美しい入れ子の漆器「たに屋」の「応量器(おうりょうき)」
~designshop(デザインショップ)より vol.1 ~
私が初めてこの応量器を見たのは、20年以上前になります。当時、友人が所有しているものを何度か見ているうちに、なんとも美しいかたちに惹かれ、当店で扱うことになりました。
応量器は、曹洞宗の総本山、永平寺をはじめ、曹洞宗、臨済宗など、修行僧の日々の食事で器として使われているものです。また、托鉢をする道具としても今でも使われています。“量に応じた器”として、六つの器が合理的に美しく収まっている、日本が誇る器といっても過言ではありません。
私はいつも、写真のような感じで、普段の食事にも使っているのですが、とても料理が映える器だと感じています。全ての器を使わなくても、単品でお蕎麦を頂いたり、味噌汁、お豆腐を頂いたりと気軽に使えます。
基本的に漆器は、冷蔵庫に入れないとか、金属のカトラリーを使わないとか、最低限のルールを守れば、末永く使える逸品ですし、もしひびなどが入っても、拭き漆(ふきうるし)でない限り、修復可能な一生ものですので、普段使いをおすすめします。
この写真は、私の故郷、岩手県盛岡市で、応量器を持った托鉢中の女性の僧侶に遭遇したときのもの。お声がけして、写真を撮らせて頂きました。
修復しながらでも、世代を超えて使い続けられるものの美しさを知っていただきたく、また日本の伝統技術や文化を残すために、日本古来の商品をこれからも取り扱っていきたいと考えています。
文:designshopオーナー 森博
山中漆器 たに屋|応量器
シンプルライフ、クオリティライフにふさわしい、流行に左右されず末永く使える優れた商品を発信するショップ。「今日のひとしな」コラム執筆は、オーナーの森 博さん、店長の鹿野幸祐さん、広報の杉江厚子さんをはじめとするスタッフのみなさん。
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営業時間:11:00~19:00
定休日:土、日、祝日
http://www.designshop-jp.com
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