福江島編vol.4 昔ながらの趣を味わえる「竹の家旅館」の日帰り温泉

地元のおしゃれさんが 案内する 小さな旅
2019.11.23

地方在住のおしゃれさんに、地元のとっておきの場所を案内していただく人気連載「地元のおしゃれさんが案内する小さな旅」。今月ご紹介するのは、2018年にユネスコ世界遺産に正式登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の主要スポットの一つとして注目を浴びている、長崎県の五島列島。教会以外にもきれいな海や山などの自然が豊富で、新鮮な魚介類やブランド牛の五島牛などおいしい食材もたくさん。のどかで穏やかな島の雰囲気が気に入り移住する人も多いそう。

5つの島からなる五島列島の内、今回ご紹介するのは一番大きく島の中心部でもある福江島。案内してくれるのは、ゲストハウス「ネドコロノラ」のオーナーである廣瀬愛さんと牧山萌さんです。ゆったりとした島時間に魅了され移住をしたお二人が、都会の喧騒から離れリフレッシュできる福江島のとっておきスポットをご紹介してくだいます。

←vol.3はこちらから

*************

今回は、「ネドコロ ノラ」のご近所にある「竹の家旅館」の日帰り温泉をご紹介します。

s1
ノラがある荒川地区は、温泉が湧き、かつては多くの漁師が船を寄せ、商店や遊郭が立ち並ぶ活気あふれる港町だったそうです。町を歩くと、当時の雰囲気を残す建物が残っており、レトロな町並みを楽しむこともできます。今も数件の民宿や旅館が残っていますが、その中でも特別に風情があり、情緒たっぷりなのが「竹の家旅館」です。

s2
「竹の家旅館」には、嫁入りから60年近く女将を務めたおばあちゃんがいます。長年頑張ってきましたが、2016年に常連のお客さんたちから惜しまれつつ閉業しました。しかし、この冬に大阪からお孫さん夫婦が帰ってきて宿を継ぐことに。現在は、おばあちゃんからお孫さん夫婦にバトンタッチをする準備をしつつ、じわりじわりと営業を再開しています。

s3
s4
創業から60年以上になる「竹の家旅館」は、木造の立派な建物で、随所に美しい建具が施されています。扉や窓は木サッシ、水まわりは可愛いタイル張り、雀が描かれた襖など、まるで昭和初期にタイムスリップしたよう。いたるところに旅館の長い歴史、おばあちゃんが大切にしてきた証が残っています。

s5
荒川地区は、島内で唯一高温の自噴泉が湧いている、足湯や公衆浴場もある温泉地です。泉質は塩化物泉で、泉温63.5℃、無色透明のさらっとした爽やかなお湯です。温度が高いので、体の内側から温まります。特に、冬場は上がった後も体が芯からほかほかと温まっている感じがして、寒い日に温泉は欠かせません。この町のおばあちゃんたちが元気でお肌も綺麗なのは、この荒川温泉のおかげに違いないと思っています。

そして、「竹の家旅館」には、源泉掛け流しの温泉に入れるタイル張りの可愛らしい浴室が2つあり、そちらで日帰り温泉を楽しむことができます。貸し切り温泉風呂なので家族や友達同士などでゆったりと湯に浸かって、気持ちのいい時間を満喫してください。事前に予約をしてもらっても、ふらっと立ち寄っても大丈夫ということなので、気軽に訪ねてみてください。現在、営業時間は特に定めず、柔軟に対応してくれるそうです。

s7
「竹の家旅館」を継ぐのはセンスあふれる20代の夫婦。おばあちゃんが作り上げてきた空気も大切に、新しいサービスなども取り入れたいとやる気に満ちています。日帰り温泉以外に、宿泊も可能なので2020年からの新生「竹の家旅館」をお楽しみに!

s6
前回までに紹介してきた釣りや夕日以外にも、荒川地区周辺、福江島の西側には、九州100名山のひとつ七岳山や日本の水浴場88選に選ばれた高浜海水浴場、映画「悪人」のロケ地となった大瀬崎灯台など、見どころがたくさんあります。山や海のレジャーを楽しんだり、ドライブしたり、気に入った場所を見つけてのんびりしたり、思い思いに島を満喫した1日の終わりに温泉に浸かって疲れを癒してはどうでしょうか。五島列島、福江島でお待ちしています。

photo:竹の家旅館・なかのゆうな text:廣瀬 愛、牧山 萌

←その他の福江島編の記事はこちらから

←連載「地元おしゃれさんが 案内する 小さな旅」はこちらから

竹の家旅館

日帰り温泉 大人300円、子ども150円
長崎県五島市玉之浦町荒川133-3
TEL:0959-88-2026
takenoya-inn.com

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

ページトップ