宮崎編vol.4 水餃子と新鮮な野菜のおかず「BOOZA(ブーザ)」

地元のおしゃれさんが 案内する 小さな旅
2020.01.25

宮崎牛やチキン南蛮、完熟マンゴーなど豊かな食材の宝庫でもある宮崎県。おいしい食事と南国ならではの大自然に癒される旅がおすすめですよ。
最近、宮崎市にはおしゃれで面白いお店が続々とオープンしているそうで、そのホットな情報を教えてくれるのは、オーダー家具と木工品、雑貨のお店「クローナ」の店主・大島純子さん。14年前から宮崎市でお店を営んでいる大島さんだからこそ知っている、地元の人に長く愛されているお店から最新のおすすめスポットまで、たっぷり教えていただきます。

←vol.3はこちらから

*************


宮崎編最終回となる4回目は、宮崎駅から徒歩5分の場所にある「BOOZA(ブーザ)」をご紹介します。BOOZA1BOOZA2
「BOOZA」は店主の後藤久美子さんと仲のいいスタッフさんで営む水餃子と野菜料理の定食屋。カウンターのみの小さなお店です。美味しくて体にいいものに敏感な宮崎の女性なら、このお店を知らない人はいないのではないでしょうか。
5年前に初めてこの店名「BOOZA(ブーザ)」を聞いた時、何語かわからない斬新な響きに一瞬で興味を持っていかれました(※ちなみにブーザは造語だそうです)。そしてこの無骨で力強いイメージとは裏腹に、食事内容は水餃子と野菜料理ときたからには、もう絶対行きたくなりますよね。

BOOZA9BOOZA7BOOZA6

店主の後藤さんは野菜をたくさん使った料理を提供するお店がやりたかったそうです。そこで思いついたのが餃子。餃子は野菜メインであることはもちろん、すべての栄養素が入ったバランスのいい完全食なんだとか。
焼き餃子も美味しいけど、よりヘルシーで女性が気軽に一人でも入れる定食屋を目指して水餃子に決定しました。水餃子の皮はもちろん手作りで、その時期の旬の野菜を練りこんだアレンジ餃子は見た目にも鮮やかです。(この日のアレンジ餃子は人参カレー風味でした!)
ランチメニューは「定番水餃子定食」と「アレンジ水餃子定食」の2つ。水餃子の他に、野菜のおかず3種・ご飯・スープが付きます。BOOZA13BOOZA3

そしてこの野菜のおかずは毎日日替わりで、宮崎の農家さんから直接仕入れるその日の野菜を見て献立を決めるのだそう。夜ご飯のメニューですら思い悩む私にとって、この日替わりメニューには頭が下がります。同じ食材であっても工夫を凝らして違うメニューにするのは、いつも来てくれるお客さんを飽きさせないようにとの配慮と野菜の可能性を追求する店主の職人魂の為せる技。愛されるお店には、こういう小さな気配りと努力が必ずありますよね。
この日もオープンと同時にお客さんがなだれ込み、店内が一気に活気付く様を見ながら、お店はお客さんという配役が加わって初めて命が宿るんだなと感じました。やや大音量で流れる山下達郎をバックに、みなさんホクホクした顔で水餃子を心待ちにしているようでした。BOOZA10

また週に一度土曜の夜は”夜ブーザ”と称して、立ち飲み屋さんになります。yorubooza1

夜ブーザでは、昼間のメニュー同様お野菜たっぷりながらも、さらにお酒に合うメニューが並びます。立ち飲みのいいところは、たまたま隣り合ったお客さん同士が気兼ねなく仲良くなれるところ。そんな出会いの瞬間に立ち会えることが何より嬉しいのだそう。

yorubooza2 yorubooza3

ブーザを始める少し前に知人の紹介で2年ほどパン屋で働き、その時に小麦粉が自由に変化していく様にひかれ小麦粉の魅力にすっかりハマったんだとか。また野菜のことをもっと知りたいと1年間農家さんのもとで働き、野菜を育て出荷することの大変さを知り、農家さんと野菜への尊敬の念も一層深まったそうです。
そんな一見バラバラにも見えるピースがピタリとハマって生まれたのがブーザの水餃子だと知ると、美味しさも倍増しますね。生産者さんのところへ時間を作って出向き、直接お会いしていろんな話を聞くことにも余念がない後藤さんは、「生産者さんが美味しい野菜を作ってくれるから自分はこうやって商いができている」と繰り返しお話しされていました。その思いを胸に今日も後藤さんは野菜と向き合います。

そして去年の4月にブーザの姉妹店となる「フダンヤ」というお店がオープンしました。
ブーザが普段使っている野菜などの食材や調味料の美味しさをもっと多くの人に伝えたいという思いがあり、それは店内の至る所に手書きで作られたポップでよくわかります。hudanya1 hudanya2 hudanya5
また人気のブーザ弁当も販売されていて、この日私もギリギリ買えましたよ。BOOZA14

「この食材はこんな使い方ができます」「これを加えると味が良くなりますよ」と、ここは料理好きの食いしん坊さん達の情報交換の場にもなっているようです。ただ、今後また新たな展開を考えている後藤さん。路面店というお店の形態を今年は少し変えるそうです。新しいスタイルのフダンヤもますます楽しみですね。

4回に渡って担当させてもらった宮崎編もそろそろおしまいです。ご紹介したいお店がたくさんあり過ぎて困りましたが、結果いいお店をご紹介できたのではないかなと満足しています。振り返ってみると、店主の人柄がそのままお店になっている所を無意識に選んでいたようで、それは嘘がなく実直であること、それ以上でもそれ以下でもなく自分のお店を楽しんでいること、そんなお店と店主さん達でした。

宮崎には広くて綺麗な空、海、山、美味しい食べ物、そして素敵なお店もたくさんあります。宮崎へお越しの際は是非参考にしてくださいね。
どうもありがとうございました!

text:大島純子

←その他の宮崎編の記事はこちらから

←連載「地元おしゃれさんが 案内する 小さな旅」はこちらから

水餃子と野菜とごはん BOOZA(ブーザ)

MAP:
宮崎県宮崎市広島2丁目3の10
TEL:0985-28-8382
営業時間:火~金曜11:30 〜 14:30L.O(なくなり次第終了)、土曜18:00~22:00L.O
定休日:月・日・祝日
http://www.booza593.com/
Instagram:@booza593

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

ページトップ