元診断室を趣味部屋に!築87年の歯科医院をリノベーション【栃木県】

Comehome!
2022.10.04

※Come home! webに掲載された記事を転載しています

昭和5年に建てられた歯科医院併設の和洋折衷の家をリノベーションして暮らす杉戸さん家族。レトロな上げ下げ窓や医療棚など、古い趣をできるだけ生かして、モダンとレトロが融合された住まいへ生まれ変わりました。その見どころをたっぷりご紹介します。

この記事は『リノベーションでつくる こだわりヴィンテージハウス』より抜粋しています。
その他のリノベーション施工実例はこちらより。

【杉戸さんのお宅のリノベーションDATA】
築年数/87年
間取り/7LDK+診察室→2LDK+3LDK+書斎
延べ床面積/228.68㎡(1階140.90㎡ 2階87.78㎡) 
物件購入価格/630万円
リノベーション費用/2150万円(外構費含む)+設計&監理業務費195万円
リノベーション面積/208.81㎡
施工/君島建築

選んだのは元歯科医院!
洋館のような雰囲気がよくて

 結婚を機に選んだのは築87年の元歯科医院です。当然、思わずひるむ廃墟ぶり。そんな物件を選ぶ新婚カップル、なかなかいませんよね。というのも、私と主人は古い建物や家具が大好き。ゆくゆくは、レトロな家に住むのが夢だったんです。そんなときに出会ったのが、この洋風と和風が融合した昭和初期の建物でした。洋風のほうは、数回改築されていて、部屋は細切れ。裏に増築された和風の建物のほうは、崩れ落ちる一歩手前というありさま。ただ、石造りの玄関には威厳があり、診察室の雰囲気は、昔の洋館そのものでした。飴色になったドアノブにも歴史を感じて。最初は冷やかし半分で見に来たはずが、「売り値を半額にしますよ」と言われ、購入することになったんです。
 ただ、借地部分があって境界線があいまい。ローン審査は通りにくいと言われ、設計士と工務店に調査してもらい資料をそろえて行ったんです。

カウンターが目隠しになて、収納部分が目に入らないよう工夫。ガス台はレトロな家に合う「ハーマン」のプラスドゥを選びました。

キッチンはオープンタイプです。部屋を広く使えるように壁づけにしました。明るくて動線もよく、お気に入りです。

キッチン本体は工務店の造作。ワークトップはステンレス。扉はコスト削減のために省略。

診察室の収納庫の背板を抜いて、冷蔵庫を収納。リビングから見えないように。

昭和初期に建てられた古い趣を
できるだけ生かして使っています

 銀行が渋い顔をした理由は瑕疵担保責任(欠陥があった場合売り主が責任を負う義務)がなかったこと。そしてやはり、借地部分にありました。そこで、工務店の方が銀行に出向き、借地部分の建物を壊すこと、そこに新しく建物をつくらないことなど、リノベーション計画を説明してくれて。おかげで、無事にローンを組むことができました。
 設計する際、診察室はできるだけ昔の姿を残してほしいとリクエストしました。増築部分は壊して、サニタリーとトイレ、階段だけ作ることに。壁と床下に断熱材をしっかり入れ、窓は断熱窓に替えたから、快適にすごせます。
 新婚旅行に行く代わりに、休暇を取って壁と天井の漆喰塗りをしたのも忘れられない思い出。大変だったけど愛着がわき、ていねいな暮らしを心がけるようになりました。

内窓はリビングのガラス戸を再利用して作ったもの。ここの腰壁は新たに施工。向こう側はリビングです。

廊下は1間幅で広々。洗い出し(洗って小石を浮き出させる方法)のたたきと床板はそのままに。床板は蜜ろうワックスでお手入れを。

庭に面しているので、ぬれ縁を作って離れの雰囲気に。

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