物語のある繊細な造形「中嶋寿子」土の鳥とブローチ

～ Plain Table（プレーンテーブル）より vol.11 ～

石川県金沢市で陶のオブジェやブローチなどを製作されている中嶋寿子さん。
陶の作品なのだけれど、自然の中で幾度も季節を重ね長い年月を経て、海の底から、はたまた土の中から中嶋さんがそっと両手で掬い上げたようなそんな物語を感じる作品です。

土の鳥。壁掛けの陶の鳥です。繊細な羽の造形は、力強く、意思を持ち飛び立とうとする鳥達の羽音が聴こえてきそうです。

羽ばたいて、素敵ななにかを運んできてくれそうな鳥なのです。

一羽一羽、羽の広がりが違い、二羽一緒に羽ばたかせてくださる方も多いんです。

ブローチは、羽ばたいていった鳥の落とし物のような羽の形だったり、海の底でひっそりと息づく生物のようだったり、細かな造形には目を奪われます。よく、珊瑚ですか？ 貝ですか？と聞かれますが、こちらも陶の作品。長い年月を経たかのような佇まいです。

陶板や動物のオブジェ、花器など、様々な作品がありますが、どれも一言では形容しがたく見る人の想像力をかき立てる不思議な魅力があります。

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