静かな器 竹花正弘さんの蕎麦猪口

今日のひとしな
2020.05.27

~ 「岡の」より vol.27 ~

大分県・唐津で作陶されている竹花正弘さん。前回はお皿をご紹介させて頂きました。今日は静謐な器。眺めれば時間が止まってしまうような、唯一無二の蕎麦猪口をご紹介します。
 
 
前回、竹花さんの器について大いに語りましたが、最近届いたばかりの蕎麦猪口を見て、まだまだ竹花さんの器の魅力を伝え切れていないなと思いました。
 

乳白色の肌の色にうっすらと流れ落ちるような、繊細な動きが見られます。底に釉薬が溜まり、厚みが出た部分に青色が出てきます。この青の部分の輝きが大変美しい。透明なガラスの中に一瞬で青色の大気を閉じ込めたような、人工的なものを感じさせない自然の中から湧き上がったような青色です。常に留まることのない、形を変えていく雲の流れや空の風景をそのまま閉じ込めたような器。

青色
の美しさに最初は目を奪われましたが、よくよく眺めてみると、乳白色の中にも極わずかな緑色を感じます。見える、ではなく‟感じる”ような、ごくごく薄い僅かな色。人の手で作られたものでありながら、作り手の存在を消してしまうような自然を、手に収まるこの器から感じます。
 
 
土づくりだけでなく、釉薬の色も日々の試行錯誤の中から生み出されます。様々な色味が浮かぶこの釉薬の色。一体、どうやって作られるのか。竹花さんに伺いました。
 
「この青瓷の釉薬には、土づくりの過程で残る砂と窯の灰を半々くらいで作っています。砂には珪石が多いので、厚みが出ると青が出てきます。さらに厚くなると乳濁していきます」
 
釉薬の溜まったところ、ガラスのような透明感は砂に含まれる珪石のなせる仕事。そして窯の灰。器を焼く窯。その働きの最後に残される灰が新たな器の誕生にこんなにも深く関わってきているとは。
 
 
自然豊かな山の中の工房を思い出すと、あの場所には足りないものは何もないのだということを感じます。余計なものがなく、五感が研ぎ澄まされていく感じ。
 
お伝えしておきます。竹花さんの器は大変静かです。デザイン性の高い器、美しいカラー、一瞬で部屋のムードを変えてしまうような器を求めている方には、目に届かないかもしれません。もちろん、そのような器に対する憧れや気分というものも、焼きものの魅力の一つだと思います。
 
 
竹花さんの器はそれとは別の魅力。装飾性を削ぎ落とし、作り手の作為を感じないような器。余計な要素が少ない分、自然といつも手にして、食卓にも当たり前にあるような器。そのような器は毎日のように使えて、たとえシミや欠けがたくさんできても、手放すことのできないような自分の器になっていくのだと思います。
 
(お蕎麦や素麺を美味しく頂ける、竹花さん3点セット)
 
ものを本当の意味で自分のものに出来る時、豊かさを一つ手に入れられるのではないかと思います。この器をぜひお手元に一つ置いて頂きたいです。
 
 

青瓷(せいじ)蕎麦猪口 
径 約7.5センチ 高さ 6.5センチ 2,750円(税込)

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