もっと気軽に、子連れ旅 vol.2 ~初めての海外・ポートランドへ~

1週間特集
2018.05.29

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初めての子連れでの海外旅は、娘の青が生後1歳半の頃、夏のポートランド。東京で仕事仲間だった友人のライター瀬高早紀子さんと、ポートランドでコーヒー屋を営むジョエルの結婚式に参加することが旅の目的。宿泊は、友人達とairbnbで探し、一軒家をシェアすることにしました。

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子連れ旅は、滞在する部屋で過ごす時間がどうしても長くなりがち。キッチン付きでお家ごはんもできるステイ先を選ぶこともポイントです。このとき借りたのは、いつもは普通に家族5人が住んでいる庭付きの大きなお家。その家族は、私たちが泊まったときは、キャンプに出かけていました。宿泊者への条件はただひとつ、「飼い猫にごはんとお水をあげてください。彼女が外に行きたくなったときにドアを開けてください」


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滞在先に猫がいるなんて!!  そして家に到着したら、まさにさっきまで家にいました、という様子。冷蔵庫の中身もそのままになっていてとっても驚いたけれど、同時にとても興味深い体験でした。地元の日常の暮らしが垣間見えるairbnb、ホテルステイとは違う楽しさが味わえます。

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青は出発前、しばらく夏風邪が続いていました。それこそ直前まで行くべきか悩んでいましたが、近所の鍼灸師さんに小児鍼をしてもらったら劇的に改善。熱が下がり無事に出発することができました。鍼の先生に発熱時に家でもできるケアを教えてもらって、無理をしないことを一番に考えつつ準備をしました。

予想はしていたけれど、行きの機内はかなりグズり最初はかなり大変でした。でも夜便だったため、少ししたら眠りにつきました(長時間フライトの国へ行く場合、夜便フライトを選ぶことも、ポイントのひとつかもしれません) 。

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なんとか到着して、レンタカーでステイ先のお家まで。途中、地元のスーパーマーケットで、ランチ用にデリを購入することにしました。海外のスーパーは、彩り豊かなヘルシーなデリが充実しているところが多くて、サラダ、パン、パスタ、メイン、温かいスープまで、ビュッフェのように選べる楽しさがあります。

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気持ちよい晴天の下、ステイ先のお庭で猫ちゃんに見守られながらランチの用意。夏のポートランドのさらりとした心地よい空気感は最高で、そのとき感じた、「あ、この感じは久しぶり。私もやっと旅に出られたんだなあ!」という解放感と喜びは忘れられません。青も、ごはんをパクパク食べてニコニコご機嫌! 出発前に感じていたいろいろな不安は消えていきました。

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ゆっくりランチを楽しんでから、夕方から始まるパーティーの準備に出かけました。ふたりのウェディングパーティーは、持ち寄り(ポットラック)で公園で行われる、というまさにポートランド感溢れる手作りの素敵なパーティーでした。

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子供もたくさん参加していて、自由に駆け回ったり、ダンスをしたり……。祝福の時間はキラキラと光に満たされ、思い出すと今でもじんわり心が温かくなります。

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小さな青が覚えているか分からないけれど、彼女が生まれて初めて参加した結婚式が、こんな宝物のような時間だったことは、きっと心のどこかに残っているはず。

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いつか青も、こんな素敵なお式ができたらいいね……と、気が早すぎますが、私たち夫婦も初めてそんなことをふと考えたりして、自分たちも人の親になったんだなあ、と改めて実感した大切な時間になりました。

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翌日からは、ポートランドの街をゆったり観光。カフェでごはんを食べたり、川遊びをしたり……。その中で、実感したのは、赤ちゃん連れに対する街と人々の優しさでした。

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……と、昼間は驚くほど快調に進んでいた初めての子連れ旅ですが、最初の何日かは夜が大変でした! 昼間の刺激が強すぎるのか、毎日楽しすぎるのか、夜になるとワーーー!!と夜泣きが凄かったです。気持ちが穏やかになるように、カレンデュラやラベンダーのクリームなども使ってみましたが、収まるまで数時間、とにかく泣いていました。翌朝はケロっと起きて昼間はニコニコでしたが、夜はなかなか眠ろうとせず、無理に寝かそうとすると号泣……。私も夫もかなり睡眠不足になりましたが、それ以外は問題なかったので、このくらいは仕方ないなと割り切っていました。

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赤ちゃんと旅をしたときの夜泣き話は、けっこう聞きます。きっと、いつもより楽しいことや面白いことがたくさんあって、刺激的な毎日だからそうなってしまうのでしょうか。夜はちょっと大変ですが、でも、昨日よりも今日のほうが、覚えたての英語を話そうとしたり、肌の色や髪の色が違う人たちとも怖がらず近づこうとしていく様子に、日々の成長を毎日感じることができました。そして、ようやく夜泣きが終わった頃に、帰国、でした(笑)。

初めての海外旅は、こうして無事に終えることができました。小さなアクシデントはありつつ、友人たちとキッチン付きのお家に泊まれたおかげで、暮らすような旅ができ、大満足なファーストトリップに。なにより場所見知りと人見知りをしない青が頼もしく、これならまた一緒に旅に出られそう!! と、新たな旅への思いが生まれたきっかけにもなりました。

photo&text 砂原 文

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Profile

砂原 文

Aya Sunahara

フォトグラファー。雑誌や書籍、ウェブなど幅広い分野で活躍中。ハワイ・モロカイ島で過ごした日々、風景の写真を収めた作品集「pili」が話題に。2018年8月20~23日には、下北沢「fog linen work」2Fで、写真展「pili」を開催予定。
http://laaufilm.com/
Instagram「@trance_parence721」「@laaufilm_aya

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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