美しさに心奪われるアンティークのプレイヤーラグ

～ 「エイトデイズ」より vol.15 ～

天然染料による深いブルーが美しい、バルーチ族のプレイヤーラグです。

プレイヤーラグとは一日に5回行われるイスラム教の礼拝の際に敷いて使われる絨毯で、メッカに向けてお祈りするための方向性のあるデザインになっています。敷物に限らず、定住者は壁に掛けたり、来客中のお客様へのおもてなしとして差し出す場合もあるようです。

最初に輸入元の「tribe」榊さんからこのラグの写真が送られてきた時には、あまり気を引くものではないように感じましたが、現物を見た時にはその素晴らしさに驚きました。ウールの柔らかさ、そして織目の美しさに心を奪われます。あまり見かけないような幾何学的な模様で、天然染料の深みのある色あいとも相まって、少し神聖な気分にさせられます。黒・濃紺・深いエンジ色、そして明るい茶系の色。褪色もほとんど無く、素晴らしいの一言です。黒も鉄媒染による摩耗が見られるので天然染料のようです。ウールには独特の艶があり、光の加減で色の見え方も違ってきます。

100年を超えるアンティークです。中央部分に一部修復が見られますが、全体的なコンディションは良好です。修復師による丁寧な修復は、それが素晴らしい絨毯であることの証のようにも思えます。ホラサーン地方の質の良い羊毛が使われているので肌触りも抜群です。祈祷用絨毯は丁寧で思いのこもった物が多く、サイズも程よいため世界中の絨毯愛好家のコレクションの対象にもなっています。

榊さんもこのプレイヤーラグについて、これまでにあまり見たことのない色彩とデザインだとおっしゃられていました。すでに何枚かお持ちの方にも是非お勧めしたいトライバルラグです。

パイル　羊毛 138x107cm 19世紀末  SOLD

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