滋賀編vol.5 細やかな気遣いが随所にちりばめられた美しいシャツ「COMMUNE(コミューン)」
~「神保真珠商店」杉山知子さん~
photo&text:杉山 知子
今回紹介するお店は、自らを“町のシャツ屋さん”と名乗る、久米勝智さんのお店「COMMUNE(コミューン)」。ショップと工房が一緒になったお店は彦根城下町にあり、解放的な大きなガラス戸が目印です。
店内にはシャツをメインに、カットソーやジャケットなど、メンズとレディースの商品がバランス良く並んでいます。
実は「COMMUNE(コミューン)」の商品はすべて、店主の久米さんがデザインし、型紙を引き、生地を裁断。ミシンで縫製したあと、ボタンはひとつひとつ手作業で付けられています。初めて聞いたときはとても驚きました。
私も数年愛用しているのですが、こちらのシャツはとても着心地が良く、どんどん自分の体に馴染んできます。アイロンをかけなくてもよい気楽さの中に、どことなくキチンとした印象が漂うシャツ。どんなところにこだわって作っているのか、久米さんに教えてもらいました。
「例えばこの脇の部分、ロックミシンを使わずに全部縫っておさめてるんですよね。直接肌に触れる部分だから、出来るだけ綺麗に仕上げたくて」と縫い合わせの部分を見せてくれました。「このやり方が綺麗だと気づいてしまったら、作業が増えるとわかっていてもそうせずにはいられないんですよね。」と笑って話す久米さん。「COMMUNE(コミューン)」の商品の美しさや着心地の良さは、そんな久米さんの細やかな気遣いと服作りのこだわりから作り出されていました。
久米さんの接客はとっても気さくでやわらか。初めて入るお店は少し緊張するものですが、布を裁断したり、ミシンで縫ったり、ボタンをひとつずつ手で付けたりしながら、さりげなくとても心地良い距離感で商品の説明をしてくれます。
家庭では馴染みのないミシンや道具を見る事が出来るのも、このお店の楽しいところです。
新しいカタログも出来上がっていました。年に数回、東京や地方で販売会も行われていますので、ワードローブの定番を見つけに、ぜひ足を運んでみてくださいね。
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