‟とろみ”のある透明感 三浦侑子さんの美しいガラスの器

今日のひとしな
2020.10.31

~「ツクリテ」よりvol.31 ~

さて、本日でいよいよ連載も最終日となりました。長かったようであっという間の一か月間。最終日は、この連載の終わる頃にお取り扱いが始まる三浦侑子さんのガラスの器をご紹介したいと思います。

三浦侑子さんは、岡山県の長閑な自然の広がる場所で、同じガラス作家であるご主人と娘さん、愛犬二匹と共に暮らしながら吹きガラス工房「Bamboo Glass 」を営まれています。「Bamboo Glass 」の由来は、愛犬の名前ちくわちゃんから取ったものだとか。由来が可愛すぎますよね(笑)。

三浦さんは、1982年大阪府生まれ。京都造形芸術大学に在学中、ガラススタジオ「Aaty」で吹きガラスをはじめられました。卒業後、富山ガラス造形研究所造形科にてガラスの基礎知識を学び、磐田市新造形創造館(静岡県)ガラス工房スタッフとして5年間勤務したのち、2014年に吹きガラス工房「Bamboo Glass」を始動されました。現在は、クラフトフェアや展示会を中心に活動されています。

お取り扱いが決まってからご挨拶を兼ねて私が三浦さんの工房を訪れたのは、2020年が始まったばかりの1月。まだ、その頃は今のような世の中の状況になるとは思ってもなかった頃です。

長閑な田舎の風景に突然現れる、三浦さんの工房兼ご自宅。もともと喫茶店か何かの跡を改装された建物は、古さを活かしつつすっきりと整った印象でとてもセンスを感じられるものでした。そこへにこやかに迎えてくださった三浦さん。緊張が一気に吹き飛ぶような雰囲気の、気さくでお話ししやすい、まあるい印象の方でした。

工房では、作品も沢山見せていただきました。はじめて三浦さんのガラスの作品をInstagramで見かけた時、心が震えたのを今でも覚えています。

三浦さんのガラス作品は、透明なものとスモークと呼ばれる少しグレーかかったものの二種類で作られています。特にスモークは生で見るとほんとに大人っぽくてかっこいい……。「ガラスは透明なものに限る」と、勝手に決めつけていた私の概念が一瞬でどこかへ行ってしまいました。

三浦さんのガラスはとろみのある透明感があり、光に透かすととても美しい。「どうしてこんなにも美しいのだろう」と何度も何度も手に取ってはため息をついたのが、つい最近のことのようです。

作品の並ぶギャラリースペースのすぐ隣に工房がありました。綺麗に整った工房はとても印象的で、「工房」というと、もっと雑然とした場所を想像していたので驚きでした(勝手な工房へのイメージですみません……)。

その整然とした工房で生み出されているガラスの器の数々、その中から店頭へお迎えするものを悩みつつ選び、注文して帰りました。あれからようやく。もうすぐ三浦さんのガラスの器たちが届きます。

一足早く届いた何点かの器。一足先に使わせていただいています。もう最高です。フルーツもサラダもお刺身も……まるで魔法がかかったように、何を載せても美味しそう。食卓も陶器のお皿だけ並べるより、ガラスの器を一緒に並べることで食卓に動きも出るし、雰囲気もぐっと引き締まります。特にガラスはどんなものとも相性がいいので、あれやこれや色々と試してみるのもいいのではないかと思います。

オーバル皿(M) ¥4,500+tax

リム皿(M) ¥3,800+tax

三浦さんのガラスの器、ぜひ手に取りご覧いただきたいです。入荷などのお知らせはInstagram・Facebookでお知らせいたします。

ハットボウル ¥2,500+tax

ついに最後となりますが、1か月という長い期間、お付き合いくださり読んでくださった皆様。本当に有難うございました。拙い文章で上手くお伝え出来たのかと不安になることもありましたが、毎日とても楽しく書かせていただきました。こんなにたくさんの文章を書いたのは小学校の作文以来じゃないかな……。とても良い経験でした。サポートしてくださった編集部のみなさまにも心より感謝いたします。

私のお店は、皆さまの‟日常の延長”でありたいと思っています。暮らしに必要なものからご自分へのご褒美、大切な誰かへの贈り物。困った時に自然と足が向くようなお店。日々の暮らしの支えになるお手伝いがほんの少しばかりでもできるなら光栄です。ささやかでも幸せな日常へ願いを込めて。

1月の岡山の旅の途中、丘の上のカフェ「belk」へ立ち寄りました。夕方近く、曇り空だったその日。席に座ってしばらくした頃、曇り空だった空に光が射し始めました。この時見た景色、曇り空の合間から瀬戸内海に射す光の柱。

いまだにその光景が忘れられません。まるで希望の光そのものでした。この時のことはなんだかとてもふわふわした気持ちのいい記憶として残っています。

では皆さま。またお会いできる日を楽しみに。私は門司の片隅にていつでも皆さまをお待ちしております。

 

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ツクリテ

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