やっとやっと！　ついに見つけた、納得のいく包丁

～「LADER」より vol.30 ～

包丁を選ぼうとしていた時、「鋼材の種類」と「施されてる加工」をひたすら比較してたんですけど、なんとなく楽しい作業じゃなかったんですね。それがなんでかなって考えたら、実感がなかったんです。

モニターの中のデータを見漁るだけで、他の道具の時みたいに実際に使って「ここがこうなってない方が良さそうだから、そういうのを探してみよう」というように、実感に基づいて「自分にとってのより良い形」を探ってる時のような手応えがなくて、ただただ時間が過ぎていく感じでした。

同じレシピを見て同じ料理を作っても、作る人によって味が変わるように、たとえば「鍛造」や「刃付け」という加工をするにしても加工技術によって結果が変わるはずですけど、それは使ってみないとわからない。でも、さすがに気になる包丁を片っ端から買って使ってみるには数が多過ぎました。

それに、有名な包丁メーカーも今では自社では作らず外注に出してるなんて話もあったりして、「実際どうなのよ？」という見通しの悪さも包丁選びを難しくさせました。

そうして、もう包丁の取り扱いはあまり考えないようになっていた頃に、包丁メーカーから製作依頼を請ける、実際に包丁を作っている工場が自社ブランドを始めるということでご連絡をいただきました。

作ってる人から直接話を聞ける、こんなに風通しのよい関係はありません。しかも、めちゃくちゃ職人気質でご自身が表に出ることを望まれていないので、代わりにしっかり価値を伝えなくちゃと思えたのもよかった。その後いろいろお話を伺い、実際に使ってみて気になる点を変えてもらい、晴れて取り扱いがスタートしました。

見た感じ、普通なのが「LADER」らしいなと思います。待った甲斐がありました。

オンラインショップはこちらから

←その他の「LADER」の記事はこちらから
←その他の「今日のひとしな」はこちらから