東西ドイツから時を経て 花器いろいろ、使い方もいろいろ

今日のひとしな
2022.12.26

~「LIFETIME」より vol.26 ~

戦争は嫌いです。しかし、是か非かは別問題として、軍事産業から生まれた技術や、戦後復興における産業の発展の中で作られた魅力的な製品はたくさんあります。


(時空を超え、東西ドイツからやってきた花器)

本日ご紹介するのは 1950 年代から 1970 年代に作られた東西ドイツの花器。ベルリン在住で目利きの友人がマーケットで買い集めた中から状態の良いものを、決して数は多くはありませんが販売しています。


(コレクターに人気の Ruscha313)

第二次世界大戦後、ドイツは陶器産業やガラス産業を国策として取り組んでいたようです。政治的には東西に分かれるも、お互いの色で発展しました。特に、西ドイツは資本主義の急成長の時代背景もあり、100 以上のメーカーや作家が存在していました。


(左が東ドイツ製、右が西ドイツ製)

中でも、近年、世界的に人気が高まっているのが、主に 1950 年代から 1960 年代に制作された FAT LAVA(ファットラヴァ)という、溶岩のような釉薬を使った陶器。溶岩が流れているような姿だったり、マグマのような赤だったり。


(ラウシャグラスと呼ばれる薄いガラス花器)


また、ガラス製品にも特長的なものが。当時、東ドイツには産業にも独自のシステムがあり、VEB(※)という国営企業が各地に設けられ、地域ごとに異なった産業がを行っていました。(※)VEB=Volkseigener Betrieb(国有/人民会社/事業)東ドイツの国営企業

当製品は、1960 年から 1970 年代に、ガラス産業が盛んなテューリンゲン州ラウシャで吹きガラス職人によってつくられた、薄く繊細なガラス花瓶。流線的、近未来的なフォルムに当時流行したスペースエイジデザインを垣間見ることができます。


(ベルリン在住の友人曰く、白磁は入手が難しくなってきたとか)

その他にも、1960 年代から 1970 年代には、自然や化石などネイチャー(自然回帰)デザインがあったり、オプアートを見事に陶器に落とし込んだ逸品に出会うことがあります。


(実物は重厚感があるガラスの一輪挿し)

斬新な花器を前にして「何をどう活けたら良いかわからない」というお客様も多くおられます。毎度同じようなことを書きますが、花器だから花を活けなければいけないというルールはなくて、何ならオブジェとして単体を飾るだけでも十分個性的です。


(日用品だけで非現実的なオブジェに。撮影/Studio Ausgang)

フラワーショップで買った一輪の花を、お気に入りの花器に活け、玄関に飾るだけで四季を感じることができます。疲れている時は、心が和らぐのを感じていただけるはずです。お花は数百円あれば手に入りますしね。庭で育てた花をドライにして飾っても良いですよ。ぜひ忙しい人ほど取り入れて欲しい習慣として、お勧めです。

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