隣家が迫った住宅地でも、光と風が通り抜ける!「なるいち」の“あきらめない”家づくり【徳島県】

Comehome!
2023.04.28

※Come home! webに掲載された記事を転載しています

ゴールデンウィーク直前の今週は、「ワタシの理想の住まいの形を探して」と題して5日間の特集をお届けします。ぜひ、モデルハウス見学や家づくりのご参考に!  最終回は、「隣家が迫った住宅地で、光と風通しを計算しつくした家」。「効率よりも、お客様の満足感を大切にしたい」と語る徳島県の工務店「なるいち」が手がけた最新のモデルハウスは、その言葉どおり、細部に工夫がこらされています。※この記事は『Come home!vol.70』で掲載した記事をウェブ用に再編集したものです。

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19.9帖のLDKはオークの無垢フローリング。天井の梁や漆喰の壁と相まって、新築なのにほっと安らぐ懐かしい雰囲気です。

 

MY HOME DATA
なるいちモデルハウス南矢三
建物/新築一戸建て
延べ床面積/104.33㎡(32坪)(1階/52.99㎡ 2階51.34㎡)
施行/なるいち

木のぬくもりいっぱいのLDKは、
吹き抜けの階段がポイント

足元から1階が透けて見える“渡り廊下”や、ヴィンテージ調のバーンドア。ここは「マイホームに夢をもってほしい」と願う「なるいち」代表・佐藤信正さんの遊び心が凝縮したモデルハウスです。


二段階のかね折れ階段が目を引くリビングダイニング。

隣家が迫っていても
光と風の通り道を確保


2階ホールからの眺め。スチール素材の手すりなので、2階からの光を遮らずLDKへ届けることができます。


2階ホールの一部を格子床にした通称“渡り廊下”は、モデルルームの見学に来た子どもたちに人気のコーナー。ここからも光が1階に届く仕組み。

 


階段下の収納スペースは、扉の下部を空け、お掃除ロボットがそのまま入れる仕様に。

 


北側の洗面所からアーチ天井越しに見たLDK。南北に光と風が通り抜け、実際よりも広く開放的に感じる効果があります。

十種類のタイルで、さりげない個性を

自然素材を取り入れた、ナチュラルで可愛い家をいくつも手がけてきた「なるいち」ですが、この南矢三のモデルハウスは、ナチュラルだけでは終わらない、さりげない個性が感じられます。それが家のあちこちに施したタイルづかい。


対面キッチンのアクセントは「名古屋モザイク工業」のグリーンのタイル。いっぽう、レンジ周りはホワイトを選んで、明るさと清潔感を演出。


キッチンカウンターのサイドにニッチを設けてブックシェルフに。レシピ本の定位置にすれば調理中もサッと手に取れますね。


キッチンは木のぬくもりとステンレスの天板がスタイリッシュな「ウッドワン」の「スイージー」。「ツールボックス」の「土間タイル」を貼った床は、水や汚れがついてもサッと拭くことができ、掃除もラク。シンク下はゴミ箱が入れられるようオープンスペースに。


天然木のバックカウンターには、「HIRATA TILE」のサブウェイタイルを組み合わせてヴィンテージ感を出して。

細かなニーズに対応できるのも注文住宅のよさ

「なるいち」代表の佐藤さんは、元々、ハウスメーカーから仕事を請け負う水道・電気工事技師。当時、たくさんの現場でお施主さんがマイホームに対する夢や希望を『あきらめる』様子を目撃したといいます。

「照明ひとつとっても、新築の家は天井につけるシーリングライト一辺倒で、どの家も既製服のように同じつくり。家族の人数や暮らし方によって、家の形は違うはずなのに、細かなニーズに応えてくれる工務店がありませんでした。ならば自分で! と、『なるいち』を創業したんです」


壁一面に設置した造作の洗面台。たっぷりとったオープン棚のほか、壁面には小物を収納に便利なニッチも用意。


脱衣室の洗濯機スペース横にはアイロンがけなどができる作業台を造作。


1階のトイレにも造作の手洗いを設置。ここも「名古屋モザイク工業」のタイルで水はね対策を。照明やトイレットペーパーホルダーなど、小さなスペースにも佐藤さんのこだわりが詰まっています。

 


シューズクロークをたっぷりとった玄関。造り付けのハンガーラックにアウター類もかけられます。「HIRATA TILE」のタイル床が木製ドアと調和して、ナチュラルだけど落ち着いた雰囲気。


玄関とリビングの間に設けた室内窓。人が出入りする気配がわかるほか、風を通す効果も。

 


リビング側から見るとこんなふう。造作のバーンドアとのコーディネートも相性抜群です。

建築予定地に合わせて
光と風通しを生かして設計

以前この場所に建っていた家は、隣家に光を遮られ、暗くてきゅうくつな印象だったそう。そこでモデルハウスを設計するときに、2階からの光を最大限生かす間取りを考えました。冒頭でご紹介したリビングの階段と吹き抜け、格子廊下がその結果です。

もうひとつの仕掛けは、2階の主寝室。


8帖の主寝室は南向きでバルコニー付き。光がたっぷり注ぐさわやかな空間です。


主寝室の壁に室内窓を設置して、採光を確保。ホールに光を取り入れています。


ホールからの眺め。レトロガラスにペンダントライトが映えます。小さいけれど、採光とインテリアを兼ね備えた素敵なアイデア!


12帖の子ども部屋は将来、2部屋に分けることができるようドアを2つ設置。

建築予定地の風向きや採光を計算し、イチから図面を引いて、造作家具まで手掛けるので、お施主さんとのやり取りは時に「気が遠くなる」こともあるそうです。そこで「そんなに手をかけていたら予算が膨らみますよね?」 とちょっと意地悪な質問をしてみました。

「大手のハウスメーカーさんと比較すると、『なるいち』の平均坪単価は85%くらいに抑えられていると思います。小さな工務店なので、スタッフはお客様対応から営業、SNSでの発信まで、何でもやります。少数精鋭で小回りがきくのが地方の工務店の強みですね」

家を建てるなら、あれもしたいし、これもしたいと、夢はふくらむもの。でもいざ家づくりがスタートすると、予算や条件とどうやって折り合いをつければいいの? と頭を抱えることもしばしば。 でも、「あなたの家をあきらめないで」と佐藤さんは訴えます。

「間取りだけでなく、水まわり設備や床・壁の部材、照明やスイッチプレートまで、まずは希望を遠慮なく伝えてください」

「いつか徳島でいちばんの会社に」。熱い志を胸に「なるいち」の挑戦は続きます。


「なるいち」代表の佐藤信正さん。


切妻屋根に小さな窓がスッキリ並ぶシンプルシックな外観。外から目隠ししながら自転車を置ける玄関ポーチ付き。外壁は独特の凹凸模様が上品なトラバーチン仕上げ。

 

撮影:岡田久仁子

 

5日間にわたって特集した「ワタシらしい住まいの形を探して」は、今日が最終回です。ゴールデンウィークは、モデルハウス見学や、家づくりを検討するチャンス! ぜひ参考になさってくださいね。

この特集の過去記事はこちらから

 

株式会社なるいち

徳島県徳島市南田宮2-3-111
TEL:088-677-3017
公式サイト: https://naruichi.net/
Instagram: @naruichi1130
Facebook: @naruichi.tokushima
Twitter: @naruichi1130

 

この工務店の施工例の記事はこちらから>

 

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