～「blank+」より vol.8 ～

日本茶を淹れる道具、急須。かつてはどこの家庭にもひとつはあったお茶を淹れる道具ですが、今ではティーバッグなど簡単に日本茶を淹れられるツールも増え、急須がなくてもお茶を楽しめるようになりました。ティーポットを代用して使う方も多いかと思います。

そんな現在の暮らしに馴染む、シンプルなデザインの急須を探していた時に出会った「えんける道具店」の急須をご紹介します。

古くから焼き物の産地として知られる愛知県常滑市は、急須の一大・生産地として知られています。常滑の陶土に含まれる鉄分は、お茶のタンニンと反応し渋みをやわらげたり、お茶の中の余分な不純物を吸着してくれる性質があり、まろやかなお茶を淹れることが出来ます。

また、常滑急須は「すり合わせ」の完成度が高いことで知られています。

「すり合わせ」とは急須本体とフタが重なる部分。隙間なく急須内の気密性を上げることで茶葉を十分に蒸らすことができます。

蓋と本体をすり合わせて密着させる工程「蓋すり」は、常滑焼の急須づくりには欠かすことの出来ないの技術のひとつ。このような工程を職人さん一人一人が、何度も何度も繰り返しておこなうことで、工程ごとに精度の高い手仕事が受け継がれ、精巧な急須をつくるための技術が継承されてきました。

お茶を美味しく淹れるために培われた技術と歴史が詰まった急須で、日本茶の美味しさを改めて味わってみませんか？

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