静物画のような田中直純さんのゴブレット

～「les trois entrepots（レ・トロワ・アントゥルプ）」より vol.1 ～

最初に彼の作品を手に取った時に 「ジョルジョモランディの静物画から抜け出したような器のよう」 と感じ、写実過ぎず抽象過ぎない絵画のような表情に魅せられました。フランスアンティークの器のような美しい白い器。抜けるような白と揺らぎのある表情。 作家は皆、作品を実生活で使ってもらえる事を願いますが、眺めていたくなる時もある器です。

定番のゴブレット。 この表情に行きつくまで随分と苦労したそうです。轆轤（ろくろ）を引いたり色々な方法を試行錯誤して、最終的に “型” という技法が自分の求めるフォルムが得られたということです。（奥に写っているのはモールゴブレット）

とても薄くシャープな飲み口は切れがよく口当たりも抜群です。もちろん手にしたときの持ち具合も大切。細部にまで曲線が表現されているので、ゴブレットを持った時の指の引っ掛かりも気持ちがいいのです。

ゴブレットだけではなくお皿や鉢なども同様に表情豊かです。

お得意料理を静物画のような器に盛ってみてください。

2020年11月28日〜12月6日まで、田中直純さんの個展を開催予定です。そのころには普段の生活に戻れていることを願って。ぜひ遊びにいらしてください。

オンラインショップはコチラ

写真：太田昌宏

←その他の「レ・トロワ・アントゥルプ」の記事はこちらから