トルクメン族の秋色ジュワルでインテリアに奥行きを

今日のひとしな
2021.10.13

~ 「エイトデイズ」より vol.13 ~

トルクメン族は生活の道具を絨毯で作成するのに最も長けた部族で、敷物だけでなく袋やテントベルトなど、生活必需品をパイル構造の絨毯で織ってきました。こちらも昨日同様キジルアヤクと呼ばれる支族が織ったもののようですが、見比べてみると色目や文様にかなり違いがあります。同じ支族でも地域によってかなり違いがあるようですね。このラグは縦横に並んだ8角形のギョル(家紋)よりも、その横にある米印のような セカンダリーギョルの方が目立っているのが特徴です。 文様自体は典型的なデザインですが、ちょっと珍しいテイストのジュワル(大型の収納袋)です。



もともと袋だったため 、通常の敷物用の絨毯と違って長い方にフリンジ(たて糸)が付いています 。たて糸はラグを見る際の重要なポイントにもなります。


トライバルラグは羊毛やラクダの毛などで織られているのがほとんどですが、村で織られたヴィレッジラグと呼ばれるものの中には、たて糸にコットンを使ってるものもあります。綿花は買わなければ手に入らないものですので、遊牧生活の中で織られた絨毯にはあまり見られないようです。もちろん古くから定住している部族も多いので、コットンを使っていることが絨毯の良し悪しに直接関係するわけではありません。ただバルーチやトルクメンに関しては、出来れば羊毛や山羊、ラクダといった素材によるラグを選ぶ方が、間違いがないように思います。


こちらは60年から80年くらい前の物と思いますが、袋だったので状態がよく、パイルは新品のようにふさふさです。お値段も抑えめなので、おすすめです。

パイル織り 羊毛  172x105cm 20世紀中頃

 

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