色彩豊かなカシュガイ族のキリム

今日のひとしな
2021.10.20

~ 「エイトデイズ」より vol.20 ~

今日はカシュガイ族のキリムをご紹介します。

カシュガイ族はイラン南部のファルス地方を中心に移動生活を行なう遊牧民ですが、起源は シャーセバン族やアフシャール族と同じトルコ語系部族です。そのルーツは11~12世紀に中央アジアから移動してきた、オグズ族を先祖に持つ人々と考えられています。彼らはギャベを織る遊牧民として日本での認知度も高いですが、実はキリム、ジジム、緻密な柄の絨毯など、様々な織物技術を持っています。今回のキリムもカシュガイらしい、華やかで明るい色彩と大胆なモチーフが特徴的です。


80年代以降のコンテンポラリーギャベをご存知の方ならば、このキリムのデザインは当時のギャベと類似している、と感じられるのではないでしょうか?手元にある本によると、カシュガイ族の野営地で多く使われていたのはギャベではなく、このようなキリムであったようです。彼らのキリム織りは、手の込んだパイル織りよりも比較的シンプルな柄のものが多く「これらのデザインを商業的に作られるようになったギャベに応用したのではないか」と本には書かれています。また実際にギャベを多く織っていた遊牧民は、お隣のルル族であったそうです。

100年以上前のアンテイークですので、使い込まれて柔らかくなっています。鮮やかながら落ち着いた色彩感覚が、カシュガイらしさを感じさせます。

キリム(綴れ織り)175x135cm 19世紀

 

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