もっと気軽に、子連れ旅 vol.3 ~2度目のポートランド~

1週間特集
2018.05.30

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前回のポートランド旅で、結婚式をした瀬高さんとジョエルに赤ちゃんが生まれ、お顔を見に初めての母娘ふたり旅に挑戦することにしました。青の年齢は3歳半。長かったイヤイヤ期がようやく少し落ち着き、会話もできるようになった頃でした。

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期間は一週間。今回、宿泊は瀬高さんのお家に滞在をさせてもらうことにしたので安心です。前回は夫も一緒だったけれど、今回は初めての長期ふたり旅、飛行機は大丈夫かな? 昼間のパンツ、大丈夫かな? 風邪引かないかな? いろいろな不安は少しありましたが、とにかく行ってみよう! とワクワクしながら準備をしました。季節は9月半ば。ポートランドがまだ夏で、晴天が多い時季を選びました。

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旅支度にもかなり慣れた(?)娘の青。旅の相棒は、ぬいぐるみのくまのbooちゃんとオランウータンのうーちゃん。飛行機で読む小さな絵本やコンパクトな色鉛筆とノートも、自分で用意できました。

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3歳にもなると、機内ではキッズプログラムの映画を見ることもできるし、ごはんも自分で食べられるので、前回よりもずっと楽に過ごせました。機内備え付けのイヤフォンは子供の耳から外れやすいので、家にあったヘッドフォンを持参。トイレにも行くようになるので、機内では脱ぐのが簡単なサンダルで過ごします(冷えないように靴下は忘れずに……)。

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隣で青が、子供の映画を夢中で観ていたので、私も自分が好きな映画を見たり、読書をしたり、かなり気ままに過ごすことができました。なんという成長ー! いつも旅行のアレンジをお願いしている旅行会社さんに、乗り換えがないようにデルタ航空の直通便を手配してもらったので、眠りから覚めるとちょうどポートランドの空港に到着。およそ9時間のフライトですが、予想よりかなり順調に過ごせたと思います。機内を穏やかに過ごせただけでも、とても嬉しい気持ちに。

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空港に迎えに来てもらって、市内まで車でおよそ40分。空港から街までのアクセスもよく、ポートランド旅はこの点でも快適です。東京よりも少し肌寒さはあるけれど、目に映る緑が美しく、空気が澄んでいて気持ちいい!! 自然と呼吸が深くなる。ふたりでここに来られるなんてなあ……と気持ちいい風に吹かれながら、感慨深くなりました。

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家でひと休みしたら、さっそく街へ出かけてみます。瀬高さんの赤ちゃん(リョクちゃん)は、まだ生後半年、3歳半の青と4人の街歩き、さてどうなることやら……。

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ベビーカーにリョクちゃんを乗せて、街までは「MAX」という路面電車で移動することにしました。専用アプリでいつでも時間制乗り放題チケットを購入できる、というテクノロジーに驚きます。車内に乗り込むと、ベビーカーと幼児連れの私たちを見てすぐに、TATOOがびっしり腕に入ったB・BOY風の若者が、「オフコース!」とサッと席を譲ってくれました。見た目にドキドキしていたけれど、ほとんどの場合みんな優しい。彼のさりげない優しさに、ポートランドに来たなあ、と嬉しくなりました。

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瀬高さんの旦那さまが営む「クーリエコーヒー」で休憩しながら、ゆっくり街歩きを楽しみました。

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ちょうど秋薔薇が美しく咲いている時期。自然と街並みが調和したポートランドは、ただ散策するだけでも充分楽しいのです。

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途中、共同で借りている畑に案内してもらうことに。街中にこんなスポットがあるのも楽しいところ。

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夜は、「Dove vivi」というピザ屋さんへ! 地元の新鮮な食材がたっぷり入った、グルテンフリーのヴィーガンピザ。コーンミールが入ったサクサクの食感と素材の組み合わせが最高に美味しくて、以前訪れたときに「また絶対来たい!」と思っていたお店。写真のピザは、フィグジャムベースに、パンチェッタ、モッツァレラ、ゴーダチーズ、トレビスという、なんともお洒落な組み合わせ。

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キッズフレンドリーなこのお店は、子供が行くとかわいい塗り絵をプレゼントしてくれます。青もたーくさん食べて大満足です。

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翌日は、ポートランド在中のSATOKOさんに案内してもらって、郊外へショートトリップ。車で小一時間走ると、美しい湖と山、トリリアムレイクとマウントフッドに出会えます。とにかく絶景!

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街よりもさらに澄んだ空気と眩しい緑に包まれ、キラキラした光を追いかけてつい夢中で写真を撮っていたら、ハ! と気付くと、娘が湖に入り満面の笑みでバタ足をしていました……。もちろん、全部びしょ濡れ(笑)。子供とお外遊びするときのお着替えは2着以上持って行かねば、との思いを新たにしました。

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途中、青はマス釣りをしている女性といつの間にか友達になっていて、大きな釣れたてのマスを触らせてもらったり、地元の人との触れ合いも楽しみました。日本にいるときもそうなのですが、少し目を離すといつも誰かと友達になっている青です。頼もしくもあり、少し心配でもあり……。でも、色々な人と恐れずコミュニケーションをとれるのは素晴らしい才能だと思うので、このまま伸び伸びと育つといいな、と考えています。

