ピン・ブロウという技法から生まれる詩的な造形美

今日のひとしな
2020.06.30

~「les trois entrepots(レ・トロワ・アントゥルプ)」より vol.30 ~


ピン・ブロウという技法で作られるガラス器を通して映る光の美しさ。人工の光もそれだけで充分に美しいのだけれど、自然な光と重なり合うことで映る光が時間帯によって異なり、それはまた美しいのです。「たくさんの艸田さんの作品を並べて、映る光の美しさを伝えてみたい」 という思いはお店を始める前からの希望でした。私たちの大好きなガラス作家、艸田正樹さんの作品をご紹介します。


ピン・ブロウは、鉄棒にガラスを巻き取り、ガラスが柔らかいうちに針(=ピン)で穴を開けて、そこに空気を吹き込んで(=ブロウ)膨らませるのですが、作家によっていろいろな方法があるそう。艸田正樹さんの場合は濡れた新聞紙で穴を塞ぎ、水蒸気で膨らませます。あとは棒を回す遠心力と重力だけで形を作り上げます。艸田さん曰く、ピン・ブロウだけでも器を作れるというところが魅力なのだとか。あえて手を加えないピン・ブロウから生まれる艸田さんの作品は、シンプルな美しさと柔らかな透明感があります。


また、ピン・ブロウはうつわが自然と先端に向かって薄くなるので、うつわ自体がレンズのような形状になり映る光にゆらぎや柔らかさが生まれるそうです。


「何ものせないこともうつわの役割」 といつか話してくれた艸田さん。例えば自然光が入る場所に置いて朝・昼・晩と違う表情をみせる作品を楽しむというのも一つですね。


“やわらかな方位” “風の人のグラス” “酸素の国” “あたたかい雨”。静謐なガラス器につけられた詩的な作品名も艸田さんの繊細で知的な人柄を感じられます。

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「レ・トロワ・アントゥルプ」が担当する「今日のひとしな」も今日が最終日です。1ヶ月間お付き合いくださりありがとうございました。まだまだ始まったばかりのお店です。これからも私たちが思うよき作家、よき物をご紹介していきます。この記事を書いている今は、非常事態宣言に伴い外出自粛が続いています。早く収束し、穏やかな日常に戻ることを願っています。その時には愛知県のお店にも遊びにいらしてください。それまではホームページSNSをご覧いただけますと嬉しいです。

写真:太田昌宏

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les trois entrepots(レ・トロワ・アントゥルプ)

愛知県小牧市間々本町31-1
TEL:0568-44-1568
営業時間:12:00~19:00
定休日:月・火・水(展示会前後・夏季・年末年始の休みについてはHP/SNSをご確認ください)
http://shop.lt-entrepots.com
Instagram:@lestroisentrepots 

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