“カレーライスのような”椅子を目指した「Nychair X」

～「soup. 」「soup. Life Store」より　vol.3～

1970年に新居 猛（Takeshi Nii）により作られた折りたたみ椅子の名作は、見た目はとてもシンプル。
ステンレスのパイプフレームにキャンバス生地が一体になった座面と、木の肘掛けから出来ている椅子は、座って実感する座り心地の良さに名作たるこだわりが隠されています。
そんな名作「Nychair X/ニーチェアエックス」のこだわりをご紹介させていただきます！

デザイナー新居 猛は「座り心地を落とさず、とにかく安く。道具のように役に立ってこそ椅子」という信念のもと、自転車のように気軽に使われ、カレーライスのように多くの人々に愛される椅子を目指し作られました。

人間工学という考えがまだ一般的ではなかった時代に、理にかなった構造を編み出したところにもニーチェアの凄さがあります。
ニーチェアの名付け親ともなった島崎 信・武蔵野美術大学名誉教授は新居 猛について
「素材の特徴をしっかりと認識し、最良なものを得られるように、試作時にはキャンバスを水の中に入れて湿らせ、自分の足でギュッギュッと伸ばしながら、ちょうどいい張り具合を探っていたそうです。座ったところが自然にたわみ、身体をすっぽりと包むように適度な張りをつくりだすキャンバス地を開発。また交差する脚は、座って体重をかけることで十分に開き、しっかりと安定するというように、人の身体と家具のかかわりをきちんと考えた設計なのです」と語ります。

当時は畳敷きのお部屋も多く、畳に跡が付かないよう脚部もパイプを曲げた構造になっています。新居猛が自らこだわったキャンバス生地は身体がすっぽりと収まり、まるでおくるみに包まれているような心地よさ。思わずうたた寝をしたくなるほどです。

発売されてから50年以上が経つ現在では、家族がソファに横並びに座るというより、一人一人がパーソナルチェアに座ることも増えてきました。
家族がテレビに向かって座る時代から、顔を合わせて自由に会話を楽しむ時代です。
その時その時の変化に合わせて模様替えをして、コーディネートを楽しんでみるのはいかがでしょうか。
折りたたみができるニーチェアはそんな変化にも柔軟に対応してくれます。

ーNychair X　Shikiriー
襖、障子、屏風など日本建築において内と外をつなげる「仕切り」をコンセプトに、Shikiriには３種類の生地があります。
テキスタイルデザイナーの河東梨香さんは自称「研究者体質」。
日本家屋における畳や障子の比率、柱の間隔をはじめ、街中のタイルでさえも気になったものすべてを実際に計測しながら数えきれないほどのデザイン画を描かれたそう。
そこから生まれたShikiriのテキスタイルは、日本人が愛する比率や美しさが宿っています。
肘木は、Shikiri限定のオーク材を使用しており、画像のチャコールブラックとナチュラル色のソープ仕上げの２色展開となります。

画像右から
ニーチェアエックスロッキング（２脚）・・・身体に寄り添う心地よい揺れでホッと一息。
ニーチェアエックス・・・最も座面が低く安定感のある座り心地。頭も支えてくれます。
ニーチェアエックス80・・・最もコンパクトに折りたため、テーブルとの相性も良い。

長く使い続けるには日ごろのお手入れはもちろん、修理・補修ができ交換用シートも販売されている点が、安心して使い続けられるポイントです。
「新しい素材や技術が目まぐるしく変わっていく現代で、使い慣れたものに囲まれて暮らすことが本当の意味での『豊かな暮らし』だと思う」と名付け親の島崎信教授も語っています。
ニーチェアエックスには分解・組み立てが簡単という特徴があり、万が一、パーツの一部を取り替えたい時はご自身でも修理が可能な場合もあります。
ご自身の手で直すことにより、より一層愛着を持って、世代を超えて使い続けることができる家具がニーチェアエックスです。

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soup. (b-soup.shop)

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