‟自分だけの香り”に変化する「DAWN Perfume」のフォーミュラX
今日のひとしな
2020.05.09
～ 「岡の」より vol.9 ～
子どもの時の授業参観。色々な香水の香りで、酔ってしまうことがありました。初めての海外旅行・イギリスの旅は、香水の匂いに悩まされました。
そんな、強い香りが苦手の方や、香水には興味があるけれど何を選んでいいかわからない方、さらに、気に入っている香りはあるのだけど、いまひとつ自分のものに出来ていないという方にご紹介したいのが、「DAWN Perfume（ダウンパフューム）」の‟フォーミュラX”。
「香水をつけない女性に未来はない」（ココ・シャネル）
香水に関する言葉を聞くたびに、「避けては通れない」「もっと香りの可能性を試さなければ……」という思いがいつも心の片隅にありました。ですが、20代ではいくつかの香水を使い切れず、香水瓶をただ飾るだけの経験をしてきた私にとって、香水は‟手に負えないもの”として長い間、見て見ぬふりをしてしまいました。
そんな私ですが、偶然知り合った香水のスペシャリストで、「DAWN Perfume」のデイレクターである杏（あんず）喜子さんから、『（ほとんど）香らない』香水の存在を聞いて、どうしても試したくなったのが、‟フォーミュラX”との出会い。
香らない香水、というのも面白い言葉ですが、実際は、それ自体は石鹸の残り香のようなほのかな柔らかい香りがします。強い香水をつけている方であれば、気が付かないほどの香りです。
ですがこの香水は、肌につけた時、その香りがつける人によって変化するのです。今、夫婦で使っているのですが、夫は甘い華やかな香りがしてお花屋さんのようなイメージ。私は瓶からかいだ石鹸の香りが、複雑な要素も入れつつ強まるような感じに（香りを言葉で例えるのは難しいですね）。人によっては全然香りが変わらない方もいるようですが、私の友人は少し甘さもありつつも、スッとした森林のような香りがします。
つける人によって違う香水のように変わるのです。不思議で面白い！
（杏喜子さんには今回じっくりと香水の魅力を伺いました）
香水名の‟フォーミュラX”の意味は「成分は秘密」。これは、杏さんが全幅の信頼を寄せる調香師のドーンさんが、香りのカウンセリングで、個人個人の肌のタイプを知るためのツールとして使っていたもの。それぞれが元々持っている肌の香り（加齢臭や体臭ではなく、よい部分）を引き出してくれるのが、この香水なのです。
杏さんは「自分の肌を香料の一つとして混ぜ込むのが、この‟フォーミュラX”の魅力」と言います。
若かりし頃、私は個性的でコンセプトのしっかりとした香水に憧れていましたが、自分のものに出来なかった経験がありました。どんなに素敵な香りでも、どこかしっくりとこない。これはきっと、「私は私でいたい」ということなのだと思います。洋服を選ぶ時だってそうだと思いますが、香りはもっと正直なのだと思います。
‟フォーミュラX”のほっとする香り。「香水は自分の内面を整えるために使うもの」という杏さんの言葉に、深く納得しました。
この香水を少しの間切らしてしまった時期があったのですが、何かが足りないような、落ち着かない感覚がありました。そのことを話すと、これは、「自分の中心に帰る」、そういう香水なのだと話してくれました。この香りは自分だけのもの――。そうした自分の香りに包まれることで、「人に左右されない自分の本質に戻る」ということ。そんな力がこの香りにはあるのだと聞いて、肩の力を抜いてもよいような、そんな気持ちになりました。
‟フォーミュラX”は香料は多めで、アルコールは少なめのオードパルファムです。アルコールが少なめなので、すぐに揮発せず、ゆっくりと香るのだとか。『成分はX』という名前の通り成分は公表されていないのですが、80%は天然香料、20％は植物由来の合成香料という植物性をベースとした香水です。
自分自身の香りになるのでつけていることを忘れがちなのですが、席を立ったり座ったり、ちょっとした体の動きと共にふんわりと香ってきます。それがまたとてもいいのです。
人のつけている香水で酔いそうになることがある私としては、人が感じるか感じないかくらいの香りが安心できます。そういう意味では、‟フォーミュラX”はしっかりとした香りを求める方には向かないかもしれません。ですが、「手持ちの香水に重ねて付けることで、自分の香りという要素が入り込んで、より心地よい香りになる」とも教えてもらいました。今お持ちの香水がもっと好きになるかもしれません。
最後に、杏さんより香水の付け方のアドバイス。
下半身にワンプッシュ。パンツスタイルなら足首の内側、スカートなら膝の内側、のようにスタイルと合わせて。上半身は手首にワンプッシュして、腰、デコルテ、首の後ろ、後ろの髪の生際にこすらず、とんとん、と軽くつけるのがよいそうです。一ヶ所より全体に少しずつ。こうすると違和感なく、より自然に溶け込ませることができるのだとか。
そして、気になっていた杏さんの香り。「今日は何をつけているのですか？」と伺うと……。足首に‟ベジマット”という、ベルガモット、ヒノキ、蓮の花、ホーウッドを使ったエキゾチックですっきりとしたもの。上半身には‟タージガーデン”というスウィートオレンジ、マリーゴールド、ジンジャーリリー、サンダルウッドを使った、明るく視界が広がるようなクリアな香りをつけているとのこと。
体を上下に分けて、違う香り。そんな楽しみ方もあるのですね！
今日つけられていたこの２つの香水と、昨年誕生した‟シュリンクス”という新しい香水（ギリシャ神話の牧神パンが恋したニンフの名前）を加えて、この３つの香水は一つのテーマで繋がっており、３部作になっているのだとか。
香水のディレクションという仕事。聞けば聞くほど奥が深い！
日本の女性の幸福感に深くアプローチした杏さんの香水。日本の気候やライフスタイルに合うオリジナルの香水とはどのようなものなのか。当店「岡の」では‟フォーミュラX”のみの取り扱いですが、気になった方は杏さんのサイトもぜひのぞいてみて下さい。
「DAWN Perfume」‟フォーミュラX”
オードパルファム〈30ml〉11,550円（税込）
※お問い合わせご注文ご希望の方はメールでメッセージをお送りください。
okano.shop@icloud.com
メールの返信に2日ほどお時間を頂く場合がございます。
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