佐賀編vol.2 彼方からの贈り物を探しに。女性ふたりが営むこまもの店「12(ドゥーズ)」
古代の遺跡や伝統工芸品の肥前びーどろ、江戸から大正まで時代の異なるレトロな建築物を楽しめる歴史民族館など、佐賀市は悠久の歴史を感じることができる街。ゆったりとした空気が流れる、ノスタルジックでおしゃれなお店も、実はたくさんありますよ。
案内役は古書店で働きながら自家製パンの販売も行うなど、幅広く活躍している一ノ瀬さん。選りすぐりのスポットをご紹介してくださっていますので、お出かけの参考にしてみてくださいね。
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こんにちは。第2回目の今日は、前回ご紹介した「PINEBOOKS(パインブックス)」より西に歩いて60歩、フランスで買い付けた古いものや洋服などが並ぶお店「12(
店主自ら、年に2回フランスなどヨーロッパへ渡り、本当に好きなものだけを集め、私たちの暮らしにちょっとした喜びや楽しみを与えてくれている「12」。扉の向こうにはどんな世界が広がっているのでしょう。そっと足を踏み入れます。
扉を開けると目に飛んでくる、美しく並べられた器たち。人の手をわたって大切にされてきた器は、どんなお料理もおおらかに受け止めてくれそうです。所狭しと並べられたテーブルからは、色とりどりのお料理、人々の笑い声、楽しい食卓の風景が思い浮かびます。
古いもの、新しいもの、用途が分からないもの。いろいろなものが混在する店内。どこからやって来てどういうふうに使われていたのか、そこにはない景色やシチュエーションを想像するのも楽しいもの。何に使えるのかな?と思うものほど、使い方は無限大、かもしれません。
光の陰影が美しい小部屋。古く愛らしいこまものたちは、遥か彼方からの贈り物のようです。
天然染めの服、ほころびがご愛嬌の服、ギャザーが美しい手縫いの服。時には店主が手を入れることもあるのだそう。古くいい塩梅にくったりとした服たちは、長い眠りから目覚め、再び袖を通されるその時を待っているようです。
おいしい時間を大切にするおふたり。月に数回お菓子やパンが届き、作家やアーティストの展示会のときには、特別な美味しいものがやってきます。私が焼くパン「gouter」も月に2度お邪魔しています。
時には小さな演奏会や食事会も。日が暮れた後の店内はとても幻想的で、あの日あの夜、一度だけの空間は、懐かしい記憶と共に深く心に残っています。
時間の経過が生み出した、時の欠片たち。長い間大切に受け継がれたものもあれば、どこかに転がっていたものもあるかもしれないけれど、いくつもの旅を経て、またここから新しい物語が始まります。連れ帰った店主にそのエピソードなど聞きつつ、お気に入りの一品を探してみてくださいね。
佐賀県佐賀市大財4-1-59
TEL:070-5278-6724
営業時間:11:00-18:00
定休日:月曜
facebook:@12douze.2femmes
Instagram:@12_douze
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