小樽編 vol.3 醸造所で地元ワインのテイスティング「osa winery(オサワイナリー)」
今月の週末連載「地元のおしゃれさんが案内する小さな旅」は、北海道・小樽を特集します! 札幌から特急で30分ほどと行きやすいのもあり、以前から大人気の観光地ですが、知る人ぞ知る素敵なスポットもたくさん! そこで今回は、小樽観光協会の理事でもある「Zenibako style shop & gallery」の白鳥陽子さんに、おすすめスポットをご紹介していただきます。ちなみに撮影は、6月の「今日のひとしな」で「写真が素敵!」と話題だった札幌「SUU」さんが担当。素敵なコンビによる小樽案内、楽しみにご覧くださいね~。
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2015年、小樽駅から運河に向かう途中、色内通りから少し入ったところに、長直樹さん、真子さんご夫婦が営む「OSA WINERY」がopenしました。駅から徒歩8分ほどのところにあるため、観光客だけではなく、地元小樽や札幌からもふらりと立ち寄れる“まちなかワイナリー”。美味しいモノ好きが集う人気スポットになっています。
古い石蔵を利用し、1階はステンレスタンクが並ぶ醸造所、2階はカウンターと大きなテーブルのあるshopとテイスティングバー。白木やステンレスを使った内装で、古さと新しさがほどよく混在し、カジュアルながらも落ち着いた空間です。
長さんは、福岡出身の若き醸造家。どうして小樽でワイナリーを? と尋ねると、「香り高いブドウのできる産地を探して全国を訪ね回り、最終的に辿り着いた場所が小樽だったんです。小樽郊外は道内でのブドウの一大産地。畑にも消費地にも近く、自然豊かで食文化のレベルも高い小樽は、自分たちにぴったりの場所でした」と答えてくださいました。
ワイン造りのテーマは「幸せのワイン」。ワインのあるシーン、ワインとともに囲む食事を通じて、世界中の人々を幸せにすることを楽しもう。おいしいワインで乾杯、笑顔の人々を増やしていけますように。こんな想いが込められているようです。
「食を引き立てるブレンド」が信条の長さんご夫婦は、お二人とも元ソムリエ。その経験により、飲み手が食事とともにどのようにワインを愉しむかを考えて醸造されています。
「OSA WINERY」のワインは、築100年ほどの石蔵の分厚い石壁で、気温と湿度を安定させ醸造、貯蔵し、丹精込めて造られています。エレガントで、採れたての果実そのもののようなフレッシュな香りが際立つ白ワイン造りが主体ですが、シャープな酸と華やかな香りが魅力の辛口の白ワインを中心に、スパークリングやロゼなど、長さんの想いのこもった新しい商品が次々と生まれています。ワインの原料は、近隣の契約農家のブドウ。今年は初めて小樽の自社ブドウ畑で採れたものを使った醸造も行われたそうで、来年の小樽産ワインの誕生が待ち遠しく、出来上がりが今から楽しみです。
「OSA WINERY」の定番白ワインは「O(オー)」。「家庭料理を引き立てる」をコンセプトに仕上げられ、親しみやすいやや辛口です。
そしてもう一つ、今回ご紹介したいのは「tabi」。小樽発祥と言われる「旅路」というブドウを使い、小樽の美味しいお寿司に合う食中酒として造られています。スッキリとしながらも優しく品の良いワインは、お寿司や刺身などシンプルな料理をより美味しくしてくれます。この味わいはきっと、小樽の旅を想い出深くし、持ち帰って余韻に浸らせてくれるものになるでしょう。
2階のshopでは、予約制でお寿司と一緒にワインを愉しむことも。小樽市内でも「OSA WINERY」のボトルが並ぶお店もあるので、店内で教えてもられば、小樽の旅がさらに楽しくなりそうです。また、ボサノヴァやジャズなどを奏でる長さんならではの、ワイン片手に愉しめる音楽イベントや、カメラを持って小樽界隈を歩く撮影会、フラワーリースのワークショップなど、長さんが企画した楽しいイベントが不定期で開催されています。
長さんは人懐っこい柔らかな表情が印象的な方ですが、お話しするとワインへのものすごく熱い情熱が伝わってきます。まわりの人を楽しく巻き込みながら素敵にお仕事する姿は、小樽に来て3年とは思えないほど、沢山の方に愛され、街自体もその存在で刺激されているように思います。私にとって、頑張って仕事しようと思わせてくれる長さんの造るワインと空間。小樽を訪れたら是非、寄っていただきたい一軒です。
text:白鳥陽子(Zenibako style shop & gallery) photo:上田志帆(SUU)※畑の写真以外
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MAP:Ⓒ
北海道小樽市色内1-6-4
TEL:0134-61-1955
http://osawinery.com
2Fのワインショップ&テイスティングバー
営業時間:13:00~19:00
営業日:金・土曜(不定休あり。季節や仕入状況で営業日が変わるので、HPや電話で確認を)
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