装してつくった手づくりのお店です。

珈琲豆を焼き、販売しています。

美味しい珈琲豆を焼くために、日々熱心に研究しています。

海外の珈琲農園を訪ねたり、珈琲がキッカケで出会えた様々な業種の方達と会ったりして、勉強させていただいています。

こんな風に息子たちもグングン成長し、それぞれがつくれるものも増えてきました。これからもこんな風に、つくるもので暮らしをつくって、そのモノを介して人と繋がり、人生をつくってゆけたらと思っています。

毎月７日間だけの小さな洋品店ですが、「へー、こんな服屋もあるのね」と記憶の片隅に置いていただけたら幸いです。

地元のおしゃれさんが案内する小さな旅、桐生編。読んでくださった皆さま、ありがとうございました。

→その他の【桐生編】はこちらから　　

←連載「地元おしゃれさんが 案内する 小さな旅」はこちらから

【神戸編】　【大阪編】　【京都編】　【名古屋編】　【弘前編】　【福岡編】　【愛媛編】　【那須編】　【香川編】　【熊本編】　【岡山編】　【高知編】　【倉敷編】　【沖縄編】　【徳島編】