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マウントフッドのロッジでは、夕景を楽しみながらこんな素敵なお食事が楽しめます。ここのチーズフォンデュは、なんと季節のフルーツが必ずサーブされるそう。今回は林檎。他はナッツ入りマッシュルームスープ、麦と葡萄のマリネ、林檎とゴートチーズとフィグのサンドイッチ。どれも新鮮で大変美味。ポートランドをはじめオレゴンでは、フルーツ使いにハッとさせられる料理に出会う機会が多かったです。

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自然にも、美味しいものにも、たくさん出会えて大満足な一日。SATOKOさんありがとうございました。

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翌日も自然散策へ。街から車で15分ほどの場所に住むYURIさんとそのファミリーに、近所の森に案内してもらいました。ダウンタウンからすぐのところで、こんな森に出会えるなんて、ポートランドの自然の豊かさを改めて感じます。

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この森では、「妖精のドア」が付けられている樹木がいくつかあり、そのドアを探しながら森林浴を楽しめるという、なんとも夢があるお散歩ができます。子供達もドアを見つけては大喜び。

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こうして散策するのにちょうどいいサイズ感の森が、少しだけ郊外に行くといくつもあります。

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夜ごはんは、日本でも人気の高い自然派レストラン「navarre」へ。「クーリエコーヒー」のコーヒーが食後に楽しめるこのお店。地元産のフレッシュな食材がふんだんに使用されたお料理が楽しめる、とてもお洒落なレストランですが、ここも店員さんが子供にとっても優しくて感激。私たちがワインと食事を楽しむ間、また、いつの間にか青は奥で抱っこしてもらっていました。

ポートランドでは赤ちゃん連れ、子連れのファミリーでも、こうしてお洒落なレストランで食事を楽しむ様子がよく見られました。もちろん、親が場所をわきまえた行動をとることが大前提ですが、こういう雰囲気に少しずつ子供が馴染んでいくことも大切な大人への階段なのではないかなあ、と感じました。

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他にも紹介したい場所はたくさんあるのですが……、中でも子連れにオススメなのが、「Westmoreland Park Nature Playground」というネイチャーがテーマの公園です。公園の中に湖や小川が流れていて、自然を復元した湿地帯に囲まれています。怪我をしないように足元にはウッドチップが敷き詰められていて、木のぬくもりや自然の生態系が体感できるように作られているピースフルな場所でした。遊具も木でできたシンプルなものばかりで、だからこそ繰り返して遊ぶ楽しみがありそうです。

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青は丸太を積み上げ、高く登れるようになっている遊具にトライ。いつの間にかてっぺんまで登っている様子に驚きました。「あおちゃんできるから見ててね!!」と、とても楽しそうで誇らしげな表情。いつもは公園で遊んでいる子供を待っていると、早く終わらないかなーなんて思ってしまう時もある私ですが、ここでは一緒に遊べて私自身も楽しんでいました。

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あと印象的だった出来事は、パーマカルチャー(パーマネント/永続性、農業/アグリカルチャー、文化/カルチャーを組み合わせた言葉)の農園をベースにした“森のようちえん”「Mother Earth School」に少しだけ見学に行ったときのこと。入り口から学校へ向かうワイルドな道を歩いている途中、青が木の棒を見つけました。当然、棒を振り回しながら歩く3歳半。「危ないからやめてーー」という私。

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そこへ、スタッフの男性が通りかかりました。私が「すみません!」というより早く、「いい棒を持ってるね、棒を持つのはとても大切なことだよ!」と青の目を見て言ってくれました。これには、かなり目から鱗が落ちました。誰かに迷惑をかけたり怪我をしたりしてはいけないけれど、それはやってみないと分からないこと。確かに「棒を持つのはとても大切なこと」で、持ってみなきゃ分からない。経験させる前に、いつもダメ、ダメ、と言っている自分に気づかされたひと時でした。

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森のようちえんは、園内の様子もとっても素敵で、いつか親子で体験コースに参加してみたい、という夢ができました。

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また、地元の素晴らしいスーパー「New Seasons Market」でも、子連れが買い物を楽しめる工夫がたくさんあって、「買い物をしにスーパーへ行くだけで、こんなに楽しいとは!」と、多くの学びがありました(詳しくは来週、瀬高さんが特集で語ってくれます!)。

夜は「パパに会いたい!!」と泣く事もありましたが、前回のような夜泣きもなく、昼間大いに遊んでいたので、かなりぐっすり眠ってくれました。街歩きの途中、お昼寝をしてそのままおもらしをしちゃうという惨事もありつつ、でも概ね楽しくハッピーに過ごせた旅になったと思います。

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まだ赤ちゃんのリョクちゃんとたくさん時間を過ごしたことで、自分はお姉さんでいよう、と青はかなりがんばっていました。そんな成長の様子は驚きでもあり、喜びでもありました。

私自身は「サスティナブル(持続可能)であること」「自然と調和して生きるということ」この2つが実践されている街、ポートランドで子供とともに、暮らすように旅ができたことで、ますますこの2大テーマに興味を深く持つようになりました。いつかもっと長く滞在して、より深く街と自然と生活の共存について学びたいと考えています。

明日は、何度も訪れているハワイ・モロカイ島への旅のお話です。

photo&text 砂原 文

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Profile

砂原 文

Aya Sunahara

フォトグラファー。雑誌や書籍、ウェブなど幅広い分野で活躍中。ハワイ・モロカイ島で過ごした日々、風景の写真を収めた作品集「pili」が話題に。2018年8月20~23日には、下北沢「fog linen work」2Fで、写真展「pili」を開催予定。
http://laaufilm.com/
Instagram「@trance_parence721」「@laaufilm_aya

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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