シンプルで優美なSTUDIO PREPAのTea pot
〜「ならの実」より〜 vol.23
手仕事によって生み出される一流品は
量産はできないけれど、ひとつひとつ職人によって命が吹き込まれていくようなプロダクトです。
今回ご紹介するのは、長野県の吹きガラス工房スタジオプレパのティーポット。
透明度の高いガラスで3000年前から伝わる宙吹きという技法によって、
ひとつひとつ作られています。
どこか懐かしい日本的なデザインで、耐熱ガラスのティーポット。
急須を思い出す繊細な作りの持ち手と、滑らかでシンプルなラインのガラスが喧嘩せず調和していて、落ち着いた高級感を感じさせます。
持ち手が天然素材で作られているため、蓋を含めても約260gと非常に軽量です。
持ち手は、外皮を取り除いたあけび、ぼこぼこが手に馴染む飴色の竹(バンブー)の2種類です。
たっぷり3~4人分のお茶が入ります。
少しとがったかわいらしい注ぎ口は、お湯切れ抜群で、気持ち良く注ぐことができます。
注ぎ口には簡単に取り外しが出来る、コイル状の茶こしが付いています。
そのコイル状の茶こしが、茶葉をしっかり受け止めてくれます。
ガラス本体の質感を邪魔しないデザインです。
いつものハーブティーやフルーツティーだけではなく、夏の和菓子と一緒にお家で和カフェも楽しめるガラスのティーポットです。
いつものお茶の時間が贅沢なものになります。
★先日の展示会でSTUDIO PREPA 平さんより興味深いお話をお聞きした。
日本ではじめてゼロ・ウェイスト宣言を行っている徳島県上勝町の「RISE & WIN Brewing Co.(ライズアンドウィンブルーイングカンパニー社)」と協力し使い終わった地ビールの空瓶を、新たな器に再生するプロジェクトを始めた。
上勝町はごみの再利用・再資源化に力を入れ、リサイクル率80%以上を実現する町として様々な取り組みを行ってきた。そんな町の取り組みに何か協力できないかと地ビールの空瓶を利用したプロダクトを発表された。
ガラス瓶をリサイクルするには通常のガラスを溶かして成形するという簡単なものではなく、まず材料となる空瓶の運搬、ガラスの強度、様々な課題があるという。
何百キロもの空瓶をご自身のトラックで長野から徳島まで引き取りに行き、持ち帰った後
工房の炉で空き瓶を溶かす、その際色のついたガラスを溶かすと炉に不純物がたまりその後同じ炉では透明のガラスの制作が出来なくなる、だから陶器で出来た炉を数週間かけて入れ替えると聞いた。
普段から環境問題に向き合いながら物作りをする平さんの姿勢に感銘を受けました。
役目を終えた空瓶を再生することで、ゴミになるはずだった資源が器になり地球環境にちょっとでも貢献できる。そんな気持ちで使っていただけたら。
■STUDIO PREPA
スタジオプレパは長野県にある、夫婦2人で営む吹きガラス工房です。
スタジオプレパの器づくりは、確かな技術と細やかな感覚で、デザインから製作まで、全ての行程を自らの手で行います。
工房レベルで製作するということは、器、或はガラスとしておもい描いた、あらゆるディテールを仕上げるためです。
そして、スタジオプレパの器はどれも至ってシンプルで、物の形(機能)や素材感を素直に表した器ばかりです。
・STUDIO PREPA「Tea pot」
https://naranomi.jp/SHOP/089-1.html
奈良県奈良市鶴福院町13
TEL:0742-23-7557
営業時間:月~金 11:00〜17:00
土・日・祝 11:00~18:00
定休日:無休
https://narano-mi.com/
Instagram:@naranomi
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